超空間<通路>から抜け、視界が開く。
ここが地球なのか確認を取るべく全方位に電波を飛ばす。
「こちらFAF特殊戦一番機雪風、深井大尉だ。だれでもいい応答せよ。」
事態は切迫している。一秒でも早く返信が欲しい。
「大尉、レイフがロンバート大佐機をロストしたと言っている。後、周囲の状況がおかしい。とてもじゃないですが南極の海には見えない。」
後席にいるフライトオフィサの桂木少尉が動揺した声で言う。
視線を機外へ巡らす。雪風の右前方には先行していたレイフが見える。
桂木少尉の言うとおり雪風の遙か下方にはエメラルドグリーンの海が広がっている。
超空間<通路>は南極にあったはず。
「俺達はJAMに先を越されたのか。」
「通路の出口を変えたか、もしかしたらここは第二のフェアリィ星か、JAMの造り出した偽の地球かもしれないです。警戒するに越したことはないでしょう。」
「……フム。」
だとするとまずい。FAFは物資を全て地球に頼っていた。
このままではJAMとの戦いを継続できなくなる。
「こちらアメリカ空軍、ハワイ基地所属機だ。ウェーク島上空に出現した物体の調査のためにそちらに向かっている。もう一度貴機の所属、目的を知らせ。」
先ほどのメッセージを拾ってくれた機があったようだ。
「こちらFAF特殊戦所属、深井大尉だ。超空間<通路>を抜け地球へ向かったJAMを追跡している。そちらのレーダーに反応は無かったか。」
「FAF?聞いたことが無いぞ。それとJAMとは一体なんだ、BETAではないのか。」
変だ。一般の認識ではフィクションと思われているJAMとFAFだが軍では知らない者はいない筈だ。
「大尉。奴はJAMかもしれない。」
「少尉、その可能性はあるがこのような事をする意味がJAMにあるとは思えない。」
しかし、このままでは埒があかない。
「どうやらそちらのは認識の齟齬があるようだ。一週間後にそちらの基地に使節を送ることを提案するがどうか。」
「ちょっと待ってくれ……上はその提案を受けるそうだ。」
「了解した。こちらは燃料が芳しくないので帰投する、以上。」
超空間<通路>へ機体を旋回させ針路を変える。
スロットルをダウン。巡航状態にする。
JAMとの戦いはまだ終わりそうもない…
JAMが出現したことによりさらなる混迷におちいるBETA大戦
「な、あれはラプターじゃないのか。なぜ我々を攻撃する!?」
「畜生、どうしてBETA共の味方をする戦術機がいやがるんだ!」
JAMを追うべく新たな世界へ協力するFAF
「つまり、新たに出現した戦術機もどきはそちらの呼称で言うJAMであるとそうおっしゃるんですな。クーリィ准将。」
「ええ、間違いないでしょう。奴らは我々の技術をコピーすることが可能です。」
そして新たな機体を得る雪風
「ああ、そうだ。あちらのアメリカもファーンの実機と設計図との交換で気前よく渡してくれたよ。後はシステム軍団が優秀な機体に仕上げてくれるだろうさ。」
「雪風が自らJAMを追うべく新しい機体を望むなんてな…」
「それと零、お前はあちらの新兵に混ざって戦術機の操縦を覚えろ。これは命令だ」
「……本気で言ってるのかジャック。」
「嘘だ…嘘だ、タマは確かに死んでいた!俺は確かに見た!」
「何を言ってるんですかタケルさん。ミキはこうやってちゃんと生きてるじゃないですか。」
「落ち着け白銀中尉、そいつはJAMの造り出したコピー人間だ。撃て!そいつは敵なんだぞ!」
とかいうの誰か書いてくれませんか?
グッドラックからアンブロークンアローまで10年。じゃあ次まで何年待てばいいか分からないで雪風分が足りません。