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[政治]ニュース
【環球異見】野田首相誕生
野田佳彦首相の誕生をめぐる海外メディアの論評は概して厳しい。「ドジョウ」のニックネームも、欧米紙には野田氏の党内基盤の脆弱(ぜいじゃく)さの象徴のように受け止められ、短命政権の再来を危惧する声が相次いだ。東アジアで勢力を拡張させる中国は、歴史認識をめぐる野田氏の保守的な側面を先制攻撃。外交的にも多難な野田政権の船出を予想させる。
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▼ワシントン・ポスト(米国)
■長期政権を渇望
「ドジョウさん、おめでとう。長い統治になることを切に願う」
8月30日付の米紙ワシントン・ポスト社説は野田首相の選出を顔写真にドジョウのイラスト入りで取り上げ、世界第3位の経済大国の指導者が回転木馬のようにクルクルと代わる現状は、他国にも悪影響を与えるとして、腰を据えた政権運営に取り組むよう野田首相に強く求めた。
「カリスマは求められなかった」と題した社説は、出だしから「もし日本の有権者に発言権があれば、新首相は前原誠司元外相だったろう」と分析し、事前の世論調査での野田首相の支持率は5%にも満たなかった事実を伝えた。
それでも選出されたのは「リーダーシップの有無ではなく、小沢一郎元代表をめぐる党内の確執のため」。震災復興や低迷する経済、財政赤字など「日本政界の果てしない危機」を抱えながらも党内事情が優先する指導者選出に懐疑的なまなざしを向けた。
政策面では野田首相を「いくらか国家主義的な財政的タカ派」と位置づけ、首相就任が中国や韓国に警戒感を生んだと指摘した。
消費税増税にも賛意を示しているが、この問題でも民主党は一枚岩とはいえず、自民党が過半数を占める参院で法案を「通過に導く可能性は低い」と今後の国会運営も不安視した。
だが、米国の最も重要な同盟国の一つである日本の「政治的なまひ状態」は海を越えて「(他国に)影響を及ぼす」と懸念を示す。
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