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[29499] 兄貴?いえ相棒です(IS・・擬人化?習作・ネタギャグ&シリアス)
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/29 00:36
初めて書くので誤字が多いですが、よろしくお願いします。

原作はインフィニットストラトス“IS”を元にオリジナル設定を加えた二次作です。
ISが擬人化したって話を読んだら、何となく女の子ではなく少し一夏より年上の男だったらって考えて書きました。
白式でありながら、性格はほぼオリ主っぽいです・・。
後、展開や設定が原作と違います・・。



[29499] おはようございます
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/29 00:43

「おい、相棒・・朝だ、起きろ」
朝日がさす部屋の中で一人の銀髪で白い服を着た青年が立っていた。
「あれ?アナタは一体?」
「まだまだ短い付き合いだが、あんたの相棒の白式さ」
「ISがどうして?」
「多分、博士の奴が俺にのプログラムでも入れたんじゃないかな?いきなりペットの猫がピチピチの可愛い子ちゃんになったら驚くもんだぜ」
男の腕が一夏に触れた途端に白式が着用状態に変わった。
「本当に白式だったのか・・」
シュンとまた人型に姿を戻した。
「まあ、人生ってのは信じられない事ばかりさ・・それより悪いだが、飯食いにいかないか?人型だとどうやらオイルよりご飯の方がエネルギーになるみたい」
「とりあえず、飯を食べてから千冬先生に相談するしかないね」
「その案に賛成だ」
ーー食堂ーー
「納豆、卵、海苔、味噌汁、焼き魚に熱々の大盛りご飯、それに漬け物~日本人ならこれが最高だぜ」
ニコニコしながら慣れた手つきで白式青年は箸を動かした。
「こいつでエネルギーが満タンだぜ」
「それにしても箸の使い方が美味いな」
「日本の生まれだしな・・それに持ち主の知識もある程度共有出来るってだから便利さ」
「それにしても、どうやったら、千冬姉さんに信じてもらえるか・・」
「なあ~に、俺に任せろや」
ニコニコ笑う白式の余裕に一夏は困惑した。
話題の当人である千冬は食堂の片隅でコーヒーを片手に、クロワッサンを食べていた。
「織斑先生、実は相談したい事があるんです」
「どうした織斑?」
「実は束さんが白式に新しいプログラムを打ち込んだみたいで、白式が人間型になっちゃった」
それを聞いた千冬は一瞬、困惑した表情になってからコーヒーを落としかけた。
「冗談か?それとも熱があるなら今日は休んだらどうなんだ?」
コーヒーを手元に置いてから、一夏の額に手をかざした。
「熱はないな・・」
「やっぱり信じてもらえなかったみたいだな」
ニャハハと笑った顔で白式がやってきた。
「誰だコイツは?」
「俺が噂の白式さ・・」
キリッと目つきが鋭くなった千冬は側にあった食事用のナイフを自称白式青年の首筋に向けた。
「どこの所属のエージェントだ?返答次第では警備員を呼ぶぞ」
「千冬さん、君みたいな美人が凄んで怖くないさ、俺は正真正銘の白式さ、博士に変なんプログラムを埋め込まれたら人型になっただけさ」
「嘘をつくな」
「嘘じゃないさ、美人の前で、嘘をつかないようにしている・・スヌーピー柄のパンツの千冬ちゃん」
ピクと千冬の腕が止まった。

「俺ってのは妙な機能が博士につけられていてね、俺はあの白騎士と同じコアパーツさ・・だから、あの日、俺に乗った千冬さんはスヌーピー柄のパンツを履いていたな・・あの後に俺に乗った時は青と白のシマシマパンツ、モンドグロッソ大会では黒いヒモパンだったな、何か気合いが入るって言いながらロッカールームの鏡の前でケツを叩いて気合いを入れていたのを覚えているよ・・」
それを聞いた千冬の顔は真っ赤になったり青くなったりとさながら信号機のようになっていた。
「高校時代はクールなキャラに見えて、夜寝る時はスヌーピーのぬいぐるみを抱いて寝ていたな・・大会の時もスヌーピーのぬいぐるみを持って寝ていたね。どうする?まだ信じないなら、高校時代に女子から渡されたラブレターの内容や数を正確に話してみるかい?」
「むむむ、わかった・・お前は白式だと認める、後で束を探してボコボコもとい、事情を聞くまでは学園にいる許可を与える」
「美人は素直が一番」
(白式の奴、束に頼んで私の記憶の部分を削除してもらわないとマズい)
「話は済んだの?」
少し離れた所から二人の様子を見ていた一夏には白式青年と千冬の会話は聞こえていなかった。
「心よく応じてくれたよ、まあ昔話をしたら信じてくれた」
「それは良かった。」

ーー教室ーー
「織斑先生、あの彼は?」
「束博士の知り合いだ・・訳があって授業に参加する事となった。山田先生、まあ気にしないで下さい」
「白式って言います、趣味は君みたいな美人を鑑賞する事さ」
その言葉に何故か副担当の山田の顔が赤くなった。
フラフラ歩くのも都合が悪いので、千冬から授業に参加する許可をもらい、一夏の隣の席に座った。
「おっ、篠ノ之箒さんだね、白式ってもんだ。よろしく」
「白式?変わった名前ですね」
「俺は気に入っているが、やっぱり変わってかもね」
ハハハと軽く笑う白式に箒は少々苦手に思えた。
渡された予備の教本をめくり今日予定の授業の所のページをめくった。
(こうやって授業に参加するのも悪くない・・待機中でも意識は常に相棒とリンクしていたが、直接感じるのもまた一興だな)
そうこうしている内に1時間目の授業が終わった。


ーー次回予告ーー

白式「人の作りしもの?そういえば俺って束博士から作られたんだよな、そうなると創造主たる束博士が母親か・・って事だと俺は箒ちゃんは叔母さんになるのかな?次回、IS訓練でまた会おう。」



[29499] 授業に参加(追加)
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/29 10:37
二時間目の机上授業を終えた休み時間。
次の授業の準備を始めた白式の横で一夏と遥か後ろの席に座る、クルクルな巻き毛のクラスメイトが言い争いになっている。
(やれやれ、付き合って数日だが、助け船を出してやらんとマズいな)
「ちょっと聞いてますの?お返事は?」
「あ、ああ。訊いているけど・「俺の相棒が何か粗相でもしましたか?」」
ふっとセシリアの前に今日来たばかりのゲストが現れた。
“何か、不機嫌な様子だ。お前が下手に話せばケンカを売る事になる・・ここは任せろ”
“念話?ISって凄いな”
“感心してる場合じゃないぞ”
“わかった。ここは任せる”
僅かコンマ一秒以下が一夏と白式の間で交わされた。
「コイツは少々、また慣れていない環境に戸惑ってるんで、勘弁してやって下さい。」
「関係ない第三者は黙ってなさい」
「関係あるさ、織斑家とは姉弟共に関係あるんでね・・」
困惑気味の一夏と、キリッとした白式青年を見比べて何か納得した様子で青年の方に視線を移した。
「あなたの方が話がわかりそうね」
「そういえば、自己紹介がまだだったな、俺は白式。そしてあなたは?」
「へっ?」
いきなりの自己紹介にセシリアは少し首を傾げた。
「自己紹介もなく、会話は成立しない・・俺はあなたを知らない、まずは互いの名乗りあげくらいは必要だろうと思うが」
「わかりましたわ、下々の要求に応じるのも貴族の勤めですわね、私はセシリア・オルコットですわ」
「ほう・・君が噂のイギリス代表候補生か・・確か第三世代型のビーム搭載型の遠距離タイプを使っていたね」
「こんな極東の島にも私の噂が来ているなんて、広栄ですわ」
(本当は数週間前に束博士が各国のコンピューターにハッキングして代表候補生や代表のデータを俺の頭に読み込んでいっただけだがね)
「あのさ、白式・・代表候補生って何?」
会話の外にいた一夏は思わずそんな疑問を白式に漏らした。
「あなた!本気で言ってますの?」
「全然わからない」
セシリアも白式も一夏の言葉に少々唖然としたが、白式はとりあえず一夏に説明した。
「オリンピックみたいに国の代表として選ばれた選手と同じだな・・つまりイギリス代表候補生ってのはイギリス代表を代表するISパイロットって事だ」
「ISパイロット版の室伏広治って事か!?確かに凄い」
「ハンマー投げの室伏とISパイロットを比べるってのは微妙だが、まあそんなもんだよ相棒」

「つまり、セシリアは室伏みたいにハンマーを投げれるのか!?」
「違いますわ!!」
(あらあら怒らせちまったな)
「まあ、入試主席で教官を倒したわたくしみたいなエリートはお二人みたいな、おバカなコンビにも優しくしてさしあげますわ」
お馬鹿コンビって言葉に一夏と白式の眉間がピクリと動いた。
「俺も教官を倒したよな白式」
「そうさ、しかも一夏の奴は元日本代表候補生で今は一組の副担任の山田先生だ」
「むむむ、そんな話聞いてませんわ!」
「間違いないよな白式」
学園の公式記録として世界に認められている、コイツはまだ三度しか動かした事のない素人だ」
世界って部分は白式の過剰表現ではあるが、学園の公式の記録には勝利したと明記されている。
一夏と白式のコンビは冷静な白式が一夏を制止するように見えて、混ざると危険物質に変わる息の合うコンビである。
怒り心頭気味のセシリアとセシリアが命名したお馬鹿コンビの二人の会話のドッチボールを止めたのは授業開始のチャイムであった。
そして三時間目を終えた一夏達は、次の授業の為にISスーツを着用してからグラウンドに集合した。


「そんじゃ、相棒・・体もナマった所だ。いっちょ運動としゃれこうぜ」
ヒュンと一夏に白式青年が触れた途端に装着状態になった。
「白式さんが消えた?」
驚くクラスメイト達を尻目に、千冬の指示で上空に飛んだ。
「よし、織斑、篠ノ之・・上空を飛行後に、急降下をやってみろ」
「上昇?空を飛びって?イメージがつかみずらい」
“スーパーマンのつもりで飛んでみたらどうだ?”
頭の中に白式の声が聞こえた。
「こうかな?」
両手を突き出すとふわっと体が浮き始めた。
“その調子だ、ゆっくり飛べ・・まずはお前自身がお前の操縦を信じる事が大切だ”
箒は難なく飛行したが、一夏はやや低速でゆっくり飛び始めた。
「なんとなく、飛行の感覚が掴めてきた。」
“ハイハイは出来たようだな、次はよちよち歩きといってみるか”
「一夏、貴様のISは打鉄より早いはずだ、もっとスピードを出してみろ」
千冬の声をセンサーが感知した一夏はイメージを浮かべて何とかスピードを出そうとするが、箒との距離が狭まらない・・。
“ドン亀か?それとも遊覧飛行か?ガキでも、もう少しはマシに飛べる・・遅すぎて失速しそうだ。もっとイメージを膨らませろ、お前は早く飛びたい、亀ではなくウサギになりたいと思え!”
「俺はウサギになる!」
ひょろひょろ飛行がいきなり安定したスピードの飛行となり、頭一つ分だが箒を追い抜いた。
“よし、良いぞ・・その調子だ”
(一夏、やるじゃないの)
「次は急降下だ、箒・・まずは先に降下だ。」
ヒュンと降下してから、地面に墜落する前に減速しながら着地した。
“ひゅう~お前のファーストちゃんは上手いようだな、よし今度は飛行機の着陸イメージだ・・ソフトランディング、柔らかく降下だ、わかるな”
「やってみるぞ」
ヒューンと先程の箒の着陸より角度が急に降りてしまい、減速が間に合わない。
「あわわわ」
地面に犬神家のキクチヨのように足を残して顔面が突き刺さるかと思われたが、一瞬、軽く2メートル上昇してから減速して、地面に落ちた。
「たっ、助かったのか?」
“全く、教習所の教官みたいに非常ブレーキを踏んじまったよ、角度が急過ぎる・・ハードランディング過ぎて俺まで尻餅をついちまったぜ”
一夏は白式が地面に叩きつけられる前に数メートル急上昇しながら減速した事で軽く尻餅を突いた程度で済んだ。
「全く、まだまだ頭に殻の付いた雛鳥だな一夏、まあこれからだ・・あの千冬さんだって同じミスをして地面に突っ込んだ。二度目は俺がさっきみたいにフォローしたがね」
いつの間に人型に戻った白式は尻餅を突いた一夏に手を貸した。
「実際の練習とイメージトレーニングを積むしかないさ・・」
「イメージ?」
「詳しくは昼飯の時に話そうぜ」
ポンポンと一夏の肩を軽く白式が叩くと、昼を告げるチャイムが響く。
背後では弟と恋人未満の幼なじみを白式に奪われてうやましそうな顔の千冬と箒が睨んでいた。

「常に降下は着地前に軽く減速しないと、怪我の原因になる・・モンドグロッソ大会やあの千冬さんの戦闘経験から得た結果さ」
カレーライスを食いながら、飛行について説明する白式に箒と千冬は嫉妬を燃やしていた。
(一夏の奴、何であんなメカ男なんかにへらへらしちゃって、私は束博士の妹なんだから、私が一番ISを操縦出来るのに悔しい!)
(束、殺す、白式も殺す)
二人の目がだんだん黒く瞳のないヤンデレ目になっていく。
(全く、俺の新米の相棒を鍛えたくらいであのコールドアイはなに?女ってのは嫉妬深いね・・)
一夏に熱心に話をする傍らで白式は何かを考えた。

訓練の時間でISに変身した白式に驚くモノは多かったが“白式は束博士が開発した人型ISだ”と授業の合間に千冬が全員に説明すると、ほとんど納得していた・・。
“このISを発明した博士だもん、人型も作れるさ
“あの束博士だから、実は古代火星人や古代木星人の遺産って言っても信じるわ”
“5000発のミサイルを叩き落とせるISを作ったんだから、人型くらい作れそうね”
“そのうち、青いネコガタとか発明しそう”
何となく束博士ならばやりかねないって雰囲気が世の中に蔓延していたのも、彼を受け入れた理由でもある。
つまりは“あまりの超展開にツッコミを入れきれない”と言う事である。
だから“まあいいじゃない”的な寛容さも生まれていた。
そして何よりもブサイクではなかったのもその要因である。
容姿は一夏から見てそこそこかっこいいし、ノリも悪くないし、性格は少し変わっているが許容範囲内。

ーー次回予告ーー
束「はあ~いみんなのアイドル束ちゃんだよ~今日の出番はこれだけ~次回はクラス代表を決めちゃうみたい~私はいっくんに一票いれちゃうね~じゃあまたね~」



[29499] クラス代表選挙
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/29 14:29
ーー授業後のホームルームーー
「それでは皆さん、これからクラス委員長を決めます。委員長はクラスの代表として、生徒会やクラス代表生のトーナメント戦などに参加する事となります。自薦や他薦ならびに立候補者はいませんか?」
ほんわかした数少ない癒し系の山田先生の姿にヤンデレ二人のコールドアイで弱った白式の心を和ませた。
「は~いオリム~に一票」
「私も織斑君に一票」
「男子を代表にした方が面白い」
きゃあきゃあ騒ぐメンバーにセシリアが声を上げようとした途端に、先に誰かが立ち上がった。
「おいおい、さっきの訓練風景を見なかったのか?相棒はタッチ歩きが出来たばかりの赤ん坊と変わらんぞ・・確か、クラス代表生の景品はデザートの半年無料券だ。それで本当に一夏を推薦するのか?俺だったら、そこにいるイギリス代表候補生ちゃんを推薦するね」
そう言いながらニコリと白式はセシリアに微笑んだ。
(どうやら、さっきので爆発寸前みたいだったが、俺が先手を取って動いたが・・さてどうする?)
いきなりの推薦にセシリアはかなり困っていた。
(あの男に先手を取られましたわ・・このまま立候補するのもシャクですわ)
セシリアの灰色の脳細胞は回転しながら知恵を絞った。
「いや、まだ俺はやるって言ってないし」
「怖じ気づきましたわね・・やっぱり文化や歴史が我が大英帝国より劣る国の男は根性がありませんわね~おほほほ」
「文化として、遅れた国?何だよ、料理の味が遅れていのはイギリスの方じゃないか・・」
「料理は仕方ありませんわ、宗教的に美味い食べ物を食べるのはあまりよろしくないから、控えめにやってますわ」
「じゃあ、歴史的にスペインの船を海賊を利用してスペインの船だけを襲わせて、功績で海賊に勲章やったり、人攫いみたいに船員を揃える海軍なんてないだろう?」
「ふん、我が国は長く続く英国王室がありますわ」
「こっちの天皇家の方が長く続いている!それにオバマ大統領や英国のエリザベス女王やあのローマ法王より国際的な権威は天皇陛下が上なんだ!」
「ヒロヒトの息子がなんぼのものよ!大英国の方が最も凄いわ!」
互いに不毛な歴史の討論は千冬と白式の一言により収まった。
「一夏、セシリアちゃん、こうなったら後は口よりも互いの拳で決着をつけるしかないな」
「白式、お前にしては良い提案だな・・立候補者同士の決着は互いの拳で決める・・期限10日、互いに闇討ちや妨害行動を禁ずる。このルール破りは一週間の便所掃除と私の拳を喰らわせる・・以上解散」
長々とした不毛な歴史の討論が終わった。
(これも貴様も差し金か白式・・)
いつの間にか、白式のシナリオにのっけられた感じがしたが、二人の不毛な言い争いを止めさせるには勝負をさせるか、拳で直接黙らす以外に手がなかった。
「どうしょう白式って、いない?」
側にいるハズの白式はいつの間にかいなくなっていた。
「山田先生、白式は?」
「布仏さんと出て行かれましたよ」
ガーン・・かなり古い表現だがそんなガーンと感じる衝撃を一夏は感じた。
「ほっ、箒・・俺にISの特訓を手伝ってくれ」
うるうると自分のアイエスに見放された一夏があまりに可哀想で箒は2つ返事でそれに応じた。
(あのウザイ白式もいないし、一夏と二人きり~)
何か卑猥な事を想像していた箒の鼻から見事な鼻血が垂れていた。
ーー白式ーー
「これでOKだよ~」
「ありがとう、布仏さん」
「のほほんでいいですよ~ハクシ~。」
それは教室を出る前に一人の一組の生徒に呼び止められた。
「あの~左肩と右肩が左右非対称になってますよ~部屋に専用の工具箱がありますんで調整しますか~」
「そりゃあ、ありがたい。君みたいな可愛い子に整備されるのは嬉しいよ」
彼女の名は布仏本音・・のんびりした雰囲気で悪い感じがなく、彼女は整備に心得があるようで簡単に肩を調整してくれた。
「のほほんちゃん、今度食堂でパフェでも奢るよ」
「うわ~いありがとうハクシ~」
軽く挨拶してから一夏の行方を探すと剣道部の道場に反応があった。
遠くから見ると箒と一夏は互いに剣道で汗を流している。
「あそこに加わるのはぶすいだな・・」
そう言って、整備部によってからサーベルの整備キットで夕食まで雪片二型を綺麗に磨いた。

ーーそして夕食ーー
美味そうに食べる白式と対称的に一夏はグッタリしといた。
「箒との特訓はどうだった?」
「白式がどっかにいっちゃうから、大変だったよ・・今度、白式も箒と手合わせしてみるか?あいつの剣撃は凄いぜ」
「楽しみにしておくよ」
肩の違和感が消えて白式は何となく機嫌が良かった。
「お前は調子いいな」
「肩を調整してもらったら肩の違和感が消えたんだ。」
「それは良かったな」
「じゃあ、後でISの慣熟に少し体を動かすか」
「疲れた~無理」
「少しだけだ。慣熟が出来なかった負けたなんて、言い訳はあのセシリアってお嬢ちゃんには通じないぞ、腰に玉がある事をあのアバズレに思い知らせてやろうぜ」
「じゃあ、腹ごなしにグラウンドに行ってみるか」
「その意気だ、相棒」
その様子を見ていた一組のクラスメート達は・・“白式君かっこいい”
“一夏君もいいけど、白式君も最高”
“まさに兄貴と弟分”
“白式×一夏で今度本を書こう~”
“やっぱり~白式君は攻めで一夏が受けよ”
“意外に一夏×白式もありかも”
何か変な盛り上がりをみせていた。
ーー次回予告ーー
白式「俺は可愛い子しか興味ないぜ。別にロリコンじゃないぜ、俺の製造年数をみたら俺はクラスの中で一番年下だ。まあ人格と体の年齢は別だがな・・さて次回は特訓!でまた会おう」



[29499] 特訓
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/29 14:34

ーーグラウンドーー
白騎士の正体の件や夜にスヌーピーのぬいぐるみを抱いて寝ている事を交渉材料に白式は千冬から10日間だけ夕食後の使用許可を得た。
“悪夢だ・・”
“すまん、これも相棒を勝たせる為さ”
頭を抱える千冬をよそに、訓練は始まった。
“高速移動をしながら、武器で目標の風船を割れ”
「動きながらじゃあ、当てづらいよ」
“風船は動かん。その分、こちらが動くんだよ”
動きながら近接用ブレードが風船を狙うが寸前で刃先が振り下ろす勢いでそれてしまう。
「この!この!この!」
“闇雲に振るうな、風船が予定、未来位置を読め”
「未来位置?」
“そうだ、風船もそうだが、敵はこちらの攻撃を避けてくる。だが確実に相手は物理法則に乗っ取った動きしかしない、だからそれを予測して相手が避ける位置に刀を当てれば当たる。昔の航空機のパイロットがやった戦法だ”
白式からのアドバイスに耳を傾けながら、放課後は箒から剣道を教わり、夕食後は一時間だけ風船を仮想敵とちた未来置攻撃を習った。
「10個、全て一回で割れた」
白式を解除し汗だくの一夏はグッタリと倒れた。
「4日でこれだけの成果なら、この技も会得出来るようだな・・よし、俺が手本を見せてやるよ、まあその前に小休止・・」
白式は乾いたタオルを一夏に差し出した。
(またヤンデレがキツい視線を向けてやがる。)
人型でもISである為に、人以上の視覚や聴力などをある程度持っていた。
「一つ技を教える前にそこに隠れている、ファーストちゃんにも教えてあげるかな」
「箒がいるのか?」
「あそこさ、俺に一夏を取られたと思ってジェラシーを感じているのさ」
白式は軽く目配せで場所を教えた。
「ジェラシー?」
「お前は想像力が欠けてるな、だから色々変な所に争いの種を生むんだよな」
「争いの種?」
(全く鈍感過ぎる。天然なフラグ製造マシーンだな)
「八方美人過ぎるなって。聞いてねえし」
いつの間にか、白式から離れて箒の方に一夏は走っていった。
「一夏・・お疲れ様」
箒は驚きながらスポーツ飲料水を差し出した。
「ありがとう、箒」
そう言ってゴクゴクと一気に飲み干した。
「それより何の練習をしているんだ?」
「未来位置に向けて、当てる訓練」
「えーっ」
(何、凄すぎるだけど・・)
「新しい必殺技的なモノを見せてくれるらしいだけど、見てみる?」
「必殺技?」
その言葉に箒は興味がわいた。

再度一夏と合体してからISの操作を借りた白式は近接用ブレードを引き抜くと、すっと周りの空気が変わる・・。
(凄い・・さっきと空気が変わった。)
そして、ブレードを振り下ろすと、突風と共にグラウンドを削るように、地吹雪を起こしながら何かが飛び込み100メートル先の風船を吹き飛ばした。
「やってみるもんだな、暇でゲームをやってたら何となく会得した技だ・・確か素早い剣撃で衝撃波を発生させる。ってのが基本原理だ。威力はまあまあで更にエネルギー消耗が少ない、それに近距離から中距離で使える・・試した限りでは3メートルから最大で100メートルくらいだ」
ヒュンと必殺技を見せた後は瞬時に解除した。
「まるで魔神剣だな・・」
「確か、ゲームでもそんな名前だったな」
「白式剣ってのはどうかな」
箒の提案に変身を解除した白式はポンとその提案に応じた。
「じゃあ、白式剣って名前にしておくよ」
(一度見れば、センスのある奴なら、覚えられるさ・・)
白式がみる限り、磨けば二人共、白式剣を会得出来るセンスはありそうだ。
特訓は更に箒を加えて毎日特訓に加わったが、今だに一夏は初期形態のままだった。
ーー次回予告ーー
のほほん「はいはい~今日はハクシ~の代わりに私が次回予告~新必殺技を携えてハクシ~とオリム~がセシリアと戦っちゃう~次回は決闘~」
束「私と同じ匂いがする」



[29499] 決闘!ポロリもあるよ
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/29 14:49
ーーそして数日後ーー学園のアリーナーー
「遅いですわ、もう試合開始予定時間を10分もオーバーしていますわ」
ISスーツを着用し、いつでも決闘出来る態勢でアリーナの真ん中に立っていたが、一夏達の遅刻にイライラしていた。
(だいたい10時から10時半くらいに模擬戦をやるから待って言っていたが、遅いな)
10時きっかりに来てピシッと待っているセシリアを千冬は不憫に見えた。
するとアリーナの向こうからボロボロのマントを羽織った三人の人間が現れた。
「遅くなったな、セシリア」
「その声は!」
パサっとマントを脱ぎ捨てた三人は予想通り一夏達である。
「特訓の成果を見せてやるよ」
「ふん、逃げないでよく来ましたわね、遅いから逃げ出したのかと思いましたわ」
「予定時間、10時から10時半頃って言ったろう。10時前から待ってられてもこちらが困るんだよ、試合前にトイレをしてから来たんだよ」
「さて、じゃあ最初から本気で行くぜ、セシリア」
一夏が何故か足や腕につけたプロテクターや肩バンドを外して箒に渡した。
「本気?イギリス代表候補の私に勝てるハズがありませんわ」
おほほほと笑うセシリアの横を通り過ぎる箒の持っている一夏のプロテクターを掴もうとするが、重くて掴みきれなかった。
「な?これは?」
(何?バトル漫画的な展開?まさか・・何度か夜に訓練をしている姿は拝見しましたが、あれだけの重しを付けてあの起動をやっていましたの?でも筋力ってIS関係ないじゃ)
一夏の特訓の成果の一部を感じタラリと汗が流れ出した。
(あれだけの重しを軽々持ち運べる箒さんも箒さんですわ)
「ISはパワーなんかよりも技術ですわ、それに付け焼き刃の訓練で負けるような私ではありませんわ」
「・・・」
まるで明澄止水のように落ち着いた表情の一夏にセシリアは更に驚いた。
「とにかく、勝負ですわ!わたくしのブルーティアーズの奏でるワルツを踊りなさい」
「よう、セシリアちゃん、俺はワルツより情熱的なタンゴが好きだな~俺達と踊るならワルツじゃ分が悪いぜ」
ヒュンと白式はその言葉を言ってから一夏と合体した。
“今日の俺はアドバイスだけだ、動くのはお前に任す。負けんなよ”
「大丈夫、白式に教えられた事をフルに生かして戦うよ」

変身と同時にセシリアのブルーティアーズからビームライフルが数コンマ前に一夏の顔があった場所を通過した。
「正確な射撃だ、だが銃口と体の動きを見れば弾道予測は簡単だ」
動体視力のトレーニング、そしてそれに対応出来る体と反射神経をある程度鍛えた。
IS搭載のセンサーであれば早く相手の動きを読めるが、並みのISパイロットでは体の反応がついてこれない。
箒の操るISからの剣術を生身で避ける命がけの訓練は身を結んだ。
「なんて事、私のブルーティアーズの攻撃を避けるなんて」
「弾道と未来位置からの攻撃を予測出来れば、攻撃出来る位置は限られてくる」
“いっちまえになりやがって、相棒としては嬉しい限りだな”
「なら、これをくらいなさい」
ヒュンヒュンと攻撃用のビッドが次々とブルーティアーズの中から飛び出していく。
「さあ~これをくらいなさい」
左15度、右35度、左100度、右90度、右110度、センサーをフルに活用し360度に集中し、己の死角となりうる場所を読んだ。
「見える!俺にはブルーティアーズの動きが見える。」
サーベルを振るうと刃先が飛んでくるビッドを貫く。
「1つ!2つ、3つ、そんなおもちゃで俺は倒せん」
「全滅?ブルーティアーズのビッドが全滅・・展開した僅か数秒?」
あまりの一方的な攻撃にセシリアは驚愕した。
「トドメだ!」
一気に間合いを詰めた途端である。
「かかりましたわね」
サーベルを振るう一夏の目の前にISに装備されたネットが飛び出した。
「あなたの武器はその刃渡りの通る射程に入らなければ問題ありませんわ」
「くそ」
「この八卦の陣の中で、もがきなさい」
ネットを浴びた一夏の体に電撃が走り、シールドエネルギーが強制解放されていく。
「トドメよ」
ネットの電撃に苦しむ一夏に向けてブルーティアーズに装備されたミサイルが撃ち込まれた。
「当たる!!」
一瞬、一夏の中で頭の中が白くなっていく・・。
グラウンドで見せられた白式剣が脳裏に浮かぶ。
電撃に痺れる中で一夏は近接用ブレードを握りしめながら、叫んだ。
「白式剣!!」
爆発が一夏を包み込んだ。
「一夏ー!!」
箒の叫び声と対処的に千冬には勝負の行方が見えた。
「ふん、白式に助けられたか・・」
爆発したのはブルーティアーズから発射されたミサイルが着弾前に爆発し、一夏 の体を包み込んでいた電撃ネットも同時にバラバラになった。
そして爆風の中から先ほどの白式とは違う姿の機体が現れた。
“ギリギリだな・・お前の思いは俺を覚醒させた。”
「これは雪片二型・・」
“お前が覚醒した時に使用可能な必殺武器だ・・だがエネルギー消耗から見て、一発が限度だ”
「一発あれば十分」
雪片二型を展開した一夏を見たセシリアは持っていたライフルを投げ捨てて、近接用ブレードを展開した。
「あなたの思い切りに私の魂に火が着きましたわ」
「そうか、行くぜ!白式」
一夏の振るう雪片二型の閃光とセシリアの振るうサーベルの閃光が激しく光る。
だがパワーの上な一夏の雪片二型がセシリアの近接用ブレードを突き破りブルーティアーズに一撃を食らわせた。
「白式のエネルギー切れにより、勝者はセシリア・オルコット」
首皮一枚のエネルギーの差でセシリアは辛うじて一夏には勝った。
「完敗ですわね・・あなたの力がほんの僅か残っていたら、兵装を使い尽くした私はあなたに負けていた。今回は私の運が良かっただけ・・ってえ?」
互いに健闘を讃えて握手を交わしたセシリアのISスーツがビリッと破れて、セシリアの綺麗な裸体を一夏に晒した。
「見事な白い肌に綺麗な山が2つ?それに黄色茂み?」
「きゃああー!一夏さんのエッチー!!」
「この天然スケベ野郎」
「このバカ弟がー!」
「俺は無実だ」
セシリアと箒と千冬の放った拳は見事に一夏を一撃で仕留めた。
「見事なテクニカルノックアウトだな・・まさにKOだ」
片手で胸を隠していたセシリアに白式は自分の着ていた上着を肩にかけた。
「ワザと出来るって事じゃないから、今の一撃で相棒を勘弁してやってくれ。あの激闘にISスーツが耐えきれなかっただけさ」
「まあ、相棒のあなたのお願いなら、許してあげますわ」


ピクピクと痙攣する一夏を白式は肩に担いだ。
「良かったまだ生きてる、俺の特訓で鍛えたおかげかもな、人類最強の三人に殴られて生きてるのはラッキーだな、先生、コイツを保健室に連れて行きますんで」
やれやれといった感じに白式はポケットからカロリーメイトやチョコレートをかじり、エネルギーを補充した。
次の日、正式にクラス代表が一夏に決定し、箒がクラス代表補佐となった。
ーー次回予告・無法地帯ーー
白式「セシリアって、イギリスってゆうよりフランス代表っぽいな・・あのグルグルな巻き毛ってフランス人に思えんだが、今度はセカンド幼なじみの登場だ」
束「ねえねえ、私の出番は?」
白式「これだけだよ、博士」
束「ハクちゃんの意地悪」
白式「じゃあ~俺とこれから、ベッドで熱い夜を過ごすってのはどうかな?」
束「ハクちゃんのエッチ~」
白式「血がつながってないからOKさ」
束「ハクちゃん~ゴーマー」
白式「ゴーマー」
作者「もう分けがわからないよ」



[29499] セカンドとの遭遇
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/30 21:41
ーー決闘から数日後ーー
白式は名目としては留学生となり、学園の生徒となった。
「ISの研究の為に来た技師ってのがお前の今の立場だ」
「技師ね・・まさかパイロットってわけにもいかないからな」
クラス代表を決定後した2日後、千冬に呼び出された白式は進路相談室で各種の書類が渡された。
「やれやれ博士が来るのはいつの事やら、まあこうやって出歩けるのは楽しいだがな」
「この前、貴様に社会理念のテストを受けて問題なしと判断された。一応外出許可は出たが・・間違っても問題を起こすなよ」
「俺みたいな平和を 愛するラブ&ピースを心情にする俺が問題を起こす訳がないじゃないですか」
「そうか・・私がお前の身元引受人なんだからな、絶対に問題を起こすなよ」
「そんな顔で凄まれたら、約束を守るしかないな」
思い切り釘を刺された。
そして学生証と千冬さんのポケットマネーから幾らの金を財布に入れてくれた。
愛用の白い服の服と茶色いジーンズを履いた。
千冬さん、束博士、そして一夏の経験からある程度の店の場所がわかる。
それにグーグルアースや地元警察の情報もハッキングしていたので迷う事はなかった。
「千冬さんにアヒル柄のパジャマでもお土産に買ってやるかな、一夏にはやはりエロ雑誌だな」
テクテクと歩き、千冬さんが行きつけの喫茶店に入ろうとして白式は手を止めた。
「何か裏の路地で声がしやがる。喧嘩か?いやこの音は」
白式は神経を集中した・・声は女の子。そして相手は数人、しかも大人数、聞く限りはナンパしようとして断られたので大人数を連れて路地に連れ込んで強引に手を出すつもりのようだ。
「コイツは喧嘩じゃないし、女の子を助ければ済む話だ」
予定を変更して騒ぎのする路地に白式は歩いた。
ーー路地ーー

「ちょっとしつこい!」
ISを腕に展開して襲いかかるチンピラを次々とぶん殴っていく。
(もう久しぶりの街で道が変わってたから迷ったら変なん連中に絡まれるし、最悪)
5人目を倒した時である。
背後から痺れるような痛みで展開していたISが解除されてしまった。
「ちっ、このクソガキが!ISに乗れるからって調子にのりやがって」
スタンガンを持った六人目に背中を痺れさせられて体が動かなくなった。
「よし、あのダンナ連中に差し出す前に少し楽しませてもらうとするかな」
少女は辛うじて動く腕で必死に体を引きずった目の前に新たなチンピラが現れて退路を塞いだ。
「誰も助けになんて来ねえよ」
「大人しくていたら、すぐに終わるからよ」
「いや、誰か・・」
「無駄なんだよ、こんな所に人を助ける物好きなんて・・」
「いるさ、ここに一人な」
チンピラ達の背後に銀髪の青年が立っていた。
「何だテメエは!」
「俺達を誰だと思ってやがる」
ナイフや鉄パイプを片手に青年を脅すが、全く本人は気にする様子はなかった。
「一山幾らのチンピラだろう?どうみても聖歌隊って面には見えないぜ」
「コイツを見られたからにはタダじゃかえすわけにはいかないぜ」
バタフライナイフを青年に向けて突き立てたが、それより早くチンピラの顔面には青年の靴裏の跡ができた。
「なっ!?」
唖然とする鉄パイプを持ったチンピラは素早く動く青年の動きについていけず鳩尾落ちに受けた衝撃で気絶した。
だが青年の首筋にもう一人のチンピラが振り下ろした鉄バッドが命中した。
「隙だらけだぜ」
「隙だらけ?お前さんの方が隙だらけじゃねえか」
チンピラは何かが命中した衝撃は青年の首筋にバッドが命中したのではなく。
青年が何かで鉄バッドを防いだと気づいたのは僅か数秒後である。
バッドがカラカラと切れて、服がパンツを除いて綺麗に切れた。
見えないスピードで雪片二型を引き抜くと瞬時に居合い抜きで切り裂いたのである。
「もっとやるか?お次はパンツと頭の毛と股の毛も切り落とすか?」
服を切られた男が辺りを見回すと、12人の仲間が1分で全員戦闘不能となっていた。
「クソ!覚えてやがれ」
お決まりのセリフを残して動けるチンピラは全員逃げ出した。
「逃げても無駄なんだがね・・」
全員の財布と身分証は殴り合いの最中にポケットからくすねた。
「迷惑料としてもらっておくか」
財布を漁りながら、警察のネットワークから犯人の顔写真と身分証込みで通報した。
(今頃、奴らの服もきれいに切れて猥褻物陳列罪だ、それにあの連中の持っている凶器だけでも銃刀法違反だな)
白式の予想通りに三分後に道端でスタンガンやナイフや改造したガスガンを持っていたチンピラ達は猥褻物陳列罪や銃刀法違反などで逮捕された。
(確か、白式の俺には身体のダメージ回復能力があったな)
持ち主である一夏自身を治すのであれば100%の能力で使用可能だが、人型の時では身体回復能力も60%しか使えないが、スタンガンの焼け跡を消して。
体の内部の火傷や擦り傷などの怪我を治すのは造作もなかった。
(マシンガンで身体を蜂の巣にされたわけではないから、すぐに治るだろうな)
「痛いの痛いの飛んけ」
「本当に痛いが消えた?あなたはいったい?」
「俺か?俺はお節介焼きさ・・少し物騒だから、行き先までついてってやるよ」
「ありがとう。私の名前はファン・リンイン・・親しい人は鈴って呼んでるわ」
「そうか、鈴か・・俺の名は白式、好きに呼んでくれ。」
「じゃあ、式さん・・ちょっと行きたい場所があるんだけどエスコート頼むね」
「いいぜ、鈴」
白式の今の姿は千冬や束と同じ二十歳前後ではある・・白式は思わぬ所でさながら騎士のように鈴をエスコートした。
(鈴?そういえば、一夏のセカンド幼なじみだったな、中華料理屋の娘さんか・・)
「行きたいってのはどこだい?」
「マーチ・ラビィットって喫茶店・・昔、幼なじみや知り合いのお姉さんとよく行ったのよ」
「マーチ・ラビィットなら、すぐそこだ」

喫茶店マーチ・ラビィットにきた鈴はウキウキしていた。
「全然、変わってない」
古い音楽再生装置
現役で動くテーブル型のゲーム機。
そして店の看板メニューのパフェや30分で完食するとタダになる金魚鉢のパフェ。
「そうかい、慰謝料の代わりにもらったお金があるから奢るよ何か食べるかい?マスター・・俺にお子様ランチを頼む」
カウンター席のひげ面のマスターは驚きながら注文に応じた。
「ここのお子様ランチを大人が頼むのは、この店じゃあ常連の二人だけだよ」
(確か、千冬さん、そして束博士くらいだ・・パフェが好きなのも千冬さんや束博士の影響かな。金魚鉢みたいなパフェを30分で完食したのはあの二人くらいだ。)
日焼けした古い完食者の写真には高校時代の二人の姿が写っていた。
白式はお子様ランチを食べ終わると、食後のコーヒーを楽しんだ。
(砂糖三つか・・これも誰かの好みだったのかな)
「そういえば、鈴ってボストンバックを持ってたけど、旅行者かい?」
「旅行者じゃなくて、これからIS学園に編入予定なんだ」
パサと入学手続きの書類を見せた。
「ほう・・ISパイロットか」
「式さんは?この辺の人なの?」
「その辺の人って言えば、その辺の人だな、俺もIS学園の一組に技術官として研修にきているんだ。」
「もし同じ組に編入出来たらよろしくね」
長い道を二人で歩いている内に学園の前に着いた。
「事務所まで送るかい?」
「ここまで来たから大丈夫」
そう言って微笑む鈴と白式は別れた。
(何だろう、一夏とちょっと似ている感じがする、良い人だな式さん)
白式により危機を脱した鈴は無事に学園に入学した。
神の悪戯なのか・・鈴は一組に転入となった。
ーー次回予告ーー
一夏「あのさ、このISって俺が主役何だよな。」
作者「原作では、そうだけど。こっちのでは基本的に白式が主人公って感じかな?」
一夏「そういえば、白式って女の子じゃないのかな?」
原作「こっちの平行世界では、男って設定だよ。まあ次回~編入~一夏が食べるヒロインズのお昼ご飯は美味い」



[29499] 短編~編入~
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/30 21:52
ーーセカンド幼なじみの編入の翌日ーー
「一夏~久しぶり!」
「鈴じゃないか」
ニコニコと久しぶりの友人と会うようにじゃれ合う二人。
「誰よ、あの一夏様と馴れ馴れしくしているのは?」
「あれは、セカンド幼なじみさ・・」
「セカンド幼なじみ?」
「ファーストちゃんが引っ越してから知り合った幼なじみさ、だからセカンド幼なじみさ」
「ふう~ん」
あれから何故か席替えでセシリアと同じ席となった。
どうやらセシリアは一夏にゾッコンらしい・・まあ、あれだけ態度が変わったのに気がつかないのは一夏くらいだろうな。
「どうやって一夏の気を引くんだ?」
「それは私の手料理で・・」
「止めておけ、それにあまり手料理とか作った事ないだろう?」
貴族のお嬢ちゃんで料理が得意なのはあまり見た事がない。
「でも私は!」
「俺が料理を教えてやるよ・・」
(相棒を守る為でもあるが、努力する奴を応援するのもまた一興だな、それに熱意は感じられた)
そんなこんなで週末やたまの放課後に料理を教えているが、まるで愛のエプロンって番組の芸能人みたいだ。
ーー食堂ーー
夜中の夜食を食べる生徒もいる為に簡単な調理の出来るスペースがある・・。
「はあ・・千冬さんよりはマシにはなったな」
織斑千冬の料理は何でも黒こげのダークマターに変化する。
数日の特訓で味付けだけは美味く出来るようになった。
「でっ、何を明日一夏達に持ってくるんだ?」
「サンドイッチですわ」
「まあ妥当な所だな、俺も楽しみにしてるから、人間の食える物を作れよセシリア」
「このイギリス代表の私に出来ない事はありませんわ」
ーー翌日ーー
昼休み・・白式は全力で逃げ出した。
「お待ち下さい、逃げるのはダメですわよ」
しかしセシリアに周り込まれた。
「一夏様に食べてもらう為にアナタに協力してくれたのですから、最後まで責任をとって下さい」
(最もだな・・)
セシリアに引きずられる形で昼ご飯を学園の中の公園で食べる事となった。
最初は鈴の料理を一夏と共に試食した・・。
「これ冷えてても美味い酢豚って、一度作り方を聞きたいくらいだな」
(作る人間が食べてもらう人間への気持ちがこもっている。)
「鈴の料理は美味いね」
一夏が久しぶりの酢豚に喜んでいた。
「では、次は私の料理です」
ゴゴゴゴと重苦しい空気が辺りを包んだ。
バスケットを開けると中からサンドイッチが出てきた。
ゆっくりと全員が食べると、材料が少々ガタガタしていたが味付けは文句なしだったので驚いた。
「イギリスってまずい料理の国ってイメージだったけどセシリアの料理も美味いね」
(グッジョブですなセシリア)
(白式さん、サンキューです)
一瞬の言葉ではない会話がセシリアと白式の二人の間に交わされた。
箒や白式自身の料理も全員が満足に値する味であった。
その時、白式達を見つめる視線に誰も気づく者はいなかった。
(あのセシリアが・・仕掛け人はやはり白式だな)
千冬の視線は白式に釘付けとなった。
ーー夜の食堂ーー
「セシリアもあれだけ上達させた貴様ならば、私も美味くなるはずだ」
あれから千冬に目をつけられたら白式は千冬に脅されて料理指導を行うが、どうやってもダークマターになる。
(実に興味、どうして冷凍食品をレンジで温めただけでダークマターになるのか?)
彼の指導も虚しく、千冬の作る料理は全て黒こげの料理となった。
―ー次回予告ーー
作者「織斑先生の料理は後でおいしくいただきました。」
白式「ううう、堅くて焦げてるから歯が痛い・・次回はほぼオリジナル展開です・・選抜模擬戦」



[29499] ~そしてそれぞれの思い~
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/31 21:22
ーー教室・・授業後のショートホームルームーー
「再来週よりクラス代表の対抗試合となります~」
山田摩耶副担任(白式の心の癒し)の可愛い声と共にいつものショートホームルームが始まった。
セシリアとのクラス代表候補との模擬戦等、バタバタしている内にすでに幾日もの時間が過ぎた。
一夏も白式の人型事件のドタバタにも落ち着いた。
しかし相変わらず殺意混じりの嫉妬の視線を千冬は白式に向けて続けている・・。
「それでだ、この前来たばかりの編入生の実力試し、そしてクラス代表戦の前哨戦も兼ねて。明後日に選抜者によるクラス内の模擬戦を行う・・メンバーはこれだ」
白い和紙に筆で書かれた荒々しい字が教室の黒板に貼られた。
“姉弟愛・・”
“一夏ラブ・・”
“一夏に愛をこめて”
書き手の名は千冬。
「あっ、間違えた。本物はこれだ!」
今の姉弟愛って文字をツッコムのは危険と全員が生物の本能として感じた為にスルーした。
「まずは、織斑、セシリア、鈴、箒、白式・・の5人だ」
「俺ってISだからカウントする必要は・・」
「貴様が生身のままで戦うデータもとっておく必要があるからだ。」
「はいはい、千冬さんにはかなわないよ、ギャフ」
「織斑先生だ、馬鹿者」
ため息をついた白式の顔面に国語辞典がめり込んだ。
(殺す気持ち満々だな)
「白式さん、大丈夫?」
「普通は死ぬよ、国語辞典と当たったら普通なら死ぬよ」
赤くなった鼻を自分で優しく撫でた。
「ありがとよ、心配してくれたのは嬉しいよ」
「クラスメートですもの、当然ですわ」
代表候補戦以来、刺々しかったセシリアも少し丸くなりクラスに溶け込んでいた。
「鈴っていつから白式と知り合いになったんだよ。」
「昨日、マーチラビィットで飯をご馳走しただけさ」
(式さん、昨日の事黙っててくれるんだ。ありがとう)
「懐かしいな、俺も姉さんや鈴とよく行ったな」
「ファーストちゃんともだろう、一夏」
和気あいあいな三人にセシリアと箒は何だか別世界に置いていかされた気分になった。
(一夏の奴!模擬戦でギャフンと言わせてやる)
(一夏様も白式さんも許せませんわ)
ゴゴゴゴと箒とセシリアに燃えている。

「そういえば、千冬さんから聞いたけど、不思議ね。式さんって、白式ってISなのになんで人型に?」
「さあ、博士にプログラムを組み込まれた次の日に俺は言葉と肉体を得た。まあ元々機械の体で意思はあった。今では何と言っていいのかな?エヴォリュダーだな、または生体サイボーグ」
「獅子王?」
「仮面ライダー?」
「まあそんな所だ。食い物がエネルギーに即変換される、だがカロリーの消耗も激しいから、いつもカロリーが高いチョコレートやらカロリーメイトをポケットへの携帯が許されているんだよ」
ポイッと鈴と一夏に愛用のチョコレートを渡した。
「うひゃあ~これ一枚で2000カロリー?凄いわね」
「へえ~凄いな」
「餓死はしないんだけど、空腹だと体が動けなくなってしまうんだよ、そうなるとISとして合体できても緊急のシールド展開が2~3回しか出来ないから、一夏を怪我させてしまう可能がある」
「まあ、それ以外なら合体していなくても、本来の70%の性能は発揮可能」
それを聞いた一夏はグッと拳を握り絞めた。
(白式と戦ってみたい・・アイツと拳を交えたい。)
数日後の戦いにある白式との戦いに胸を踊らせた。ーー夜・トレーニング室ーー
通常の身体能力を鍛えるランニングマシーン以外に、ISを使用した疑似体験式のドーム型の装置が設置されている。
あれから一夏は箒からの週数回の稽古のない日はこの学園内にあるトレーニングルームで汗を流している。
ランニングマシーンを走る一夏と、疑似体験式のドームでは白式が汗を流していた。
ゴーグルをかけて、模擬刀を持つと、ゴーグルの映像に合わせて飛び出す障害物を倒していく。
今の所は一年生である為に通常では打鉄やラファール・リヴァイヴとの1対1の疑似模擬戦しか出来ないが。
白式は束博士直伝のハッキングで相手の性能を20%増にした相手と戦う特別プログラムを打ち込んだ。
汗だくになりながら疑似模擬戦を終えた白式は、持参した水筒入りの特製の高カロリーなチョコレートシェイクを飲んだ。
「甘い・・」
ちょうど30分のランニングを終えた一夏は、白式の隣に置いているカバンからスポーツ飲料水を取り出して喉の渇きを癒やした。
「白式も頑張ってる事だし、俺も白式に負けないように頑張よ。」
「そうだな、俺も千冬さんや相棒と腕試しを楽しみにしているぜ」
クラス内での選抜者の模擬戦では白式と戦う予定の一夏は予備の打鉄に乗って戦うようである。
(それにしても相手のAIがコンピューターとはいっても、第2世代型を複数相手にして9機も撃破するなんて凄い)
「せいぜい、互いに健闘しておきたいな」
「そういえば、選抜者によるクラス内の模擬戦で千冬姉がカスタムした打鉄を使うって聞いたよ」
「俺も聞いている。千冬さんなら通常の第二世代型ではISが千冬さんの動きについてこれない、最低でもフルチューンにした打鉄ならば通常の性能の30%増だろうな・・打鉄を基準に千冬さんの乗るカスタム機の性能をシュミレーションしても千冬さんの場合は軽々とそれを超えた性能を発揮しかねない」
「確かに千冬姉が乗れば通常の三倍動きそうだね」
「油断大敵だ。よし、じゃあ交代だな・・」
「さて、俺は少し走っておくよシェイプアップでもするかな・・2000カロリーのドリンクを飲んだらふとっちまうぜ」
白式がランニングマシーンに乗り込み、一夏は白式の改造プログラムで戦った。
一夏の場合は1対1のプログラムではあるが、前の模擬戦やイギリス本国での演習データを元にしたブルーティアーズの疑似モデルや去年のクラス代表戦のデータを入力した打鉄によるランダムファイトが選択された。
「よし!行くぞ」


ーー夜のアリーナーー
腰に千冬は腰のベルトに装備したIS変身用のツールに手を触れると、千冬の肉体に瞬時にISが展開された。
「まさかこの天山を使うとはな。」
ヒュンと武器を展開すると黒い東洋の甲冑を模したISから、雪片と呼ばれる刀型の近接用ブレードを取り出してから、足元に置いていたガラスのグラスを取り出すと刀の先で回し始めた。
高速で動く近接用ブレードに触れながらも、グラスは落ちる事なく回り。
最後はヤガミ工業株式会社カシワギ営業所制作の第三世代型試作IS天山を操る千冬はグラスを割る事なく千回の素振りを成功させた。
「見事な出来だな、ハワードの変態メガネめ・・腕だけは一流だ」
能面みたいな面で表情は見えないが、千冬はこの天山がいたく気にいった。
「織斑先生、こちらでしたか、これが噂の天山ですか・・凄くカッコイいですね」
「ISを着用していながら、生身で刀を振るっている感覚と変わらない、追従性は見事な出来だ。それより例の件はどうなった。」
「例の襲撃事件ですが、逮捕された犯人らは所轄の警察署内で全員自殺したと報告がきています。」
それを聞いた千冬は表情を変えずに刀を収めた。
「全員?まさか心臓マヒか?」
「ほとんどが同日に拘置所内での自殺です・・情報部の調べではほとんどが服毒自殺、リーダー格の男は署員の拳銃を奪い自殺してました。」
その報告は古来から口止めに消されたと分かる。
「警察の中にも、奴らのシンパがいるようだ・・しゃくだが、埋め立て地にいる後藤田のオッサンにコンタクトを取るしかない・・今、警察で信用出来るのはあのオッサンくらいだ」
「更にもう一つ、犯人の装備品を白式君が幾つか持ってきたので、技術部に調べさせました。改造拳銃の弾はすべてNATO軍が採用している正式弾です。しかも拳銃弾は特殊な改造され、発射の反動は通常の9ミリ弾より少なく、目標に命中した時の威力は454カスール弾クラスです。」
「クマも撃ち殺せそうで厄介だな・・」
「更にこのスタンガンはIS回路を麻痺させる特殊な電圧と電波が出るようになっています。これは民間用ではなく、軍用の部品が大半詰まれていました。そして極めつけはジャミング装置です。」
「ジャミング装置?」
山田はビニールの袋に収まっているアメリカのリンゴマークの機械メーカーの音楽再生装置に似た携帯端末機をみせた。
「技術部の検証の結果、有効な展開な範囲は約10メートル、今の所は展開したISの機能を低下させる性能しかありませんが、かなり厄介です」
「おそらくはECMの一種だろう・・ISだって、電子部品だからな・・学園長に改めて報告が必要だ。すぐに学園長に会うぞ・・傷害事件については報告はしていたが、まさかこんなカラクリがあるとは。情報部に更なる調査と警備部には警備強化を一緒に進言しておこう」
ヒュンと天山の形態を解いてか千冬は汗をタオルで拭いた。
「嵐がくるかも知れん」
「嵐ですか?」
「そうだ・・だからこの天山を倉庫から掘り出してきた。生身では一組の連中を守りきれん」
「学園長も今回の事件から、凰鈴音さんを織斑先生のクラスに編入させたんですね」
「そうだ・・山田先生のラファールも学長からの予算がおりしだい改造となる。武装に関しては、学長の押しで自衛隊の技術部から明日にも届く予定だ。」
データの入ったディスプレイを千冬は山田に渡した。
「十式試作電磁式小銃“アリサカ”」
「日本製のレールライフル・・って所だ。威力はラファールのアサルトライフルより高く射程も長い狙撃型。エネルギーもレールライフル内のエネルギーパックを交換タイプだ。一応エネルギーケーブルもあるから、機体のエネルギーを使用しての射撃も可能だ。だが機体のジェネレーターの関係で1発が限度だ。」
「生徒を守るのは大人である私達の仕事ね」
「そうだ・・」
月夜に決意を固めた二人のの影が浮かぶ・・。


ーー次回予告・R指定?いけない課外授業ーー
山田「山田摩耶です~学校では副担任をやっています」
作者「PRビデオですので、ノンビリ緊張せずにして下さい。では最初はまず下着を見せて下さい」
山田「そっ、そんな、恥ずかしいです」
作者「まあまあ、下着だけですから」
やまだ「じゃあ下着だけです」
作者「う~ん、幼い顔に似合わず、巨乳でボンキュウボン見事です。それに白いレースみたいな下着がなかなか~じゃあ、胸のブラを・・」
山田「はっ、はい」
恥ずかしげに摩耶は胸のブラに手をかけた。
だが、まるで斬鉄剣が切り裂くかのように、空間が切れた。
千冬「こらー!!貴様、暇だからって、摩耶に手を出すな!」
作者「ゲッ、張飛」
千冬「貴様、私は三国志の英雄か、この馬鹿者が!」
試作ISの天山を纏った千冬が無法地帯を破って現れた。
山田「織斑先生、これは?」
千冬「これは作者作り上げたの無法地帯だ!」
パサっと、千冬は上着を山田先生に渡した。
しかし黒い上着のスーツが何故か初期のIS学園指定の制服に変わった。
千冬「やはり作者の支配空間か」
作者「さらば明智君~」
千冬「逃げたのようだ。」
山田「えっと、次回は私が言えばいいのかな?次回は来襲です。」
千冬「やれやれだな」
下着姿で山田先生は台本を読んだ。



[29499] 外伝~セシリアと箒の思い~
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/08/31 23:48
ーー短編セシリアの場合ーー
ブルーティアーズの攻撃用のビッドを動かして左右360度からの同時にビームが撃ち込み、缶を穴だらけした。
「次」
今度は標的用の疑似目標を展開させる。
「行きなさい!ビッド達・・そこ!」
何か額に閃きを感じると即座に目標が吹き飛んだ。
「次」
自走式の小型標的機から試験用の赤外線が照射されてくる。
軽々と避けるセシリアは目標をビッドで撃ち抜いた時である。
背後より切りかかる目標に、ビッドを展開しバリアを張りながら、ブレードを引き抜いて目標を撃破した。
「バリアの展開とサーベルを何とか同時に出せるようになりましたわ」
今まではビッドを展開した時には他の装備が使えなかったが、今は近接用のブレードを引き抜けるようになった。
(これも一夏様や白式さんへの対抗心のおかげですわね)
あの日の苦勝利から、更にセシリアは精進を続けた。
夜のトレーニングを増やし、寝る前のイメージトレーニングを毎日続けた。
(私にはメンタルが足りませんわ・・それに体力も)
ルームメイトに“ダイエットに付き合って下さい”と言って更に腹筋や背筋を少し鍛え始めた。
“セシリア、これで痩せるの?”
「少なくとも、寝る前にストレッチならグッスリ眠れて、腹筋や背筋を鍛えたらお腹が引き締まりますわ」
それから、セシリアのルームメイトとセシリアは腹周りが少し引き締まって夜よく眠れている。
(私は必ず、完璧な勝利を目指しますわ)
ーー箒の場合ーー
「もう一度お願いします」
互いに剣道の防具を着用して三年生や二年生を相手に何度も何度も手合わせを続けた。
“何か急に部活に戻って驚いたわ”
“まあ幽霊部員であるよりはマシさ”
箒が部活に積極的に参加するきっかけは、それはセシリアと一夏のクラス代表選びの模擬戦の後である。
一夏を鍛える剣道を放課後にいつもやっていた時である時に、珍しく白式がやってきて手合わせを願い出た。
そして箒は白式との手合わせを始めるが・・全く白式は構えていないにも関わらず、全く隙がない・・そして不思議と勝とうとする欲が見えない。
面の奥で箒はダラダラと汗をかきながら竹刀を構え続けたが、緊張に耐えきれずに箒は飛び出した。
全国大会でも会った事のない強敵に自分の最高の攻撃を食らわせたが、すべての太刀が避けられていく。
そしていつの間にか、箒の首には白式の竹刀が突きつけられていた。
「まっ、参った!」
それを見ていた一夏は驚いた。
「千冬姉の太刀捌きも混じってたけど、あの気迫や動きは凄い」
「まだまだだな、」
「どうして私の動きを予知出来るんだ?」
箒は膝をついて面を脱いだ・・緊張による汗が箒の顔からポタポタと垂れてくる。
「ただ素早いだけの落ち着きのない直線的な攻撃だから、簡単に避けられるんだよ・・それじゃあダメだよ」
「だったらどうしたら?」
面を脱いだ白式は一夏から渡されたタオルの顔を優しく拭く、そうまるで父親や兄が大切な娘や妹を扱うように。
「力に頼るだけでは強くなれないよ。少し周囲とのバリアを破り色んな人に会って話をし続ければ新しい自分に出会える。そしたら君の心はより大きなるよ・・心の大きさがその人間を強くする」
「でも」
「君は可愛い、それに美人だ・・もし君の心がもっと大きいなら、この瞬間にもしかしたら、俺は好きなっていたかも知れない」
「そっ、そんな・・」
優しい・・本当に優しい気持ちのこもった白式の声に心が揺れた。
恋人の言葉のようにも、兄のようにも、そして父親のようにも感じる。
それは昔、いじめられていた箒を助けた一夏のように・・。
(私には一夏が・・そんな言葉をかけられたら・・惚れてしまうじゃないか!!)
真っ赤になった箒が興奮して竹刀で白式の頭を打ちつけた。
「ギャフン・・」
不意の一撃を受けて白式は倒れた。
「うわ~白式、大丈夫か?」
ばたばたと白式に近づく一夏の声に箒は正気に戻った。
「一夏・・もう大丈夫だ、なかなか良い一撃で驚いたよ」
ハハハと白式は笑った。
それからの箒は部活のない日にだけ、一夏との剣道の手合わを行うようになった。
「よし、もっと頑張るぞ」
面をかぶり直した箒は竹刀を握りしめて部員達との稽古を楽しんだ。
ーー後日ーー
「もし、もしもだ私が一夏を好きになって、将来結婚したらどうする?」
「別に変わらんさ、俺は最初から箒さんや一夏の家族であり、束さんの息子だな」
「このバカ」
箒の放つ牙突を喰らって白式は吹き飛んだ。
「ははは、あの時より元気になったみたいで良かったよ」
そう言って壁に突き刺さった白式は笑った。
「今なら、撃てるはずだ。あの岩に向かって剣に力を込めてみるんだ」
先ほどまで笑っていた白式は穴から飛び出すと側にある岩を指差した。
「何か撃てる気がする!白式剣!」
振り下ろした木刀から衝撃波が上がり、地面の雑草を散らしながら目標の岩に小さな跡を残した。
「できた・・私にも会得出来た。」
この日、箒は白式剣を会得したのである。
ーー次回予告ーー
のほほさん「うわ~出番だ~」
エーリッヒ「ボツの世界から召還されました。作者のオリ主またはオリジナルサブキャラのエーリッヒ・フローレンス大尉である」
のほほさん「あれ?あれ大尉さんは銀髪だね?」
エーリッヒ「自分の銀髪は作者の趣味であります。」
のほほさん「確か~大尉さんってへボな作者にかかれたせいで、あちらこちらの世界に行かされたね~」
エーリッヒ「時には、ザフト兵としてクルーゼ隊の隊員としてアスラン達と共に戦いました。」
のほほさん「アスランザラ?ズラ?」
エーリッヒ「ズラではなく、ザラですよお嬢さん。後は神聖ブリタニア帝国の大尉となり、ジェレミア隊長にふりまされたり、特派に左遷されて特派の方々と改造したサザーランドで戦いました。」
のほほさん「エーリッヒも大変だね~へボな作者が感想少ないで、やる気失せたとか言って削除しゃうんだもんね~」
エーリッヒ「自分はまだいいほうです。作者が消しまくった世界では結末が済んでませんので残された人々は大変です。」
のほほさん「へボ作者はもっと私の出番を書くべきだね~」
エーリッヒ「そうですよ、後はモブキャラで自分を脇役にしたりもするんです」
のほほさん「へボ作者はこんな作品を削除すべきです~」
作者「・・・」
(俺って神だよな?何でこんな扱い?くそ間違ってやがる!こうなったら次回はセシリアや箒や束達を全員俺の嫁してハーレムなストーリーをやる!俺が新世界の神だ)
千冬「ほう、随分と煩悩全開だな・・山田先生だけでなく1組全員を巻き込むつもりか?」
作者「うげ!部長!」
千冬「私は大原部長ではない!貴様は反省しろ!」
天山を着込んだ千冬の刃が突き刺さる作者・・。
作者「ばっ、バカ・・だが読者の声がある限りは私は何度も蘇りハーレムエンドの世界を作り上げてやる・・」
千冬「しまった。作者を殺しては話が・・」




[29499] ~クラス内選抜模擬戦~第一試合~千冬対一夏
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/09/02 07:10
ーー1組選抜模擬戦会当日ーー
一夏はある個室に閉じ込められ、遅刻の危機に瀕していた。
「くそ、何でこうなってしまったんだ。」
助けを呼んでも声は届かず、出る事のできない日常と非日常の狭間にある空間に閉じ込められていた。
「誰かー!紙をくれ!トイレットペーパーをくれ!」
目の前のトイレットペーパーホルダーは空・・。
そしてアリーナのはずれにある人影の少ないトイレはまるで一夏を閉じ込める牢屋となり、彼はトイレに閉じ込められた囚人となった。
「ううう、箒や鈴は携帯の電源を切ってるし。千冬姉さんは何か電源入ってるのにかからない。セシリアには頼みづらいし」
(ケツにミソ付きでトイレに出たくないし・・どうしたら?)
試合前に対戦相手を知り驚愕した・・第一試合は試作ISに乗った千冬である。
それを聞いた一夏と白式は千冬対策を考えて対策を施したが、やはり色んな意味で千冬と戦う事に緊張気味の一夏は試合前にトイレに入って用を足した。
だが神の悪戯により紙がなくケツが拭けない状況となっていた。
「神よ!紙くれー!」
その言葉が届いたのか、ひょいといきなり天から神ならぬ紙が空から1ロール綺麗に円を描くように光臨した。
「よう、今のお前にはトイレットペーパーが神に見えるだろう」
「白式!サンキュー」
「やれやれ、お前は色んな意味で糞タレ野郎だよ。全く便所の紙を確認しないでトイレに入るのは、武器を持たずに戦場に行くくらい無謀だぜ・・そこがお前らしい所でもあるがな」
喜んでケツを拭いてトイレに出てきた。
「どうしてここに?」
「緊張したんで顔を洗いにきたら、迷える子羊の声が聞こえたんでね」
「本当にありがとう」
「一夏、これで今日は本気で行けそうだ」
ーーアリーナ控え室ーー
トイレでの遭難未遂事件より一時間後。
最初の模擬戦はクジ引きで決めたのだが、またも神の運命なのか・・。
「第一試合は織斑一夏君対織斑先生です」
「トイレの次は織斑先生かよ!最悪だ・・」
一夏はうなだれるようにグッタリしていた。
「大丈夫だ!今のお前なら、一太刀は浴びせれる実力は一夏なら出来ると思う・・」
いつも自信のある白式だが今日は苦い表情を浮かべながら、言葉を濁していた。
現役を退いてはいるが、まだまだ実力は十分にある・・しかも新しい試作ISの天山は白式が密かにアリーナで天山を調整している所をアリーナの監視カメラをハッキングして得た映像を分析、そしてカタログスペックをコンピューターからカワサキ工業から探し出した。

それを全て分析した限りは、千冬に勝てる気分にはならなかった。
「良い経験だ、強い相手と戦うのも戦いの内さ」
そう言って、白式はビビる一夏を励ましてから、模擬戦前にカロリーバーを食べた。
その言葉にびびり気味の一夏も少し落ち着いた。
「そうだな、相棒のお前といた事を忘れていたよ」
一夏の言葉にいつもの不敵な笑みを白式は浮かべた。
ーーアリーナーー
「織斑・・私を前にビビらずに来たとは、よほどの勇者か、命知らずだ」
「織斑先生、いや千冬姉・・勝負は時の運の勝負だ」
「ふっ、学校では織斑だろうが」
その声と一瞬の構えを見た一夏はつま先を立たせながら雪片二型を即座に引き抜いた。
それは息をする速度よりも速く、一夏に向けて瞬間移動と錯覚させるような踏み込みで千冬は間合いを詰めた。
事前に相手の戦い方を予習してなければ、今の一撃で決まっていた所だった。
素早い一撃を察知していた一夏は雪片で受け流しながら真後ろに飛んで反動を受け流したが、それでもシールドを一撃で2割ほど削られた。
“ちっ、せっかちなお姉さんだぜ”
「くっ、事前に研究していなかったら危ない。」
“次がくる”
受け流しながら避けてから体勢を直したのもつかの間、第二撃が千冬より放たれた。
“またくるぜ”
「うっ」
二撃目でシールドの大半が無くなった。
“もう一撃で天国行きだ”
「どうせやられるなら・・」
スッと雪片の刀の先に力を込めて飛び込んでくる千冬に向けて刀を振るった。
「白式剣」
ヒュンと本気の一撃が千冬に向けられた。
(ほう・・面白い、受け止めてやる)
天山に装備された正宗を構えながら千冬は強力な衝撃波に正面からぶつかった。
「これが一夏と奴の必殺技か・・面白い、だがそれだけだ!!」
千冬の突きは本気の白式剣を軽々と突き破る。
「終わりだ、一夏!?」
視界が晴れた途端に一発の剣撃が千冬に振り下ろされた。
「もらった!」
ガキンと千冬は肩に一夏からの渾身の一撃を浴びた。
「さっきの必殺技は囮とな・・だがまだまだ」
一夏が千冬の素早い突きの運動エネルギーを利用したカウンター攻撃を受けながらも姿勢を崩すことなく一夏に一撃を加えた。
“勝者!織斑千冬”
アリーナに千冬の勝利を宣言した放送が流れた。
「必殺技を編み出し、更にそれを利用して私に一撃を加えたとはな・・面白い、クラス代表戦を楽しみにしている・・胸を張って戦え、お前は私に一撃を打ち込めたんだからな・・」
その場にへたり込んだ一夏に千冬は彼女なりに弟の成長を誉めた。
“レベル99の魔王対レベル20の勇者がイベント戦で戦った気分だ”
変身を解いた白式はポケットのチョコを取り出して食べた。
「負けたな」
「これもイベントバトルみたいなもんさ、勝てるようになれば勝てる。まあ元気だせよ・・今度の週末にマーチラビッドで何か奢ってやるよ」
「そうか・・まあ次の機会までに腕でも鍛えて今度は千冬姉にもう一撃を浴びせれるように頑張るよ」
何か収穫が一夏の中にあったのか、一夏は負けても落ち込む事はなかった。
ーーアリーナ観客席ーー
「一夏、お疲れ凄い試合だったよ。まさか織斑先生に一撃当てれたなんて凄いよ」
「サンキュー」
セシリアから渡されたタオルを一夏は受け取った。
(むむむ、鈴の奴・・)
タッチの差で渡しそびれた箒は少々悔しげにタオルを握りしめていた。
(やれやれ、まただよ・・このままにしていたらマズいな)
「よう、俺の分のタオルを準備してくれたのか、ISの俺に気を使ってくれ、ありがとうな」
苦々しい顔の箒の肩を軽く触れてから持っていたタオルをもらった。
「気にすんな・・」
その言葉に秘めた思いに気づいた箒から苦々しい気持ちが失せた。
「別に白式が気を使わなくてもいいだからね」
「相棒の鈍感すぎ誰かを泣かすのは一応男の立場としては嫌なんでね・・アリーナで応援しているからよ、次の試合は無理しない程度に頑張っていけよ」
「もちろん」
「その勢いだ。」
ハハハといつもの元気な笑みを白式は浮かべた。
(良い笑顔・・ハッ、いかんいかん。私には一夏がいるんだった。)
一夏ほどではないが、箒は良い兄貴である白式に少し好意が芽生えていた。
ーーアリーナ観客席西側ーー
「ハク君~お疲れ」
「ようのほほさん、ハクシ~って呼び方よりはその呼び方の方がいいな、それより観客としてみて、織斑先生はどうだった。」
「まだまだ片手で戦っていた感じ」
「そうだな・・あの天山はまだまだ微調整が完璧ではない、それに織斑先生はまだまだ本気の本の字を少し出した程度で手軽している」
「うん、ハク君も~そう思ったんだ。私もそう思う~」
そう言ってから次の試合の為にチョコを食べてエネルギーを回復させた。
「頑張ってね~みんな応援してるからね~」
「ありがたい、聖母マリアに祈られたみたいに安心するぜ」



[29499] 第2試合と第3試合
Name: ゴゴゴノコウチャ◆f01c759f ID:a0b119ad
Date: 2011/09/03 12:50
ーーアリーナーー
対戦はセシリア対千冬・・先ほどの激闘から一時間ほどの休憩の後に行われた。
「さて、次はオルコットか・・一つ貴様を料理してやる。真っ黒い塊にだがな」
「料理の腕前は織斑先生より、私の方が腕前は上ですわ」
「では、ISの腕前の方も私より上か、教えてもらおう」
天山を展開した千冬がセシリアの操るブルー・ティアーズに迫る。
セシリアは間合いをつめられないように一気に機動力を利用して上空に上がった。
「近距離型の天山に近づかれては厄介?」
ヒュンと距離を取って上空に上がったセシリアだが、奇妙な現象に遭遇した。
スタートダッシュで距離を離したと思ったが、いつの間にか側には千冬の天山にいた。
「天山の鉤縄を最初に使ったの貴様からだな」
「えっー!」
セシリアの脚部にはいつの間にか、見えないワイヤーがくくりつけられていた。
「この天山の機動力と貴様のブルー・ティアーズの高機動があれば上昇するのも容易い。」
すぐにビットのシールドを展開させてから、サーベルを引き抜いた。
(この間合いでは、ライフルが使えない)
例の突入攻撃で間合いを詰めたと同時にDネットと被せ、動きを鈍らせた所で間合いを取ってライフルで仕留める。
「ふっ、オルコット・・貴様の思惑通りにはならん。」
今度はいきなり千冬がセシリアとの間合いを広げたのである。
「さあ、どうする?」
今度はブルー・ティアーズの射程圏内に間合いを広げた。
意表を突く動きにセシリアは一瞬動揺したが、ビームライフルを展開してから、防御陣形のビットを解除した。
防御陣形のままでは精密射撃は出来ない、ビットが反応して射撃を妨害してしまう。
千冬の操る天山に向けて引き金を引いた。
弾は天山に命中する事なく、次々と蜃気楼を撃つようにすり抜けていく。
「当たらない?」
「どうした?これは貴様の優位な距離だ。」
(原理は恐らく、機体を数十回に分けて小刻みに動いた事で、大きく機動動かずに射線を回避しているんですわ・・だから、一定の場所にいながらビームがすり抜けていく。)
防御陣形を外し、ビットを攻撃体制に変化させた。
「では、このブルー・ティアーズの青き嵐を受けなさい」
「ほう・・面白い、貴様の青き嵐とやらを見せてもらおうか」
ビームライフルを構えたセシリアは次々と引き金を引き続けた。
先ほどより、ビームの出力を調整し、遠距離から中距離に間合いを詰めながら、ゆっくりと近づいていく。
「狙撃による精度を止めて、数で攻めたか・・無駄な」
と言い終える前に千冬はかの背後より迫るビームを避けた。
避けたハズのビームを避けながら、辺りを見ました。
ビットの防御性能を利用したか・・ビット表面にビームを反射させて相手の死角への攻撃。
そして、正面からの攻撃と死角からの反射攻撃、更に防御型に混ぜた攻撃型のビットからの攻撃・・。
「イギリス代表候補の名は伊達ではないようだ」
先ほどまでの幽霊回避から積極的な回避行動を取り、当たりそうなビームをはじき出した。
「青き嵐・・発想はいいが、まだまだ」
機動を変えながら旋回した千冬とそれを狙うセシリアだが、いきなり全てのビットが爆発した。
「くっ、どうなってますの?」
謎の被弾に戸惑いながらも機動を安定さたセシリアだがその途端に、天山の閃光がブルー・ティアーズのシールドを切り裂いた。
「勝者、織斑千冬」
「一体何が?」
ーーアリーナ西側観客席ーー
「う~ん、やっぱり世界大会経験者~凄いね~ハク君」
「セシリアの攻撃を全て避けながら、ビットの射線を利用して同士撃ちにさせたんだ。そしてセシリア自身にも撃ち出したビームが命中する角度に周りこんだのだろう」
「やはり~ブリュンヒルデは伊達じゃないね~」
「それでも、セシリアは一夏と俺が戦った時よりも強くなっている。相手があの女性版の江田島学長みたいな織斑先生では相手が悪すぎる。」
「わわわ~ハク~後ろ後ろ」
のほほさんの慌てた様子に振り向くと、試合を終えたばかりの千冬が立っていた。
「ゲッ、部長」
「いつから私は公園前派出所の巡査部長になった!馬鹿者」
スパンと天山のブレードの峰で白式の頭を千冬はどついた。
「ハク君、大丈夫?」
「普通の人間なら死ぬよ普通は・・」
イテテと言いながら頭を抑えた。
「口は災いの元だね~」


ーー1時間後・アリーナーー
「今度は私の出番だ・・相手は・・」
ゆっくりと打鉄を着用した箒の前には、運動用の学園指定のイモジャージを着た男が立っていた。
「よう、今度は俺が相手だ・・一夏でないのが残念だと思うが、かかってこい」
第三試合は箒対白式(人型)
「まさか生身の相手にISを使うなんてね」
「ふっ、生身?俺はこう見えてもISだ。アーマーが無い分・・素早く動ける」
試合開始を知らせるサイレンがなる。
ヒュンと白式は何もない空間から近接用の雪片二型を取り出した。
「遠慮せずに来い!やっぱり美人と戦うのもまた一興だ」
「えーい!」
ヒュンと近接用のブレードを構えると箒は大きく踏み込むと、一気に間合いを詰めながらブレードを白式に向けた。
「良い踏み込みだ。それに刀の攻撃もなかなかだ・・あの時よりも心に余裕がある、あれから部活に参加したようだな」
微笑みながら箒の攻撃を払いのけながら攻撃を避けた。
「この!」
ビシッと箒の攻撃を受け止めた。
「それに踏み込みもいい」
受け止めた白式は笑顔だが、内心は受け止めた瞬間にアリーナの地面に足が少しめり込んだ事に驚いた。
(やるじゃないか・・前にも増して、冴えている・・それに、攻撃が重い・・)
更に横なぎの第二撃を受け止めた白式は数メートル吹き飛んだ。
「箒が成長し過ぎて、ヤバいぜ」
「白式、あなたのおかげで私は心体共に強くなった。あなたへの最大の恩返しはあなたを倒す事。」
「勘弁してくれよ、御礼なら額にキスくらいにしてくれ」
「それは却下」
「やっぱりな・・」
ふっと互いに不敵な笑みを浮かべた。
「次で倒します」
「そうそう簡単にヒーローってのは倒せないぜ」
互いに刀を構えた。
出す技は白式剣・・。
「「白式剣!!」」
爆音が響き、アリーナは爆煙が包み込んだ。
ヨロヨロと煙から立ち上がったのは、ボロボロの指定ジャージ姿の白式であった。
「ケフ、まったくムチャクチャしやがるぜ」
“勝者、白式”
「危なかったぜ、まさか短期間であれだけの威力を会得したのか・・俺もうかうかしてられないぜ」
白式は衝撃でぶっ倒れた箒に手を貸して、立たせた。
「やっぱり、まだまだね」
「そうかな?俺は少なくともヒヤヒヤしたぜ・・少なくともあれは運よく俺に勝利の女神が微笑んだけさ。お前の勇姿を一夏もみていたみたいだぜ」
“お~い箒~凄いじゃないか~”
ISのセンサーを通じて、一夏がアリーナ席から手を振る姿が見えた箒は顔を真っ赤させた。
「ははは、それにしても良い汗をかいたぜ」

ーー次回予告ーー
束博士を待っていたのは、また次回予告のみの出番であった。
・・混沌としたギャグとシリアスをコンクリートミキサーに混ぜた・・ここは無法地帯、次週・・奇襲・・一夏が作る昼のお弁当は美味い。



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