東日本大震災で打撃を受けた地域医療を支えようと、東京都の医療法人が在宅医療専門の診療所を宮城県石巻市に開き、3日に開所式があった。3人の医師が訪問診療に当たり、往診依頼には24時間態勢で応じる。
オープンしたのは、都内で在宅医療の診療所を運営する社団鉄祐会の「祐ホームクリニック石巻」。
自力で通院するのが難しい高齢者や障害者の医療を支援しようと、日本財団から約4千万円の資金援助などを受けて開所した。
診療科目は内科と循環器内科。外来診療はせず、石巻市、東松島市、女川町で医師が患者の自宅や仮設住宅を訪問診療する。対象は車で30分以内の地域だ。
1日6〜7人を診察する態勢で始める。医師は3人だが、富士通などの協力で通信ネットワークで結ばれた東京都の診療所の医師が診療を支援する。
石巻市水明北2丁目に設けられた事務所で行われた開所式で、武藤真祐院長は「高齢者を在宅医療で支えるとともに、孤立化を防ぐコミュニティーを作りたい。日本の医療、介護、高齢化の課題を解決するモデルを目指す」と語った。
往診の申し込みは祐ホームクリニック石巻(050・3777・2177)。(福島慎吾)