ブラジル・シンドローム
テーマ:気になるトピック自分は知らなかったのだけど、福島原発の状況が「メルトスルー以上」である事を、今朝放送されていた「朝生」で知った。
結論から言うと、メルトスルーの延長で、溶けた燃料が地下まで到達しているらしい。
らしい、というのはあくまで可能性が高い、という話。まぁメルトスルーが分かった時点で、この状況は知識の乏しい自分のような人間にも想定できた事態だが。
で、この事はテレビ朝日の「モーニングバード」で放送されたらしい。(朝生)
高名な京大・小出裕章准教授によって説明されていた。以下、番組説明の概要。
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2号機周辺の地下水から、国の基準の170倍のストロンチウム90(核分裂がなければ生まれない物質)が地下水から検出された、という発表は既にあった。
それについて東電は、
「建屋の爆発の時に空気中に飛び散ったものが土の上に落ちて、中に染みていった」という説明をしたらしい。
しかしそれに対して小出氏は
「建屋の外に出ていったものは、通常は酸性であり、それはなかなか水に溶ける事は無い」らしく、「水に溶ける為にはアルカリ性になる必要があって、そのアルカリ性になる為の一つの経緯として、コンクリートと反応すると、そのアルカリ性になる」という説明をしたそうだ。
東電がまた嘘を付いているという話なんだけど、要するにメルトスルーの延長で、メルト大スルーとなっているという話。 ただ、メルトスルーと言われた時は、このような事態になる事を想像した人が大半だっただろう。小出氏がそれを科学的に説明したという事になる。
その結果、水を掛けようが循環冷却をしようが、「もはや無駄」って事で、一層切なくなる放送内容だったんだけど、「一刻も早く地下ダムを作らなくてはならない(小出氏)」という緊急事態に対して、その地下ダム計画の話は立ち消えた、なんて事が朝生で言われていた。 何でも東電が株主総会を乗り切る事ができなくなるのがその理由らしい。
原発事故当初は東電批判を繰り返していた自分ですが、無限に出てくる東電のホコリのハイペースに付いていけなくなり、関心も薄れていた。そんな中、また同じような汚い対応が明るみになってきた訳だけど、公に晒された事実に対して、政府はどう対処するのだろう?
福島地方は梅雨入りという事で、降雨量増加とともに汚染が加速する。恐らく実際に加速している事だろう。 実際に、地下水と接触して高濃度汚染水は海に流れ出ている事だろう。海水からプルトニウムも確認されたといった話もあるようで(朝生)、この話に間違いはなさそうだ。
原発収束のロードマップがどうの、なんて事を言っているのだが、実際はそれどころではない事が明るみになった。汚染の現状や地下ダム必要性の話が、政府から公的にアナウンスされるにも(今までのように)時間が掛かる事だろう。もはや政府の対応に対して、形容する言葉は見つからない。
ちなみに日本の裏側はブラジル。かの有名な映画のジョークで形容すれば、今回の事態はブラジル・シンドローム、といったところになる。
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