2006年6月11日放送 報道特集(TBS) 韓流ブームの影で 追跡・ある教団の思惑
http://www.tbs.co.jp/houtoku/2006/060611.html
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8.NHKが放送した韓国ドラマ「冬のソナタ」と統一協会

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地上天国の創造を謳い、チョンピョンに様々な施設を造っている統一協会。実は今、韓国の複数の場所で、大規模な開発を行っている。


ここは、あの韓国ドラマ「冬のソナタ」のロケ地である。チョンピョンのドラゴンバレーホテル。一時期は多くの日本人観光客で賑わっていたが、ブームが別のドラマに移ったせいか、閑散としていた。


ペ・ヨンジュンさんのポスターやドラマのグッズが並ぶ一角に、何故か書が飾られていた。


取材スタッフの女性 「誰が書いたんですか?」


ホテルの女性従業員 「ここの会長といったらいいんでしょうか…。なんて言ったらいいんだろう。よく分からないけど…。ん…、なんて言ったらいいんだろう…」


ホテルの女性従業員 「…文鮮明氏です」


韓国最大の冬のリゾート、ここが統一協会の持ち物になっているというのか。調べてみると、スキー場とホテルの所有者は株式会社ヨンピョン・リゾートとなっている。


これは株式会社ヨンピョンリゾートの登記簿謄本だ。理事の名簿には、パク・インソプという名前。文鮮明氏の娘婿だ。


韓国金融監督院の報告書によれば、ヨンピョンリゾートの筆頭株主は49.99%の株を保有する「世界基督教統一神霊協会維持財団」だ。この財団は、統一協会の活動に必要な財源を調達する一方、国内外の宣教事業・出版など、幅広い活動を担っているとされる。


同じビルの中に、この財団とヨンピョンリゾートのオフィスがあった。
買収当時、ヨンピョンスキー場のあるピョンチャンは、2010年の冬季オリンピックの開催地に立候補していた。それを見込んでの買収だったのだろうか。


(補足:2003年7月3日、IOC総会にて、2010年冬季五輪開催地がバンクーバーに決定)

その後、開催地はカナダのバンクーバーに決まったが、次の2014年の開催に向けてピョンチャンが再び手を挙げる可能性もある。


ヨンチョンのスキー場周辺で何度も撮影をしたことがあるという映画関係者は淡々と話す。

(韓国人の映画関係者)

韓国人の映画関係者 「韓国では統一協会についてはあまり知られていないので、ただ単純にロケのために必要であれば今後も使用すると思います。統一協会については、とにかくお金がたくさんある団体というイメージです」


韓国南部、全羅南道の都市・ヨス。ここでも今、統一協会による大規模開発が行われている。

ヨス市は、2012年の世界海洋博覧会の候補地に名乗りを挙げている。企業に積極的な投資を呼びかけているヨス市。そこに進出してきたのが統一協会だった。


統一協会系企業が開発を行っている現場の一つを見に行った。およそ3万6千坪の土地に、ホテルやコンベンションセンターなどを備えた大規模施設が造られる予定だという。昨年11月に起工式が行われ、工事は着々と進められている。統一協会の目的は何なのか。


(山口広弁護士)

山口広弁護士 「政治的にも社会的にも文化的にも、少しでも中心に近づきたいと…いう気持ちはいつも持ってると思いますよ。統一協会としては、やはり文鮮明の死後、やはり組織として長く継続して活動できるように、という基盤づくりを、今、一生懸命してるんだと思うんですけどね」


教団の将来を睨んだ動きなのか…。
日本の信者達は、今も多額の献金を続けている。


(ビデオが終わって、スタジオの田丸美寿キャスター)

キャスター:田丸美寿 「統一協会をめぐる被害に関しましては、これまで最高裁の判決でこのように出ています。『ことさら先祖の因縁を強調して不安を煽り、献金を求めたり物品の販売をすることは違法である』 ま、こう認められているわけですが、今もこれに類似の行為が行われているようです。また、統一協会であることを隠して勧誘して入信させること、これも違法であると認められているんですが、今だに統一協会であることを名乗らないで信者の勧誘が行われているようです。最近では占いやセイタイなどを入り口に勧誘するケースもあるようでして、私たちのごく身近なところで、統一協会とは分からないかたちでの勧誘活動は続いているようです」

キャスター:田丸美寿 「心の問題に立ち入るつもりは勿論ありませんけれども、被害対策弁護団の山口弁護士が話しているように、宗教団体としての宗教活動の許容範囲を逸脱している、このことは言えるのではないでしょうか」



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