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[29576] 【ネタ】エヴァンゲリオンはヒーローの夢を見るか
Name: 夏の幻◆44577bcf ID:35a38910
Date: 2011/09/03 17:05
蝉が鳴く、アスファルトから熱気がゆらゆらと立ち上っている。2000年に起きたセカンド・インパクトの影響により日本は常夏の国となった、太陽の光から逃れるように駅のホームのベンチに座る。


此処は第三新東京市、何十年ぶりに来た父の手紙に導かれて僕はやってきた。そうだね、父さん約束の時が来たんだね。そのために僕は色々頑張ってきたよ、持ってきたバッグから手紙と写真を取りだす。


【エクストリーム ゲンドウ】


写真には赤のマフラーと緑の仮面を着けた人物がサムズアップしていた、僕には分かる。父さんだ、仮面ライダーに成り切っている父さんは格好いい。受け取った先生は頭を抱えて「あんな奴に人類の未来を任せて大丈夫か!?」と叫んでいたけど大丈夫だよ、父さんは正義のヒーローなんだ。


何か特別非常事態宣言とか戦闘機が飛んでいたりしてるけど、何処かで撮影をやっているんだろうか。それなら人気のないホームの理由も分かる、迎えの人はまだかな。


バイクの排出音がする、振り向く僕の目には赤のマフラーに緑の仮面。白い手袋でサムズアップ、仮面ライダーが告げる。


「待たせたな、シンジ」


「父さん!」


ところが父さんはヒュウと口笛を吹きチッチッチッと指を振った、その仕草は。


「今の私は仮面ライダーゲンドウだ」


「そうだったね! 仮面ライダーゲンドウ!」


「ああ、早く乗れ。秘密基地に案内する」


仮面ライダーゲンドウから手渡されたヘルメットを被りバイクに乗る、久しぶりに見た父さんの背中は大きかった。


その父と子の再会を見守るアスファルトの幻、蒼い髪に赤い瞳。白と青に配色された制服を着た少女、ぽつりと呟く。


「碇くん……今度こそ幸せにしてみせるわ」


本人達はもう幸せのような気もするが少女は気付いていません、これ伏線です。


かつんと靴音をならし仮面ライダーゲンドウが前を歩く、此処はネルフという秘密基地らしい。入る時に僕らを見た警備のおじさんが仮面ライダーゲンドウを凝視して「ああ碇司令ですね、ネルフ止めようかな……」と哀愁を漂わせていたけど逃げちゃダメだと諭しておいた。約束の時は近い、目的地に辿り着いたらしく仮面ライダーゲンドウが振り向く。サングラスが僕を見つめる、その向こうに映る瞳の色は見えない。


「シンジ、覚悟はいいな」


言われるまでもない、僕はそのために第三新東京市に来たんだから。2004年、父さんと母さんと交わした約束。それを果たすときは今なんだ、頷く僕に仮面ライダーゲンドウは手袋を震わせ扉を開く。


光が、溢れた。


僕の目の前には紫の巨人……あれ? おかしいな、白にカラーリングしてくれって言っておいたはずなんだけど。ツノはいい、ツインアイも許容範囲。どことなく悪役っぽい面構えも許せる、だが紫それはダメだ。


「シンちゃーん、ひさしぶりー!」


その声に紫の巨人の頭上を見る、母さんがいた。白衣を着こなし胸には赤い玉を装着している、カラータイマーだ。うん間違いなく母さん、カラータイマーがぴこんぴこんと鳴る前に色々話を聞かないと!


ぴこんぴこん。


って早っ!? あらあらと目をぱちくりしてる場合じゃないよ母さん、え? シンちゃんとゲンドウさんが来る前に軍の方と一悶着あった? それなら仕方ないか、大人の事情に文句は言えない。母さんがしゅわっちーって呟き退出した後、頭を抱えた金髪のお姉さんが代わりに説明しにきた。この人も白衣を着ている、博士ポジションなのだろう。


「これは汎用人型決戦兵……めんどくさ、エヴァでいいわ」


成る程エヴァか、分かりやすい。「逃げたわね母さん、私も逃げたかった」と哀愁漂わせた博士のお姉さんに逃げちゃダメだと力説、少し元気になった博士のお姉さんから操縦方法を教わる。手渡されたカプセルをピカッと光らせば準備完了、百万ワットの輝きだそうだ。


眩しさに目を閉じた僕はいつのまにかエントリープラグという筐体の中に居た、レバーやボタンが付いてる。ネルフの技術って凄い、ふとモニターを開いてみると仮面ライダーゲンドウがこちらを見上げて親指を立てていた。
あっ、まだ其処にいたんだ父さん。


発進準備を指示する赤いジャケットのお姉さんにオペレーターの皆さん、僕はレバーを握り締め心を落ち着かせる。そうだ、正義のヒーローになる。僕の夢が叶う時、だから逃げちゃダメだ。


「碇シンジ、エヴァ行きまーす!」


「あれだけヒーローに拘っといて、そこだけガンダムなのっ!?」


赤いジャケットのお姉さんが突っ込むけど無視する、いいじゃないか男の子の夢なんだから。よし、敵は全身黒タイツの巨人。負けるわけには行かない!


その頃、包帯を巻き痛々しそうにベッドで横になる幻の少女。眠るふりをしているのは出番が来るのを待っているためだが、幾ら待っても呼ばれない。


「私が出ないと始まらないもの」


脳裏に碇くんの笑顔を思い浮べぐっと握りこぶしをする少女、これも伏線です。碇くんを守ろうと頑張る健気な少女の正体は誰なんでしょう、難しい謎ですね。




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