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参院第1党の民主動く 「1円から領収書」案、国会へ

2007年08月04日

 参院で第1党となった民主党が、7日召集の臨時国会から攻勢に出ようと走り始めた。「年金保険料の流用禁止法案」に続き、政治団体の支出に領収書添付を義務付ける対象を「1円以上」とする政治資金規正法改正案も提出する方向で調整に入った。国民新党の要請を受け、郵政民営化凍結法案も共同提出する構えだ。主戦場となる秋の臨時国会を見すえた前倒しの動きで、年金や「政治とカネ」の問題に対応することに有権者が期待していると判断した。国政調査権の発動でも政府を揺さぶる姿勢を見せている。

 「民主党が第1党になった。この重みと責任を自覚して、国民のみなさんの期待に応えていきたい」。3日の記者会見でこう語った民主党の鳩山由紀夫幹事長は、具体的に「政治とカネ」と年金問題への対応を挙げた。

 「政治とカネ」について鳩山氏は「一日も早く国民の政治不信を取り除く。『1万円超』を『1円以上』にする措置を講じる」と説明した。全政治団体の政治活動費・経常経費支出について「1円以上」から領収書添付を義務づけることが柱。早ければ7日召集の国会に提出する。

 先の通常国会に同党は「1万円超」から添付を義務づける政治資金規正法改正案を提出した。だが、資金管理団体に限って、しかも「5万円以上」とした与党案が成立。民主党案は否決され、廃案となった。

 ところが、参院選で惨敗した自民党が「政治団体全体を対象に1円以上から領収書を公開するのが民意の大勢」(中川秀直幹事長)と再改正に動き始め、民主党も当初案より厳しい案に踏み込むことになった。同党の岡田克也・政治改革推進本部長は3日、テレビ番組の収録で「自民党が1円以上と言うなら賛成。一緒にやったらいい」と語ったが、再改正のかぎを握るのは自民党だ。

 自民党改革実行本部の3日の議論では消極的な意見が目立ち、集約は難航が予想される。鳩山氏は3日の会見で「ざるの目がなくなることであり、当然大きな抵抗が予想される。やっぱり自民党はこういうことだな、という思いだ」と皮肉った。自民党内がまとまらないなら、民主党が過半数を握った参院で民主党案を可決すればより違いをアピールできる。

 もともと民主党は秋の臨時国会で本格的に攻め込む構えだったが、参院選での大勝を受けて前倒しで政府・与党への攻勢をかける方針だ。

 国民新党とは郵政民営化を凍結する法案を共同提案する方向で最終調整に入った。参院選の公約に「郵政見直し」を掲げた同党に配慮したもので、郵政民営化に伴う問題点を再点検するため、10月1日から実施予定の民営化を先送りする内容だ。

 国民新党は郵政民営化に反対して旗揚げしただけに「郵政見直し」を最重視している。綿貫代表は10月1日までに凍結法案を成立させることが望ましいと判断し、7日からの臨時国会への提出を民主党に要請。民主党も野党共闘を重視し、党内手続きに入る。

 法案にとどまらない。鳩山氏は3日の会見で「参院で国政調査権を十分に活用していきたい」と語り、法案審議に絡めてインド洋やイラクでの自衛隊の活動実態や年金記録問題への対応について、政府に情報提供を求める考えを強調した。

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