[イ] 考えてるんだったら、まずは、パワポどころかパソコンをオフにして、白い紙を前に、ペンを持って、思いついたことを書き出してみるんだよ。ひらめいた単語をなんでもいいから、ぱっぱぱっぱとスピーディーに。
そしてそれらを、たとえば、目的とかメリットとか背景とか検証とかジャンル別にくくってみる。料理だったら、オムライス作るなら、材料に関してだけでも、卵、挽肉、タマネギ、米、ケチャップだとか、メモするように。
[ラ] いまどき手書きですか……。最初から打ち込めばいいじゃないですか。
[イ] キーボードを叩いて打ち込むという行為で、発想する脳の広がりが妨げられるんだよ、横着者! 人間、行為がプリミティブであればあるほど本能的に「なんとかしよう!」と思うもの。教えられなくても、創意工夫を重ねてきたわけでしょ、人間は。食べるとか、セックスするとか。
[ラ] あ、いますごく心に刺さるカタカナの単語が出てきて、わかりかけてきた!
何をどう伝えていくと効果的か分類し、
組み合わせ、順番を考える「設計図」が必要
[イ] わかりやすい人だな……。結局そこか……。まあいいや。手書きの単語をくくり終わったら全体を俯瞰したうえで、やはり手書きで、それぞれの要素を囲んだり、矢印や線で結んだりして、要素の関係性をはっきりさせていく。
これが「チャート思考」で、何をどう伝えていくと効果的か、分類し、組み合わせ、順番などを考える。いわば設計図作りだな。ここを飛ばすと、どんなビジネスでも本末転倒になりかねない。料理なら、段取り考えるって部分ね。オムライスで、まず米を炊く、タマネギを切って、挽肉と一緒に炒める、次に卵を薄く焼くとか。順番を考えていくのと同じ。
[ラ] 早く食べたいです。
[イ] ……。オレも食べたいが、仕事なので続けるとだね、この設計図なしで進めると、プロセスそのものに振り回されてしまうわけ。タマネギ刻んでないのにフライパン温めはじめたりして、「あーヤバイ」と慌ててるような。プレゼン資料なら、各ページを作っている途中で、「この項目意味ないな」と気づいたり。