すぎやまこういち「禁煙ファシズム」にモノ申す!愛煙家の“言い分”
夕刊フジ 9月6日(火)16時56分配信
|
拡大写真 |
すぎやまこういち(写真:夕刊フジ) |
今年6月、作家の筒井康隆氏や漫画家の黒鉄ヒロシ氏らとともに、「喫煙文化研究会」を旗揚げ。「会長」として『愛煙家通信』という雑誌やホームページなどで「喫煙は悪ではない」「文化の一つである」といったメッセージを全国の愛煙家に送り続けている。
満20歳の誕生日から60年あまり、1日20−30本を欠かさないだけに、嫌煙派への舌鋒は鋭い。
「禁煙ファシズムの源流は『健康宗教』。喫煙者が今よりはるかに多かった昭和30−40年代に比べ、現代の肺がん発生率が下がっているというデータは一切なく、喫煙と肺がんの相関関係を示す客観的データもない。禁煙運動発祥の地・米国では建国当初、イエス・キリストが唯一の神でしたが、時代を経て実質的にはマネーがその座にとって変わり、いまは健康。ジョギングは善、たばこは悪といった固定観点に支配された、宗教的思想なんです」
たしかに、喫煙率と肺がん発生率を結びつける明確なデータは見当たらない。むしろ、がん発生率は増える傾向にある。すぎやまさんは兵庫県に対しても、「悪しきポピュリズムの最たる例」と憤るが、がんとの相関関係はなくとも、「体に良くない」のは事実ではなかろうか。しかし、筋金入りの愛煙家は譲らない。
「体にいいことがないから悪、と結論づける人は、量に対する観念がゼロです。たとえばプールは、適量の塩素を入れることで水を浄化させる。過度の飲酒も肝臓には良くないのに、たばこだけを批判するのは客観的事実を無視した宗教運動のようなものです」
「たばこが健康にプラスになるデータはないが、飲酒や肥満の発病リスクと比べると、それほど高くはないというデータはあります。そもそも、一服したときに得られる安らぎは何ものにも代えられない。私の場合、作曲中にワンフレーズが決まった後の一服は創作活動に欠かせません。脚本家の倉本聰さんが、たばこがないと脚本が書けないと言い切ったように、私もたばこがなければ曲は生み出せなかったと思う。被災地に45カートンのたばこを差し入れたときも、ものすごく感激されました」
過激な嫌煙派に対してどこまでも語気を強めるが、妥協点がまったくないわけではない。同会が目指すのは、「美しき分煙社会」。ポイ捨てや、人混みでもおかまいなしに紫煙をくゆらす輩に対しては、「嫌煙派とも共通の敵。彼らのおかげで、喫煙者全体のイメージが悪くなっている。われわれにとっても撲滅の対象ですよ」と手厳しい。
「たばこを吸うことに後ろ暗い思いをしないで、堂々とマナーよく吸ってほしい」というのが、すぎやまさんと同会の主張。すべての国民からオープンな意見を受け付けるという同会のホームページでは、嫌煙派の反論も大歓迎だという。それにならって当欄も、次は嫌煙派の反論を載せることにしよう。有名人の方々の自薦他薦、お待ちしています。(ペン・小川健 カメラ・瀧誠四郎)
■すぎやま・こういち 本名・椙山浩一。作曲家。1931年4月11日生まれ、80歳。東京都出身。東大教育学部卒。フジテレビのディレクターとして『ザ・ヒットパレード』『新春かくし芸大会』などの名物番組を手がける。65年、フリーに転身し、作曲活動に専念。「恋のフーガ」「亜麻色の髪の乙女」「学生街の喫茶店」などの人気ポップスや、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの楽曲などを生み出した。今年6月、禁煙の流れに一石を投じる「喫煙文化研究会」を旗揚げ。雑誌「愛煙家通信」(ワック)の刊行や運営サイト(http://aienka.jp/)で喫煙にまつわる情報を発信している。
【関連記事】
関西の鉄道ようやく禁煙、阪神全駅で
復興財源にたばこ1000円と株放出せよ
中高生の喫煙経験者過去最低、値上げで“禁煙”
JT、小宮山氏のたばこ増税を批判
小宮山氏「たばこ最低でも700円」
減少が続く日本人の海外留学 ここにきて回復の兆しが
最終更新:9月6日(火)16時56分