絶滅危惧種からiPS細胞
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絶滅危惧種からiPS細胞

9月5日 5時14分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

絶滅のおそれがあるサイやサルから体のあらゆる組織や臓器になるとされるiPS細胞を作ることにアメリカの研究グループが成功したと発表しました。人工的な繁殖の研究に役立つ可能性があるとしています。

これはアメリカ・カリフォルニアのスクリップス研究所などのグループが、5日発行の科学雑誌「ネイチャー・メソッズ」の電子版に発表したものです。研究グループは、世界に7頭しか生息していないとされる「キタシロサイ」のメスから皮膚を採取し、細胞に特定の4つの遺伝子を入れて培養しました。その結果、およそ1か月後、遺伝子の働きなどからiPS細胞ができたことを確認したということです。さらに、西アフリカで生息数の減少が続くサルの一種「マンドリル」でも、動物園が保存していた死んだオスの細胞からiPS細胞を作ることに成功したということです。絶滅のおそれがある動物でiPS細胞を作ったのは、世界で初めてとみられています。iPS細胞は、体のあらゆる組織や臓器になることから、研究グループでは「できた細胞を使って、病気や生殖の仕組みなどを調べれば絶滅のおそれがある動物の人工的な繁殖の研究に役立つ可能性がある」としています。