厚生労働省の抜き打ち検査などで、埼玉県産のお茶から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが相次いで検出されたことから、埼玉県は放射性セシウムがたまりやすいとされる若い芽を摘んだ早摘みのお茶について、県内のすべての業者に出荷を自粛するよう要請しました。
厚生労働省の抜き打ち検査では、今月初め、日高市と鶴ヶ島市の業者が加工・販売していたお茶から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されました。埼玉県によりますと、その後、厚生労働省の検査で新たに川越市の業者のお茶から1キロ当たり800ベクレル、市民が持ち込んだ入間市の業者のお茶を調べた東京・小金井市の検査で1キロ当たり1240ベクレルと、いずれも国の暫定基準値の1キロ当たり500ベクレルを上回る放射性セシウムが検出されたということです。このうち少なくとも日高市と鶴ヶ島市の業者のお茶は放射性セシウムがたまりやすいとされる若い芽を摘んだ早摘みのお茶だったことから、埼玉県は県内のすべての業者に対し、安全が確認されるまで早摘みのお茶について出荷を自粛するよう要請しました。一方で、これまで埼玉県が行った検査では基準値を超える放射性セシウムは検出されていませんでしたが、これについて埼玉県は会見で、通常のお茶だけを検査対象とし、早摘みのお茶を検査していなかったことを明らかにしました。埼玉県は「これまでは流通量の多い早摘み以外のお茶の検査を優先していた」と説明したうえで「今後は早摘みのお茶を優先的に検査する」と話しています。