原発事故は人災、説明も伝言ゲーム…菅前首相
2011年9月6日(火)8時41分配信 読売新聞
インタビューに答える菅前首相=清水敏明撮影 [ 拡大 ]
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菅直人前首相は5日、東京電力福島第一原子力発電所の事故対応を巡る読売新聞のインタビューに応じ、「事故前から色んな意見があったのに、しっかりした備えをしなかったという意味で人災だ」と事故を振り返った。
そのうえで、経済産業省原子力安全・保安院や原子力安全委員会について「全電源喪失などを想定していなかったため、それに対応できなかった」と述べた。東電の情報伝達にも問題があったとし、同原発の吉田昌郎所長にも自ら電話をかけ、状況把握に努めたことを明らかにした。
菅氏は事故後、前線本部となるオフサイトセンターに人員が集まれなかったことなどを挙げ、「想定していたシミュレーションがほとんど機能しなかった」と総括。東電についても、「(格納容器内の蒸気を放出する)ベントをするよう指示を出しても、実行されず、理由もはっきりしない。説明を求めても伝言ゲームのようで、誰の意見なのか分からなかった」とした。
退陣表明後の8月27日に福島県を訪れ、長期間住めなくなる地域が出るとの見通しを伝え、汚染物質の中間貯蔵施設の県内設置を要請したことについては、「被災者の皆さんには大変申し訳ないことだが、3・11の時の総理として、一番厳しい見通しについて話をするのは自分の責任と考えた」と述べた。