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さくらのVPS を使いはじめる 5 – MySQL のインストールと初期設定

2010 年 9 月 19 日 コメントをどうぞ コメント

さくらのVPS への作業メモ 5。今回は MySQL のインストールと初期設定をおこなう。

もくじ

CentOS の環境を日本語にする

今回の内容とはあまり関係ないのだが、さくらのVPS の CentOS は初期状態が英語環境なので、これを日本語にしておく。この設定は /etc/sysconfig/i18n に指定されているので、これを vi で開く。

$ sudo vi /etc/sysconfig/i18n

すると以下のような内容になっているので、

LANG="C"
SYSFONT="latarcyrheb-sun16"

LANG の内容を以下のように編集する。

LANG="ja_JP.UTF-8"
SYSFONT="latarcyrheb-sun16"

編集が完了したら保存して、再ログインするとメッセージが日本語化される。例えば ls -l を実行したときの内容を比べると、初期状態では、

$ ls -l
total 36
-rw-r--r-- 1 root root 33726  9月 15 22:30 httpd.conf

となっているが、日本語化されると以下のように「total」という表記が「合計」に変わる。

$ ls -l
合計 36
-rw-r--r-- 1 root root 33726  9月 15 22:30 httpd.conf

日本語版のマニュアルが用意されているコマンドなら、man コマンドによる表示も日本語化されるので便利だと思う。

MySQL のインストール

まずは MySQL がインストールされているかを確認する。

$ rpm -qa mysql-server
$

ありません。というわけでインストールをおこなう。

MySQL の公式サイトを見ると最新版は 5.1.50 のようだが、手軽なので Apache のときと同様に今回も yum を利用してインストールする。MySQL のパッケージは mysql-server なので、これを指定して yum を実行する。

$ sudo yum -y install mysql-server
... 中略 ...
Installed:
  mysql-server.x86_64 0:5.0.77-4.el5_5.3

Dependency Installed:
  mysql.x86_64 0:5.0.77-4.el5_5.3
  perl-DBD-MySQL.x86_64 0:3.0007-2.el5
  perl-DBI.x86_64 0:1.52-2.el5

Complete!

前に yum を利用すると、依存関係のあるパッケージを自動的にインストールしてくれると書いたが、それらは Dependency Installed として出力される。これをメモしておくと、最新版を自前でインストールするときの参考になるため、今回から記録することにした。

インストールされたことを念のために確認しておく。

$ rpm -qa mysql-server
mysql-server-5.0.77-4.el5_5.3

ばっちり。バージョンは 5.0.77 になるようだ。次は初期設定をおこなう。

文字コード

まずは MySQL の文字コードを設定する。これは /etc/my.cnf というファイルに設定されているので、ユーザーの HOME にバックアップを取ってから vi で開く。

$ cd $HOME
$ cp /etc/my.cnf .
$ sudo vi /etc/my.cnf

開いたファイルを以下のように編集する。背景色をハイライトしている箇所が追記部分となる。

[mysqld]
datadir=/var/lib/mysql
socket=/var/lib/mysql/mysql.sock
user=mysql
# Default to using old password format for compatibility with mysql 3.x
# clients (those using the mysqlclient10 compatibility package).
old_passwords=1

# character-set
default-character-set=utf8
skip-character-set-client-handshake

# Disabling symbolic-links is recommended to prevent assorted security risks;
# to do so, uncomment this line:
# symbolic-links=0

[mysqld_safe]
log-error=/var/log/mysqld.log
pid-file=/var/run/mysqld/mysqld.pid

[client]
default-character-set=utf8

[mysql]
default-character-set=utf8

[mysqldump]
default-character-set=utf8

日本語のデータも入れることを考慮し、文字コード関連の設定を UTF-8 にしている。EUC-JP や Shift_JIS にすることも可能だが、わざわざ設定する意味はないと思う。

10 行目で既定の文字コードを UTF-8 に、11 行目でクライアントの文字コードを無視するように設定している。21 行目からは機能ごとの文字コード設定となる。

サービス登録と起動

MySQL も Apache のように自動起動してほしいので、chkconfig で設定をおこなう。まずは現状を確認する。

$ chkconfig --list mysqld
mysqld          0:off   1:off   2:off   3:off   4:off   5:off   6:off

初期状態では自動起動になっていないようなので、設定する。

$ sudo chkconfig mysqld on
$ chkconfig --list mysqld
mysqld          0:off   1:off   2:on    3:on    4:on    5:on    6:off

これで OK。自動起動を設定したものの、現在の MySQL はまだ動いていないので、起動する。

$ sudo /etc/rc.d/init.d/mysqld start
MySQL データベースを初期化中:  Installing MySQL system tables...
OK
Filling help tables...
OK

... 中略 ...
MySQL を起動中:                                            [  OK  ]

ちなみに sudo や root 権限なしで実行するとエラーになる。

MySQL の root ユーザーにパスワードを設定する

まずはデータベース操作の全権限を持つ root にパスワードを設定する。

$ sudo mysqladmin -u root password 'パスワード'

正しく設定されたことを確認するために、root でログインしてみる。コマンドは mysql -u root -p となる。 -u でユーザー、-p でパスワードの使用を指定する。パスワード入力を求められたら何も入力せずに Enter を押す。

$ mysql -u root -p
Enter password:
ERROR 1045 (28000): Access denied for user 'root'@'localhost' (using password: NO)

エラーになっているのでパスワードが設定されていることがわかる。今度はパスワードを入力する。

$ mysql -u root -p
Enter password:
Welcome to the MySQL monitor.  Commands end with ; or \g.
Your MySQL connection id is 3
Server version: 5.0.77 Source distribution

Type 'help;' or '\h' for help. Type '\c' to clear the buffer.

mysql>

ログインできた。

ちなみにプロンプトが mysql> となっているときは MySQL コマンドラインツールの操作になり、通常のシェルコマンドは受け付けないので注意する。この状態から抜ける場合は quit と打ち込んで Enter を押すか、Ctrl + D を押す。するとプロンプトに Bye と表示されてシェルに戻れる。

コマンドラインツールは専用コマンドと SQL の直接実行をサポートしている。操作については以下を参照のこと。

コマンドが苦手なら MySQL Workbench からも操作できるが、この一連の作業メモではコマンドラインツールを利用する。GUI を使った説明は大変すぎる ( スクリーンショットだらけになる ) なので。

不要なユーザーとデータベースの削除

初期状態の MySQL には、いくつかの既定ユーザーとデータベースが設定されているが、root 以外は不要なので消しておく。root 権限が強力すぎると思ったときは、必要に応じてユーザーを追加する。

まずはユーザーを削除する。これは mysql というデータベースに格納されているので、内容を確認してみる。

$ mysql -u root -p mysql
mysql> SELECT user, password, host FROM user;
+------+------------------+-----------------------+
| user | password         | host                  |
+------+------------------+-----------------------+
| root | XXXXXXXXXXXXXXXX | localhost             |
| root |                  | wwwXXXXX.sakura.ne.jp |
| root |                  | 127.0.0.1             |
|      |                  | localhost             |
|      |                  | wwwXXXXX.sakura.ne.jp |
+------+------------------+-----------------------+
5 rows in set (0.00 sec)

さきほどパスワードを設定したユーザーは root@localhost で、他が不要となる。出力されたテーブルを見ると、root で localhost 以外のユーザーが 2 名、匿名のユーザーが 2 名、登録されている。以下の SQL を発行して消す。

DELETE FROM user WHERE user = '' OR ( user = 'root' AND host != 'localhost' );

実際にプロンプトから実行した後、ユーザー一覧を出力してみる。

mysql> DELETE FROM user WHERE user = '' OR ( user = 'root' AND host != 'localhost' );
Query OK, 4 rows affected (0.01 sec)
mysql> SELECT user, password, host FROM user;
+------+------------------+-----------+
| user | password         | host      |
+------+------------------+-----------+
| root | XXXXXXXXXXXXXXXX | localhost |
+------+------------------+-----------+
1 row in set (0.01 sec)

ばっちり。

今度は不要なデータベースを消す。まずはどんなものが定義されているかを出力してみる。

mysql> SHOW DATABASES;
+--------------------+
| Database           |
+--------------------+
| information_schema |
| mysql              |
| test               |
+--------------------+
3 rows in set (0.00 sec)

3 つのデータベースがあり、これらの内の test が不要。これは SQL の練習目的で用意されているものだと思うのだが、私にとっては不要なので、以下のように消す。

mysql> DROP DATABASE test;
Query OK, 0 rows affected (0.00 sec)
mysql> SHOW DATABASES;
+--------------------+
| Database           |
+--------------------+
| information_schema |
| mysql              |
+--------------------+
2 rows in set (0.00 sec)

さよなら test。もう会うことはないだろう。

…今回はここまで。次回は Ruby 関連のインストールをおこなう。

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