首都圏でも、学校や公園の砂や土を入れ替え、側溝を清掃する動きが広がっている。東京電力福島第一原発の事故による放射性物質を除染しようという取り組みだ。政府が除染方針を示したのは8月末で、各自治体はそれに先駆けて独自の対応をとってきた。
東京都内では足立や葛飾、練馬の各区などが砂場の除染を進めている。足立区は8月10日から小学校や幼稚園、公園などの砂場593カ所のうち、毎時0.25マイクロシーベルト以上が出た35カ所で砂を入れ替えるなどした。
原発事故による被曝(ひばく)を年間1ミリシーベルト以下とする国際放射線防護委員会の目標値を参考に、毎時0.25マイクロシーベルト以上の場所は年1ミリシーベルトを超える――と計算した。
葛飾区も同じ基準で20カ所の砂場で砂を入れ替える。「放射性物質がたまりやすい側溝のこまめな清掃や、高圧洗浄機を使うことも検討している」(同区の担当者)。
茨城県守谷市は8月22日から、市内の公立小学校や保育所11カ所でグラウンドの土を入れ替えた。文部科学省が主に福島県内の学校向けに示した除染基準の毎時1マイクロシーベルトを超える地点はなく、当初、本格的な除染はしてこなかった。
しかし6月、市民ら1千人余から文科省基準より低い放射線量でも対応するよう、「子供の被曝を年間1ミリシーベルトに近づける」ことを求める請願が出され、市議会が採択した。
橋本孝夫副市長は「少しでも放射線量を下げてほしいと思う親たちが安心してくれるのであればと考え、方針転換した」。土の入れ替えの費用は私立幼稚園などへの補助も含め約6千万円かかったという。