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[29532] 【習作】明と愉快な仲間たち【オリ主、オリ敵、チート、多重クロス】
Name: 白髪伯爵◆6d075871 ID:968f3ec8
Date: 2011/09/03 12:15
前書き 

本作品は、タイトルでも書いたとおり。

オリ主、オリ敵、折りキャラ、チート、多重クロスでお送りいたします。

主人公は、原作知識もある程度あります。変人です。

時々、キャラが崩壊したり、原作とは異なる展開になっちゃったりします。

更新は、亀なりに遅くなると思います。あと、誤字とかもあるかも・・・。

いろいろと、不安要素たっぷりな作者ですが温かい目で見守ってください。

最初は、東方の世界から始まります。


九月三日に、書き直しました。

***************



「どこだここは・・・」

怪しげな雰囲気漂う森の中に。Tシャツ短パン姿の15歳くらいの少年がぽつんとたたづんでいた。

彼は、茶色の髪の毛をかくと。自分がついさっきまでしていた行動を思い出す。

夏休みに入ってすぐ。自分の家の自分の部屋で、この格好で惰眠をむさぼっていた。

そして、突然森特有の土のにおいがした。彼の家の周りには森など無いのに。

驚いて飛び起きるとそこには森の中だった、と。

「うん、わけがわからねぇよ」

少年、東堂 明【トウドウ アキラ】は。自分のみに起こった超常現象に思わずそう呟いてしまう。

「・・・まぁ、あれだ。とりあえず冷静になろう」

まるでなんとも思っていないような、いやむしろこの状況を楽しんでいるかのような表情で明は言う。

(ええっと?森の中で遭難したらどうしたらいいんだっけ・・・あっ!!川を探せばいいのかよし!!)

明は、大きくうなずくと行動を開始した。始まりの第一歩。明の大冒険が始まろうとし・・・。

「おーい。こんなところでなにやってるんだ?妖怪に食われちまうぜーー」

・・・ていたのを、どこからか聞こえてきた少女の声が遮った。

(・・・なんだよ、ちょうど面白くなってきたところなのに・・・)

明はふてくされながら声の聞こえた方に振り返るが、誰もいない。

「あれ?」

「どこを見てるんだぜ?上だよ上」

「上ぇ?」

言われたとうりに上を向く。

「っ!!?」

明は、驚愕して目を見開く。驚愕した理由は二つ。一つは声の主と思われる少女が魔女みたいな格好をして、さらに箒にまたがって“空に浮かんでいた”ということ。

二つ目は、その少女のことを明は“知っている”ということ

「魔りううむ・・・」

思わず、“彼女の名前”を言ってしまいそうになり慌てて口をふさぐ。

「別に驚いてくれても構わないぜ?そういう反応見るの結構好きなんだ」

そう言って少女。霧雨 魔理沙【キリサメ マリサ】は、楽しそうに笑いながら地面に降り立った。

その笑顔はとても眩しく美しかったが、あいにく今の明には笑顔に見とれるほどの余裕は無かった。

(ど、どうなっているんだ?コスプレ・・・だったら空飛ばねぇよ)

明は、パニック状態だった。無理も無い。いきなり見ず知らずの場所に放り出されて、さらにアニメやゲームなどで登場するキャラクターが自分に話しかけてくる。

彼の頭の中では様々な疑問や憶測が飛び交い。最終的に一つの答えが導き出された。

『東堂 明は幻想入りした』

この答えにたどり着いたとき、人は二つの行動をとる。

『発狂する【オソレル】か』、『狂喜乱舞する【ヨロコブ】か』。

明の答えは。

「いやっっっ!!!!たーーーーーーーーー!!!!!!」

『狂喜乱舞する【ヨロコブ】』だった。

「ひぃっ!!」

突然両手を突き上げ喜び始めた明に、魔理沙は驚き飛びのく。

あ、いかんいかん。

「ああ、すまない。驚かせてしまったかな?ついはしゃいでしまって。ところで、あなたのお名前を聞かせてもらっても構わないかな?」

すごくいい笑顔で明が言う。

魔理沙が顔を青ざめて引いている。うん、俺もキモチ悪いと思ってる。

「ああ、ごめん。これは、俺が最初に名乗ったほうがいいよな?俺の名前は東堂 明。見てのとうりの変人だ」

慌てて、表情を戻してさらりと言う。

「ぷっ」

魔理沙が噴出した。心の中でガッツポーズをとる。よっしゃ。

「あははは、本当に変わった奴だな。服装も変わってるし」

「服装?」

あ、そういえば俺Tシャツに短パン姿。・・・幻想入りするんだったらまともな格好をしとけばよかったなぁ。

が、後悔しても後の祭りだ。割り切ろう。

「おっと、私の名前がまだだったぜ。私の名前は魔理沙。霧雨 魔理沙だぜ」

「おう、よろしく魔理沙」

「よろしくだぜ、明」

魔理沙が俺の名を呼ぶ。あ、やばいなんか泣きそうだ。

俺の後ろで何かが動く音がした。

俺は反射的に振り返り。魔理沙は八角形のなにか(なんだっけ?名前忘れた)を取り出し音のした方向に向ける。

「・・・匂いに誘われて妖怪たちが集まってきてる。離れたほうがよさそうだぜ」

俺は、体の匂いをかいで見る。別に汗臭くもなんとも無いぜ?

魔理沙は、箒にまたがると俺のほうを向いて。

「・・・乗りな」

と言った。

やべぇっ!!超かっこいいんですけど!!?

そして俺は、ほいほいと魔理沙後ろに座る。そして、振り落とされないように魔理沙の背中を抱きしめる。

下心は無い、安全のためにやっていることだ。だから、嫉妬の目で見るのをやめてほしい。

ふわりと、足が地面から離れる。やばい、二重の意味でどきどきする。

「ふふ、しっかり掴まってるんだぜ?」

ん?なんか魔理沙の目が怪しく光ったような気がする・・・。いやな予感がする。

「あー、魔理沙?安全飛行でたの・・・」

「飛ばすぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「ちょっ!!てめっ!!話し聞け!!!ぎゃあああああああああああ!!!!!」





**************



主人公の名前と特徴


名前 東堂 明 【トウドウ アキラ】

年齢 15歳

性別 男

性格 面白いこと大好きで、いろんなことに首を突っ込む。お調子者。
   気さく。肩肘張らない。

髪の色 淡い栗色

瞳の色 同じく栗色

特徴 髪質は絹のようにさらさら、猫のようなつり目、童顔。   
   顔はいいけどモテない。女子いわく「黙っていればもてる」
   肝が据わってる、というかめったことでは驚かない。







[29532] 第一話 博麗の巫女と八雲の娘
Name: 白髪伯爵◆6d075871 ID:968f3ec8
Date: 2011/09/03 12:20
チャリーン、という音を。『博麗の巫女(またの名を貧乏巫女)』こと博麗 霊夢【ハクレイ レイム】は、聞き逃さなかった。

来た!!参拝客が来た!!お賽銭キターーーーーーーーー!!

霊夢の行動力はすさまじかった。髪をといて、身だしなみを整えて、おもてなし用の羊羹とお茶を用意してスパーンと障子を開く。

霊夢の目に映ったものは、黒髪に、緑の着物姿の霊夢と同い年くらいの少女が両手を胸の前で合わせたまま固まっていた。

「何だ、翠【ミドリ】か・・・」

「ちょっ!!なにその反応!!酷くない!?」

「さぁーて、羊羹でも食べるか」

「無視された!?」

霊夢の冷たい態度に翠と呼ばれた少女は涙目で怒る。が、無視されてさらに涙目になる。

ふと、翠は霊夢の肩が笑いを堪えるように震えていることに気がついた。翠の目が涙目からジト目になる。

「・・・ひょっとして私のことからかった?」

「ごめんごめん、あなたってからかうと面白いからつい」

「もぉーーやめてよ。からかわれるのは魔理沙だけで十分だよ・・・」

「あはは、よく魔理沙にいじられてるもんね」

「うん、魔理沙には困ったもの・・・・ん?」

「?」

会話の途中、翠は何かに気づき空を見上げる。霊夢もそれに続くように空を見上げる。

青い空の中にぽつんと黒い点ができていた。それがどんどん大きくなってくる。
翠が、黒い点の正体に気がつき声を上げる。

「あっ!あれ魔理沙だ」

「噂をすれば・・・ね」

黒い点が、徐々に人の姿になっていくとなにやら悲鳴のような声が聞こえてきた。

「なんか、やな予感がする・・・」

「そうね・・・」

身の危険を感じた二人はそそくさとその場から離れる。そして数秒後。

「止まれないぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

さっきまで、二人が立っていた場所に魔理沙が激突した。そのとき翠は一瞬だけ彼女の後ろに誰かがいるのに気がついた。

魔理沙と誰かは箒から放り出され、仲良く神社の中へと突っ込んでいった。

その光景を見た霊夢はこめかみを押さえて「またやりやがった・・・」と呟いた。

「わっ、私。魔理沙さんを見てきます!!」

翠は、慌てて神社の中へと入っていった。







SIDE 明


いててて・・・・。あれ?俺生きてる?

ワォッ!!マジでミラクルだぜ!!

・・・いやまて、落ち着けテンションがおかしい。いや、おかしいのはもともとか。

ん?

誰かが近づいてきたぞ。

「あ、いたいた。やっぱり外来人だった。大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」

心配そうに覗き込む黒髪に翠の着物姿の少女。あれ、こいつの顔見覚えがあるぞ?

あっ!?わかった!!『イオン』だアビスの!!

でもなんで、東方の世界にいるんだ?

「えっと・・・。“どちら様”?」

戸惑いながらも聞いてみる。

「え?あっ!!私ですか?私は翠。“八雲” 翠【ヤクモ ミドリ】といいます。あなたは?」

と、少女。翠はそう名乗った。

八雲!?どういう事だ?八雲に翠なんて奴いたっけ?・・・ううむ。

「・・・お、俺は明。東堂 明【トウドウ アキラ】・・・です」

あ、いかん。動揺しすぎて敬語が出ちまった。

「あの、魔理沙さんがどこにいるかわかりますか?」

「・・・ああ、魔理沙ならそこに」

俺が指を指した方向には犬神家のように両足をピンと伸ばした状態で瓦礫に埋もれる魔理沙の姿があった。

・・・ちょっとだけ、ちょっとだけザマァwwwと思ってしまった。魔理沙ファンの皆様ごめんなさい。

「ああ!!魔理沙さん!?大丈夫ですか!?“犬神家”見たいになってますよ」

「!?」

あっ。こいつの正体わかったような気がする。

「う、ぐ、抜けない・・・」

「手を貸すぞ」

「あ、ありがとうございます」

とりあえず、翠と一緒に魔理沙を引っこ抜く。

その後、俺、翠、魔理沙、霊夢で部屋を片付け。一息といたところで互いに自己紹介して、霊夢先生の『幻想郷について』『妖怪について』『弾幕ごっこについて』
『スペルカードについて』の説明をしてもらった。

でも俺、原作知識あるからほとんど意味ないような・・・。でも赤ぶち眼鏡の霊夢さんが見れたからまあいっか!!

あと、なんか短いかもしれないけどべ、べつに書くのがめんどくさかったわけじゃないんだからねっ!!」

「・・・いきなりどうしたのよ」

「すんません。電波受信しちゃいました」

「デンパって何だぜ?」

「髪がぐるぐるになる」

「それ、天パ」

俺のツンデレ発言に霊夢はジト目になり、魔理沙は聞いたことのない言葉に首をかしげ翠の天然ボケを霊夢がつっこむ。

やばい、なんか楽しいのだけど。

「さて、そろそろあんたには外の世界に返ってもらうわよ」

「あ、ごめんちょっと待って」

「?」

「ちょっと翠さんに聞きたいことがあって、すぐに終わるので先に準備しておいてくれませんか?」

・・・ううむ。敬語キモチワルイ。

霊夢は、なぜか疑惑の目で見てくる。

「翠、何かあったら大きな声で叫ぶのよすぐに駆けつけるから」

「ふぇ?」

「いや、なんでだよ!!」












霊夢と魔理沙は、外へと出て行き部屋の中には俺と翠しかいない。

「・・・ええっと、私に聞きたいことって何なんですか?明さん」

頬を赤らめてもじもじする翠。

くっ!!かわいい!!かわいすぎるぞ今畜生!!

悶えてしまいそうになるのを堪え、なんでもないような無表情で俺は単刀直入にこう言った。

「八雲 翠。・・・お前、『転生者』だな?」

「・・・・」

方がびくっと跳ねた。図星か。

「サ、サァ~~。ナンノコトデスカナ?」

必死で誤魔化そうとしてるのは分かるけど視線泳ぎまくりだし汗尋常じゃないしカタコトだし。なんか、見ててかわいそうになってくる。

俺は、ふう、とため息をついて。

「流派東方不敗は?」

「王者の風よ!」

「全身系列?」

「天破侠乱!」

「……見よ」

「東方は赤く燃えているぅ!!」

「うん。完全に転生者だわ」

「はぅっ!!」

すげぇなおい、即答だしのりのりだ。きっと心の中では『公明の罠だぁ!!』と叫んでいるのだろう。

「・・・どこで私が転生者と?」

「『犬神家』」

「あっ・・・」






八雲 翠は、前世では朝倉 ミユ【アサクラ ミユ】という名前の女子高生だったらしい。彼女は、学校の帰り道居眠り運転のトラックにはねられて、気がついたら赤ん坊になっていた。まわりに大人はおらずどうやら捨て子らしいことに気づいた彼女は、必死で泣いた。そして泣いていたら八雲 紫【ヤクモ ユカリ】に拾われ『翠』と名づけられ育てられたという。

「ババアいいところあるなぁ・・・」

「あの、育ての親で命の恩人なんでそういう言い方は止めてくれませんか?」

「あ、ごめん」

これは、素直に反省する。そうだよな、親のこと悪く言われたらやだもんな。

「なぁ、もうひとつ聞きたいことがあるんだけど」

「?なんです」

「“今って何時ごろ”?」

「・・・何時ごろ、といいますと?」

「・・・あれだよ、『紅魔郷』とか『妖々夢』とか」

「ああ!!『異変』のことですね!!」

「しっ!!声がでかい!!」

「・・・あっ、すみません」

怒られて、小さくなる翠。なんだろう、耳と尻尾が見える。

「あの~、ものすごく言いづらいのですけれども」

言葉どうり、翠は言いずらそうにしている。いやな予感がする。

「なんだ?」

一応聞いてみる。

「“今から”『紅魔郷』が始まると思います」

「・・・まじで?」

その瞬間、すさまじい悪寒が俺たちを襲った。

そして外から、霊夢と魔理沙の叫び声が聞こえてきた。

俺と、翠は急いで外に出ると、そこには・・・

「「うわぁ・・・」」

血のように赤い空が広がっていた。




*******************

オリキャラ紹介


八雲 翠【ヤクモ ミドリ】  

性別 女

種族 人間(妖怪に育てられたため普通の人間より丈夫)

外見 肩まで伸びた黒い髪。緑(明るい感じ)の着物を着ている。明は、その外見を見てアビスの『イオン』に似てると勝手に認識する。

性格 天然、静かそうに見えてノリがいい。

能力 『色を操る程度の能力』


生前は、朝倉 ミユという名前の女子高生。天然なのは生前からそう。
好きなキャラは、外見でも書いたようにイオンが好き。
学校の帰りに居眠り運転のトラックに轢かれ赤ん坊に転生する。死にたくないと必死に泣いた結果。八雲 紫に拾われ、育てられる。そのため、紫のことを「母様」と呼ぶ。

能力である『色を操る程度の能力』は、簡単に説明すると「無いものを有るように見せたり、有るものを無いように見せたり」することができる。








[29532] 第二話 赤い館の小さな主
Name: 白髪伯爵◆6d075871 ID:968f3ec8
Date: 2011/09/03 02:07

「「血!?いいえケフィアです!!」」

「どうしたんだぜ!?二人とも!?」

いかんいかん、動揺しすぎて変なこと口走ってしまった。

翠は、顔を真っ赤にして「なんでもないです・・・」と呟く。

「・・・この魔力。人為的に起こしたものね。やってくれるじゃないの」

・・・おおう、なんか霊夢さんいい顔してますよ。

「魔理沙!!翠!!犯人をぶちのめしに行くわよ!!」

「よっしゃあ!!」

「は、はい!!」

「俺は?」

霊夢と魔理沙がジト目で見る。一人は寂しいのだよ・・・。

「・・・別について来てもいいけど死んでも知らないわよ」

「安心してくれ、俺はゴキ○リよりもしぶといからな」

「本当について来るつもりかよ・・・」

魔理沙、さっきも言ったけど一人は寂しいんだよ。

あ、あとゴ○ブリよりしぶといってのは本当だぞ?何度かトラックに轢かれた事があるが全部かすり傷だった。

「・・・はぁ、魔理沙。この死にたがりを箒の後ろに乗せなさい。私と翠で守るから」

「ええ~~・・・ってもう座ってる!?」

「安全飛行で頼むぞ?」

全員空へと浮かび上がる。

「霊夢さんこの霧が出てる場所分かります?」

「湖辺りが怪しいわね」

「根拠はなんだぜ?」

「勘よ」

「「「勘かよ」」」







霊夢の勘を頼りに飛び始めると、早速霧に当てられた妖精たちが襲いかかってきた。

「あれ?」

けど、妖精たちは何も無いところに向かって弾幕を張っている。

霊夢や魔理沙は特に何もしていないように見える。ひょっとして・・・。

「・・・これが翠の?」

「はい、『色を操る程度の能力』です。背景の色を操って私たちの姿はあの妖精には見えません。そして、あの妖精にはあの場所に私たちがいるのが見えています」

「なるほど、わからん」

「どっちだよ」

「まぁ翠のおかげでスペカや妖力の温存ができるわ」

そして、一切弾幕も無くボムも使わずグレイズもせずピチュりもしないで森を抜けようとしている。

なにこれ、イージーを超えたぞ。

「このまま、湖まで行けたりしてな」

「まって」

霊夢が、静止をかける。

「どうしたんだぜ・・・ってうわ!!急に真っ暗になったぞ!!」

「ん~~。声が聞こえるのか~」

魔理沙の言うとうり、自分の鼻の先すら見えない闇が俺たちを包み込み、魔理沙の声に反応してどこからか声が聞こえてきた。女の子の声だ。

「だ、誰ですか?」

翠がびくびくしながら尋ねる。なんか、本当に小動物みてぇだな翠って。

「私~?私はルーミア」

「あ、私は翠って言います」

「なんで、名乗ってんだぜ?」

「いや、私も名乗ったほうがいいかなぁなんて」

「じゃあ俺も敢えて名乗ろう東堂 明だ!!」

「お前まで名乗る必要ないだろ!!」

「あんた達ちょっと黙りなさい!!」

「「「「はい」」」」

「・・・ルーミアあなたは黙らなくていいのよ・・・」

「そ、そーなのか?」

シリアスがつづかねぇな・・・。俺のせいだけど。

「私たちは、湖に行きたいのだけれども、邪魔をしないでもらえるかしら?」

「・・・ひょっとして、『紅魔館【こうまかん】』に行きたいのか~?」

「子馬館?」

「明、今すぐ黙らないとコイツに喰わせるわよ」

「ごめんなさい」

「ルーミア野菜しか食べれないのか~」

「「そうなのか!?」」

新事実発覚!!ルーミアは菜食主義者だった!!

「翠まで・・・。明!!一体翠に何をしたんだぜ!!」

「なんにもしてねぇよ!!」

「・・・というわけで、おそらくこの霧は紅魔館からでているわけなのか~」

「わかったわ、ありがとうルーミア」

「どういたしましてなのか~」

「あれっ!!スルーー!?」











ルーミアの情報提供により紅魔館を目指すことになった。紅魔館は湖の近くにあるらしい。

「霊夢の勘が当たったな」

「博麗の巫女ならこれくらい当然よ」

「無い胸はるなよ」「ゴスッ!!」

「なんか言った?」

「ごめんなさい」

いってぇ、胸の事いったら殴られた。なんで?

「ボソボソ(霊夢さん胸が無いこと気にしてるんですよ)」

「ボソボソ(そうなのか?)」

突然、何の前触れも無く寒くなった。うわっ、湖が凍ってらーーー。

ちなみに俺の格好半そで短パン。うん!!寒い!!

「まさかとは思うけどあなたたち紅魔館に行くつもり?止めときなさい死ぬわよ」

頭上から声が聞こえた、見上げるとそこには氷の羽を生やした幼女、いや、氷精がいた。

あれ?あの氷精眼鏡かけてるぞ。

「メガ⑨だ!!」

「だれがメガ⑨だ!!あたいの名前はチルノだ!!」

翠の絶叫に、メガ・・・じゃなかったチルノは翠をはるかに超える音量で叫んだ。

「ご忠告ありがとうチルノ。でも私たちはこの異変を止めなきゃいけないの。邪魔しないでもらえる」

「別に、邪魔するつもりは無いよ。ただ、忠告しに来ただけあそこはヤバイってね」

「・・・どういうこと?」

「あの霧のせいで湖の妖精たちがみんないかれちゃってね。私の友達も寝込んじゃってそのことで文句言いに言ったんだけど・・・。文字どうり門前払いされちゃったわ」

ふぅ、とため息をつくチルノ。よぉくみたら服とかも埃まみれだし眼鏡もひびが入っている。

「心配はご無用よ。私たちはあなたより強いもの」

「どうかな、あの門番はまだ実力の半分も出してないように見えたけど」

「とにかく、興味深い情報ありがとう感謝するわ」

「・・・あんたたちに幸運があることを願ってるよ」

・・・やだ、このチルノかっこいい・・・。








「・・・・」

さぁやって来ました紅魔館。でかい!!赤い!!怖い!!

「ほぇーー、立派なお屋敷です」

「どう魔理沙?ほかの場所から進入できそう?」

「いや、無理っぽいな。屋敷全体がすっぽりと結界に包まれてる。入れるのはあの門からだけ。・・・にしてもすごいなこの結界。かなりすごい魔法使いがいるぜ」

「・・・あの門番もかなりすげぇぞ」

俺たちは、木の陰に隠れながら紅魔館の全体と門番を見ていた。

門番は濃い緑のチャイナ服にベレー帽をかぶった赤い長髪の女性だ。

彼女の名は紅 美鈴【ホン メイリン】紅魔館の門番で「気」を使いまた格闘術も使えるパワフルガールだ。

彼女は、豪奢な門の隣にある椅子に座り。うつらうつらと舟をこいでいる。

一見、隙だらけに見えるが、普通の人間から見た俺の場合。うかつに近づいたら首が飛ぶことが用意に想像できてしまう。

べつに、びびっている分けではない感じるのだ。

霊夢や魔理沙や翠にすら気づかれないほどの小さな殺気を。

「どうする、このまま正面突破するにしても相手が何人いるのか分からない。運が悪かったらスペカが尽きてお終いだぜ」

霊夢と魔理沙が原作では見たこと無いような真剣な表情で作戦を練っている。

ああ、どうやら前述したことは間違っていたらしい。

“気づいてる”彼女の実力を。三人とも。

ああ、俺の嫌いな空気になった。全員真剣。お調子者の俺としてはこの空気は耐えられない。

よし。いっちょ賭けてみるか。

俺は、木の陰から躍り出ると三人の制止を振り切って門番の前へと向かう。

美鈴は、俺の行動が予想外だったのかうっすらと瞳を開けて俺を見ている。

俺は、腹いっぱいに息を吸い込み・・・・そして。

「紅魔館の主さーーーーーん。あっそびーーーましょーーーー」

ドタドタドタッ!!

俺の、セリフに霊夢、魔理沙、翠、そして門番である美鈴までもが盛大にずっこけた。

そして・・・。

ゴスッ!!

「「「なにやってるんだ(ぜ)!!」(ですか)!!」(のよ!!)」

三人の拳骨もらいました。イテェ・・・。

「いやさ、さすがにフレンドリーな奴は門前払いされないかなぁって思って」

「「「無謀すぎるだろ!!いくらなんでも!!」」」

「でも、門番さんの敵意は消えたじゃん」

「「「!!!!?」」」

三人は、驚愕した。確かに、彼女たちが感じていた殺気は嘘みたいに消えていた。

俺は、美鈴の方へ向き直ると。

「全員で四人ですいいですか?」

と、尋ねた。

「そWそうですねWW遊びに来ていただいた方を帰すわけにもいきませんからWW」

美鈴は、笑いを堪えながらも門を開いてくれた。

門を潜り抜けると。

「紅魔館へようこそお客様方。私(わたくし)メイド長を勤めさせていただいております。十六夜 咲夜【イザヨイ サクヤ】と申します。以後お見知りおきを」

銀髪ミニスカメイドが突然現れた。

突然現れた咲夜というメイドに霊夢と魔理沙は驚いていたが。俺と翠は種を知っているのでさほど驚かなかった。

トリックはいたって簡単。彼女の能力でもある『時を操る程度の能力』を使って時を止めて、俺たちの前まで歩いてきて、そして時を動かす。

俺たちは、時間を止められていることに気がつかないので。突然咲夜が現れたように見えたわけだ。

「紅魔館の主『レミリア』様がお待ちです。さぁ、こちらへ」

咲夜は、あまり驚かなかった俺と翠に対して不信感を抱いているようだが彼女は樫の木でできた重厚な扉を開くと中へといざなった。




赤い。






何が赤いって?何もかもだよ!!まさしく『紅』魔館だ。

「いやーーー、なんていうか。まさしく『紅』魔館だな」

おい、魔理沙。人のネタパクんな。

あっ!?そういえばここの主さんも『スカーレット』って名前だよな。

やっぱり吸血鬼って赤が好きなのね。

「お嬢様は赤がお好きなので」

と、先ほどの魔理沙の発言に咲夜はそう言った。

「あ、あの。こんなに広いとお掃除が大変じゃないですか十六夜さん」

「妖精メイドもおりますし私の能力を使えばすぐに片付きます。後、そんなにかしこまらないでください。お気軽に『咲夜』とお呼びください」

「は、はい」(〃〃・-・〃〃)

ん?翠の奴顔を赤らめてるぞ。そして、魔理沙にからかわれる。おっ、さらに赤くなった。

俺は、翠の反応にふっと微笑をこぼすと不意に咲夜の太ももに視線がいった。

咲夜の太ももには銀色に輝くナイフが何本かホルスター?見たいなものに納まっていた。

「なぁ、咲夜」

気軽に、咲夜と呼んでいいと言っていたので呼び捨てで呼び止める。

「はいなんでしょうか?」

「そのナイフって護身用?」

太ももに収めてあるナイフを指差す。

「え!?あ、ああ。そう、ですわね」

ナイフのことを聞かれるとは思っていなかったのだろかちょっと戸惑っていた。

「あの、もうひとつ聞きたいことがあるのですが」

「な、なんですか?」

「あなたの足すごく綺麗ですね。たまりません」

「~~~~~っ!!!!」(〃〃_〃〃)

ゴスッ!!

また拳骨喰らった・・・。









「れ、レミリア様はここでお待ちです。ど、どうぞ」

俺のセクハラ発言が原因か、咲夜さんの口調がちょっとおかしかった。

けどまぁ、ようやく紅魔館の主様こと『レミリア・スカーレット』にあえるのか。

なんかわくわくしてきた。

ギギィと重苦しい音を立てて扉は開いた。そこにいたのは。

「よく来たわね。人間。歓迎するわ。ようこそ紅魔館へ」

年齢500歳。でもまだぷにぷにの吸血鬼。レミリア・スカーレットが、明らかにサイズがでかい王座の上でふんぞり返っていた。

・・・俺この人になら血吸われてもいいかな。








[29532] 第三話 大図書館の大魔道師
Name: 白髪伯爵◆6d075871 ID:968f3ec8
Date: 2011/09/03 15:43

「ああ、お嬢様・・・。なんと愛くるしいお姿・・・」

「なぁ、本当にこいつがさっきのメイドか?さっきと別人なんだけど」

急に悶え始めたメイド長こと咲夜を指差して魔理沙は冷たく言い放った。

「まぁ、悶える気持ちは分からんでもないな」

「あうぅぅ・・・」

「明は、無視するとして本当に翠はどうしたの?何か変なものでも食べたの?」

うんうんと頷く俺を無視して、霊夢はプルプルと震えている翠に心配そうに尋ねる。

「・・・咲夜。客人の前よ、しゃんとしなさい」

「かしこまりましたお嬢様」

レミリアの一言で痴態をさらしていたメイド長(笑)は、最初に会ったときと同じかそれ以上のメイド長(キリッ)になった。

ふと、レミリアがこちらを・・・。いや、俺を見た。

「・・・っ!!」

おおう、なんか全身からいやな汗が噴出す。それに、“なんか覗かれてる”感じがする。

「なにをするつもり?」

霊夢と魔理沙は明を守るようにしてレミリアの前に出る。

「あら、ごめんなさい。彼の『運命』がちょっと面白かったからつい“覗いてしまったわ”」

「やん♪覗かれちゃった★」

「「そいやぁ!!」」

「へぶぅ!!」

恐怖を誤魔化そうとして両手で胸を隠し片足を上げて「てへっ♪」と舌を出す。

すると帰ってきたのは、霊夢と魔理沙の渾身の回し蹴りだった。

「いてぇ・・・」

「本っっっ当にいい加減にしろよ!!明ぁ!!!お前の辞書には『緊張感』の文字はねぇのかよ!!」

「そんなものは、とうの昔に捨てたわ!!!」

「なにかっこつけてんだ!!」

魔理沙に胸倉をつかまれ絶叫され反論したら殴られた。ひどいぜ・・・。

「自業自得よ」

霊夢!?心読むな!!

すっかり、おいてかれたレミリアは疲れたように立ち上がり。

「・・・咲夜。なんだか私、疲れたわ・・・。少し眠ってくる。ディナーの時間になったら起こしにきて頂戴」

「・・・かしこまりました。あの。彼らはどうしましょう?」

「紅魔館の案内でもしてあげなさい・・・」

「かしこまりました」








「・・・と言う訳ですのでこれから私が紅魔館内を案内させていただきます」

「・・・なんか申し訳ないぜ」

「これも従者の役目ですわ」

咲夜さんは心なしか疲れているようだ。その様子に魔理沙と霊夢は申し訳なさそうにしている。

俺?いつもどうりだけど?

そんで、何もかもが真っ赤な廊下を進み続けると。大きな扉が現れた。

「ここは?」

「『大図書館』でございます」

扉を開けると少しかび臭い匂いが鼻をついた。

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

魔理沙の目がきらきらと輝く。扉の向こうには、魔道書などが大量に詰め込まれた本棚と、乱雑に積み重なれた本の山が広がっていた。

まさしく『大』図書館だ。

「すげぇぇぇぜぇぇぇぇぇ!!見たことの無い魔道書が沢山あるーーーーー」

子供のようにはしゃぐ魔理沙。いやもう本当に子供に見えてしまう。

「・・・ちょっと、勝手に触らないでもらえる?」

「うおぅ!!」

本の山の中から突然現れた、寝巻き姿の少女に俺は思わず飛びのいて驚いてしまう。

「パ、パチュリー様!!どうして本の中に埋もれているのですか!?」

「さっきあの黒い奴の声に驚いて。積み重なってた本を崩しちゃったのよ」

と、服についた埃を払いながらパチュリー。パチュリー・ノーレッジは、魔理沙のほうを見ながら悪態をついた。

あ、よく見たらタンコブできてる。

「・・・まったく。これで二回目よ一回目は外から聞こえてきた大声で・・・ん?」

突然パチュリーが俺のほうを見る。

「な、なにか?」

「・・・あなた」

パチュリーが口を開こうとした瞬間。魔理沙の声が響き渡った。

「あ!!なあなあ!!ひょっとしてここにあるのって全部お前の書いた魔道書?」

「そうだけど・・・・ってちょっと!!乱暴に扱わないでよ!!」

無理やり本棚から魔道書を引き抜こうとしている魔理沙に、パチュリーは慌てて駆け寄ると。

ズポッ。ドテッ。ドサササササッ!!!

魔理沙が魔道書を引っこ抜いた弾みでバランスを崩しパチュリーを巻き込んで転倒。

そして、周りに乱雑に積み重ねられた本の山が崩れて、二人は生き埋めになってしまった。

「パ!!パチュリー様ぁぁぁ!!!?」

「ま、魔理沙さん!!大丈夫ですか!?」

「・・・やるとおもったわ」

咲夜と翠は慌てて二人の救出へと向かう。霊夢は呆れたように呟き。そして俺は。

「あははは、やっぱワンピースはおもしれぇな」

なぜか本棚にあったワンピースを読みふけっていた。







「・・・はぁはぁ。死ぬかと思ったわ」

「お怪我が無くて何よりですパチュリー様」

「魔理沙さん、少し反省してください」

「ご、ごめんなさい」








「・・・明って言ったわねあなた」

ワンピースを30巻くらいまで読んだあたりで。パチュリーが俺に話しかけてきた。

「ああ、そうだけど・・。何かよう?あるんだったら単刀直入に頼む」

ぶっきらぼうに言う。だって、ワンピースの続きが気になるもん。

「じゃあ、単刀直入に言うわ。あなた、“能力に目覚めてる”わよ」

「・・・・ごめんもう一回言って」

「あなたは能力に目覚めてるわよ」

「嘘ぉ!?」

「嘘を言うためにあなたに話しかけたわけじゃないわ」

明は、困惑する。ええ~~マジ?これが、俗に言うプロットって奴?

「一応聞くけどどんな能力なん?」

「それをこれから調べるのよ」

ガチャリとなにやらやばそうな機械をパチュリーは取り出した。ってどこから出しやがったんだそれ!!?てゆうかあんた魔法使いだろ!!なんで機械を使ってるんだ!?

「科学も魔法の一つよ」

にやりとパチュリーは笑う。その笑みはあまりにも不気味だった。

身の危険を感じた俺は急いで図書館から逃げ出そうと走り出す。

「小悪魔!!」

「了解!!」

のだが、颯爽と現れた小悪魔によってあっさり組み伏せられてしまう。

「逃がさないわ」

パチュリーがゆらりゆらりと近づいてくる。ひいぃぃぃ!!!

「れ、霊夢、魔理沙、翠ぃぃぃぃぃ!!!!助けてくれぇぇぇぇ!!!」

「助けは来ないわよ?」

「えっ!?」

「三人にこのことを話したら『どうぞ好きにしてください』って言ってたもの」

「あんの薄情ものぉぉぉぉ!!!!!!」






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