[ラ] あ、無、無能ですか!? ボクが……。
[イ] そうだよ、キミが仕事ができないのは周りじゅうが知ってるんだよ。だから、誰も声をかけないの。気づいてないのはキミだけ。裸の王様状態よ。
[ラ] そんな! それはホントなんですか!? せ、せ、先生……。
[イ] そうだ。身のほどがわかったようだから教えてあげよう。これから素直に言うこと聞くか? ほら、返事はどうした!
[ラ] ひー! は……は、はい。もちゅろんでご、ご、ごじゃいます……。
[イ] なら教えてやろう。キミのやってることは、調理であって料理じゃない。
[ラ] は? ビジネスの話では……。
プレゼン資料作りで必要なのは「目的」
調理器具が立派でも料理がまずければ台無し
[イ] その短絡的でマチのない、たとえ話に反応できない感性だから、キミはいけないの。シンプルな見立て感覚すらない人間は、間違いなく仕事ができないのだよ。
あのね、料理ってのは、まず、何を作るか、献立やメニューを考えるだろう。その仕上がり点、つまりおいしい味にするために、逆算して、素材、調味料、料理法を考えるわけだ。プレゼン資料もそれと同じことで、相手が欲しているように作成するという「目的」を見ないでどうするのかと。
[ラ] いえ、見ているからこそ、ゴージャスに整えて一目置いてもらおうと……。
[イ] キミ、派手な服着てる女に弱いでしょ? まあそれはいいとしてだね。その考え方は、調理器具や食器だけ立派なものを揃えて、できた料理食べたら話しにならんのと一緒。まあ、そもそも何を作ろうか考えずに始めてるんだから、料理が形になっていても食べるものにはなってないということ。
[ラ] 先生、お言葉を返すようですが、最初に、新企画を訴求するためのタイトルはもちろん考えておりますが。