2011年 9月 5日
台風12号 岡山の被害広がる
岡山・香川を直撃した台風12号で岡山県内で浸水被害を受けた住宅が約8500棟に上ることが分かりました。被害はさらに広がる可能性があります。玄関先に山積みされた家財道具。水をかぶって使えなくなりました。全世帯に避難勧告が出された玉野市八浜地区ではこうした光景がいたるところで。ようやく水がひいた5日からは市による消毒作業も始まりましたが普段の生活に戻る目途は立ちません。県の午後3時のまとめでは被害を受けた住宅は岡山市や倉敷市を中心に床上浸水が446棟、床下浸水が8029棟、全壊や半壊など27棟。また道路や河川の被害は110ヵ所で被害額は約8億4600万円に上ります。このほか実りの秋を前に農作物への被害が懸念されますが県ではまだ全容を把握できていません。広い範囲に被害が及んだ今回の台風12号。県や市町村が被害状況を把握するのに時間がかかっていて今後、さらに被害が拡大する可能性があります。

台風12号 香川の被害まとめ
香川県内では丸亀市で61歳の女性が増水した用水路に流され死亡したほか台風による被害金額は道路の損壊などで7億円を超えることがわかりました。香川県によりますと丸亀市飯山町で61歳の無職の女性が増水した用水路に転落し死亡したほか3人が強風で転倒しケガをしました。一方、県内の住宅への被害は、一部損壊が8棟、床上・床下浸水が合わせて126棟などとなっています。また、高松市西植田町で市道が崩れ5世帯が孤立するなど県内の道路48カ所で被害が発生し、公共土木施設の被害額は約7億1100万円に上りました。農産物関係では午前10時現在で「コシヒカリ」を中心に稲が倒れるなどし1億4800万円の被害が出たほか、野菜や果物などあわせて2億200万円に上りました。

林原美術館存続を市民団体が要望
岡山市のバイオ関連企業林原の経営破綻を受け、市民団体が5日林原美術館の存続を求める約6500人分の署名を、岡山県の石井知事に提出しました。要望を行ったのは市民団体「林原美術館を守る会」のメンバーです。岡山や香川などから集めた6530人分の署名を添え、美術館の存続を要望しました。会社更生手続き中の林原をめぐっては再建スポンサーの長瀬産業が、林原美術館などのメセナ事業を当面引き継ぐことを明らかにしていますが、要望では美術館に所蔵される貴重な美術品などがばらばらに保管されるのを防ぐよう求めています。要望に対して石井知事は「県民の熱い思いが実現できるよう、先頭にたって全力で対応していきたい」と話しています。