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[政治]ニュース
【環球異見】野田首相誕生
野田首相の最初の課題は「1年で退陣してきた無能な前任者たちの運命をたどらないようにすることだ」と訴え、短命に終わりかねないとの悲観論を払拭し、長期的な視野に立った政権運営に臨むよう自覚を促している。(ワシントン 犬塚陽介)
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▼環球時報(中国)
■対外的な強硬姿勢で結束も
野田首相に「タカ派」「軍人家庭出身」というレッテルを貼る中国メディア。歴史問題を蒸し返し、沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)は中国領との前提で外交を展開するよう求めた国営新華社通信(英語版)の評論に至っては“暴論”の極みであった。
共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報も8月30日付の社説で「首相の靖国神社参拝を支持し、A級戦犯は戦争犯罪人ではないと揚言する野田氏の当選は中日関係に不確定性を及ぼす」と分析。野田氏の言論を“強硬”と位置づけ、野田氏を、そして日本をいさめるかのような論調に終始した。
同紙は「日本の未来はアジア・太平洋の情勢によって決まる。日本は自らがアジア・太平洋の構成を組み替え、動かす力量がないことを、東アジアにおいてさえ先頭に立つ力はないことを承知すべきだ」「中国など周辺国に挑戦し、政治的影響力を拡大することはできない。新たな“復興”の道を模索すべきだ」などと述べ、言外に「同地域の盟主は中国だ」という主張を忍ばせた。
「下心ではなく真心で」という野田氏の演説を意識してか、日本の首相が口にする「中国の台頭は日本のチャンスだ」との言葉は真心(本心)とはかぎらないと揶揄(やゆ)。日本は「優柔不断」で「自分の損得だけを考える」とし、「国内政策で世論の支持を獲得することが難しい状況で、野田氏は対外的に強硬姿勢を取ることで日本の各方面をまとめようとするかもしれない」と指摘した。
なるほど、民主党政権が「優柔不断」であることは否めない。だが、その他の指摘はすべて、本心を隠して“核心的利益”を主張、政権への不満が高まると反日感情を助長する中国の姿そのものを映し出してはいないか。(北京 川越一)
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