Soccer Journal サッカージャーナル

アジアのレフェリーも悪くない

石井紘人のJOURNAL Referee〜週刊審判批評

石井紘人提供:石井紘人のJOURNAL Referee〜週刊審判批評

元記事はこちら
■2014ブラジルW杯アジア3次予選 日本×北朝鮮 ALBADWAWI主審評



この3次予選は、98年フランスW杯アジア予選以来に厳しい予選ではないだろうか。
いままでのわかりきった“最終予選進出チーム”が決まっているグループではなく、かつ2.5枠あるわけではない。もちろん、北朝鮮もウズベキスタンも、日本が恐れる相手ではないが、楽観視できる相手でもない。北朝鮮のチョン・テセの一発は危険なのは周知されているが、ウズベキスタンも侮れない。なぜならば、「審判と選手は両輪」(丸山義行)。イルマトフやバレンティンという世界最高クラスの主審を輩出している国である。2011アジアカップでベスト4に入ったのはフロックではない。さらに難しいのは、どこも日本には引き分け狙いでくる。結果、日本が3位になってしまう可能性がないとはいえない。
そんな日本にとって大事な試合を吹くのはアリ・アルバドワウィ主審。FBRJの読者の皆様ならば、「悪くないな」と思える主審だろう。

30秒、背中に競った北朝鮮ファウル。1分にも裏から岡崎にチャージした北朝鮮ファウル。2分にも同様に駒野の背中にチャージしたファウルをロールバックしてとる。
アルバトワウィ主審はいつも通り(http://ameblo.jp/ishiihayato/entry-10153267645.html)細かくファウルをとる。また、試合前に長谷部と握手をしながら言葉を交わしていたように、選手とコミュニケーションをとりながらレフェリングしていく。


>>>詳細はこちらから(http://www.fbrj.jp)


アルバドワウィ主審はファウルを貰いにいくようなプレーにも厳しくないし、ボールのプレースする位置にも甘いが、30分を過ぎるとボールと相手に対して裏からいくようなプレー以外のコンタクトの基準が緩くなる。

39分には足が痛む素振りを見せていたGKリ・ミョングとコミュニケーションをとる。前半で交代するのかと思いきや、リは後半もプレーを続けた。これが、アルバドワウィ主審を悩ませる。というのも、リはゴールキックになる度に足を気にしてゴールキックに時間をかける。それこそ遅延行為にも思えるし、フィールドプレーヤーなら外に出るように伝えることはできる。もし、痛んだ素振りのまま交代しないようなら、無視をして試合を続けさせることだってできる。しかし、GKはそうはいかない。倒れているのに無視して試合はできない。とは言え、交代枠は余っているのだから、怪我ならば交代すればいい話でもある。この展開が、北朝鮮側の狙いだったとすると、まさに“マリーシア”である。

そんな難しい状況が生まれていたが、アルバドワウィ主審は妥当なレフェリングをみせる。
42分、ファウルをされたテセがエキサイトすると、しっかりとコミュニケーションをとり、落ち着かせる。55分、セットプレー時に、一度注意を受けたのにもかかわらず、相手を押したリ・グアンチョンに警告。70分のゴール前でのFKの歩測などマネジメントも良い。


>>>リへの警告など詳細はこちらから(http://www.fbrj.jp)


アルバドワウィ主審は難しい試合を妥当に終わらせた。読者の皆様は、彼にどのような採点をつけるだろうか? ということで、今回は採点抜きにしてみました。






〜採点基準〜
5:彼なしに試合はありえなかった
4:普通に試合を終わらせた
3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった
2:試合に影響はなかったかもしれないが、カード・得点に対する微妙なシーンがあった
1:ミスから試合の流れを変えてしまった
0:試合を壊してしまった




石井紘人のJOURNAL Referee〜週刊審判批評

石井紘人のJOURNAL Referee〜週刊審判批評

石井紘人

審判資格を持つジャーナリスト石井氏がレフェリングを斬る

関連ワード:
北朝鮮  コミュニケーション    朝鮮  ウズベキスタン  

石井紘人のJOURNAL Referee〜週刊審判批評 最新記事

» 記事一覧

スポーツトピックス

Soccer Journal ランキング

  1. ■夢の日本代表との対戦が実現8月26日、みちのくダービーを前にした練習中に、仙台MF梁勇基の朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮と表記)代表選出のニュースが入った。梁はブラジルワールドカップアジア3次予選日本代表戦(9月2日・埼玉ス続きを読む

    Jマガ
  2. 2アジアのレフェリーも悪くない

    石井紘人のJOURNAL Referee〜週刊審判批評 - 03日12時50分

    ■2014ブラジルW杯アジア3次予選 日本×北朝鮮 ALBADWAWI主審評この3次予選は、98年フランスW杯アジア予選以来に厳しい予選ではないだろうか。いままでのわかりきった“最終予選進出チーム”が決まっているグループではなく、かつ2.5枠続きを読む

    石井紘人のJOURNAL Referee〜週刊審判批評
  3. ジーコジャパンや岡田ジャパンのように、何度も危険なカウンターを食らってヒヤヒヤするような場面はほとんど無かった。が、終わってみればいつも通りにロスタイムで何とか勝ち点をもぎ取る危ない結果に終わってしまった。続きを読む

    Blog版「蹴閑ガゼッタ」
  4. 4初戦はむずかしい、そのわけは(2)

    『オシムの伝言』公式ブログ - 03日12時45分

     台風が四国に上陸、関東地方も強風圏でしたが、みなさん大丈夫でしたか?初戦はむずかしい。といいますが、アウェイじゃなくホームなのだから、ワールドカップ予選のプレッシャー、というもの。経験値の問題化とも思います。続きを読む

    『オシムの伝言』公式ブログ
  5. 90+4分、長谷部が戻したボールを清武がクロスをゴール前に送ると、マークを外した吉田が高い打点のヘディングでたたき込んだ。場内がドカンと沸騰した。0-0で終了するかと思われたブラジルワールドカップ・アジア3次予選の初戦、日本は5続きを読む

    Soccer Journal 特集ページ
  6. しかし、連日連日心臓に悪い展開ばかりで、ちっとは気楽に見られるような試合が無いとこっちが持たないと、という愚痴を吐いてしまうのも仕方ないよね(笑)。タイ戦で黄金の中盤4人を温存して万全の状態で臨んだ韓国戦は、日本が素晴ら続きを読む

    Blog版「蹴閑ガゼッタ」
  7. 試合 :2014年ブラジルW杯 アジア3次予選 第1戦開催日:2011年9月2日結果 :日本代表勝利スコア:「1−0」得点者:吉田麻也○ 日本代表FW:李忠成MF:香川真司 柏木陽介 岡崎慎司MF:遠藤保仁 長谷部誠DF続きを読む

    FCKSA55
  8. サラテはクラブを追い出されたのか、それとも自ら去っていったのか。ラツィオのスポーツ・ディレクターを務めるイグリ・ターレは記者会見で「サラテは望んでチームを離れた」とコメントしている。しかしサラテはそうは言っていない。続きを読む

    長靴をはいた栗鼠
  9. 9劇的勝利!ワールドカップ・アジア3次予選、全員のチカラで勝点3奪取の巻。

    スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム - 04日08時23分

    麻也のゴールじゃない!みんなのゴールだ!ついにその一歩を刻んだザックJAPANブラジルへの道、2年以上に及ぶ長いアジア予選。3次予選の相手はウズベキスタン、タジキスタン、北朝鮮。このグループで上位2位に入れば最終予選進出が決まる続きを読む

    スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム
  10. 10誠実男・長谷部誠さんのドイツ生活がウソまみれであると明らかになった件。

    スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム - 11日11時24分

    「誠実」の2文字で涙があふれる…「もしハセ」現象!今や日本のホットキーワードでもある「心を整える。」。言わずと知れたサッカー日本代表キャプテン・長谷部誠さんの大ヒット著書であります。その売り上げは65万部を突破。続きを読む

    スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

Soccer Journalをスマホで見よう

スマートフォン版
アプリ版Soccer Journalをダウンロード(無料)

最新記事

参加メディア

サッカー関連ニュース

おすすめ情報