大阪府は26日、公立と私立の学校関係者を集めた会議を開き、高校入試などについてそれぞれの立場から活発な議論が交わされました。

大阪教育会議には、橋下知事のほか府教委の幹部や私学の理事長らが出席しました。
大阪府は今年度から私立高校の授業料無償化の対象を大幅に広げたため、府立高校の半分近くが定員割れとなりました。
府教委は、私立高校が募集人員を大幅に超える合格者を出したことに疑問を投げかけましたが、私立高校の関係者は「定員割れする府立高校は努力不足」と切り返すなど、活発な議論が交わされました。

【大阪府・橋下徹知事】「私学には本当に感謝している。これだけの生徒を奪っていただいて、感謝している。刺激になりました」

橋下知事は、「今後もお互いに真剣な議論を続けていただきたい」と話しています。

原子力発電所から半径20km圏内にある京都府舞鶴市の警察署で26日、原発事故の際に留置している容疑者を別の施設へ移す訓練が行われました。

この訓練は「原子力発電所が被災して放射性物質が漏れ出し、署内で留置されている容疑者を別の施設へ移す想定」で行われました。
逃走しないよう手錠をつないだまま手際よく移送車両に乗せ、車両に放射性物質が付いていないかも計測します。

【舞鶴警察署・棚上達夫副署長】「これまでこうした訓練できていなかった。緊張感持って訓練できた」

東日本大震災では、仙台地検と福島地検が「安全を確保できない」などとして留置中の容疑者などを釈放させたことが社会問題になりました。
署員たちはこれまで想定外と思われていた事態も起こり得ると、気を引き締めていました。

大阪市西淀川区で、７歳の長男に暴行を加え死亡させたとして夫婦が逮捕されました。
夫婦は、児童相談所と何度も連絡を取り合っていて、大阪市は「対応がまずかった」と認めました。

25日午後７時半頃、西淀川区の住宅から「子どもの様子がおかしくなった」と119番通報が入りました。
救急隊員が、小学２年生の藤永翼くん（７）をすぐに病院に運びましたが、翼君は26日未明に死亡。
頭を強く打ったことが死因でした。
翼君の母親らは、「プロレス遊びをしてふざけていた」などと説明。
しかし、翼くんは相当痩せていて、タバコを押し付けられたような痕など傷やアザが複数あったことなどから、警察は実の母親の森田良子容疑者（29）と夫の勝智容疑者（44）を傷害致死の疑いで逮捕しました。

【近所の住民】
「最初泣いていたが、物が落ちたか何かしてから泣かなくなった。しばらくして奥さんが『翼、目開けて』『パパを困らせる気か』と聞こえた」

良子容疑者が、育児ができないとして、生まれた時から児童養護施設に預けられていた翼くん。
ことし３月、夫婦は翼くんを引き取り一緒に生活をはじめました。
そこから、虐待の兆候は多くの人に見られたり聞かれたりしていました。

【近所の住民】
「泣いたら『泣くな！』って怒るんやから。（翼君は）『ごめんなさい』って」

日常的な虐待の疑い。
それは、学校も気付いていました。

【翼くんが通っていた小学校の校長】
「（翼くんは）４月から転校した。本当に人懐っこくて楽しい子ども」

ことし６月、登校した翼君の顔にあざがあるのを確認しました。

【小学校の校長】
「本人は（あざについて）『犬にかまれた』と。（家庭訪問すると）父母が家にいて、犬にかまれたと、子ども同じ話だった」

しかし、そのおよそ１週間後にまた、新しいあざがあるのを見つけ、翼君に学校が聞いたところ、違う答えが返ってきました。

【小学校の校長】
「子供自身に尋ねると、『お父さんに叩かれた』と」

市は、学校からの連絡を受け家庭訪問したところ、夫婦は「手を出すこともある」などと説明しましたが、区役所の相談窓口を紹介しその場は終わりました。
その半月後、良子容疑者から児童相談所に電話がありました。

【市の担当者】
「（良子容疑者が）ちゃんと『ごめんなさい』と言えないことにイライラする。体調も悪いし、いっぱいいっぱいと」

これ以降、夫婦から連絡が来ることはありませんでした。

【市の担当者】
「結果論では最悪のケース。慙愧の念にたえない。危険度の判定は難しいが、今回の場合はまずかったとしか言いようがない」

何度も発信されたＳＯＳ。
しかし、それを受け止めることはできず、翼君は命を落としました。

市は２６日夕方、校長などを集め、緊急の集会を開きました。

【大阪市・平松邦夫市長】
「私の第一印象は、我々がやらねばならないことを、しっかりやってきた『つもり』だった。非常事態と受け止め、全市で大阪のこどもを守ろうと」

調べに対し勝智容疑者は、「私が放り投げて嫁が突き飛ばした」と容疑を認めていますが、良子容疑者は「そんなことはしていません」と否認しています。
警察は、日常的に虐待がなかったかどうか調べを進めています。

大阪府泉南地域のアスベスト被害をめぐり、元労働者らが国を訴えた裁判で、原告側の全面敗訴となった控訴審判決を受け、原告団は２６日、早期の政治決断を求めて枝野官房長官に直訴しました。

【原告弁護団・谷真介弁護士】
「菅首相、聞いてますか。民主党の皆さん、代表選で何を争点に戦っているのか知らないが、被害者をこれ以上発生させないよう対策をとってください」

主が退陣を表明する日の、首相官邸。
原告の逆転敗訴となった判決への抗議と、司法に縛られない「政治の決断」による早期救済を求めて、朝から原告団の悲痛な叫びが響きました。

【原告・南和子さん】
「命の危険を感じる人が多い。一日も早い解決をお願いしたい」

大阪府泉南地域のアスベスト工場で働き、肺がんなどを患った元労働者と周辺住民が、国の責任を訴えた裁判。
大阪高裁は２５日、「厳しすぎる規制は産業の発展を阻害することになりかねない」「国は対策をとってきた」などとして、国の責任を認めた一審判決を取り消し、原告側全面敗訴を言い渡しました。

【２５日亡くなった原田モツさん（８０）の遺族】
「悔しくてならない。今まで母が苦しんだのは何だったのか…」

すでに、原告患者５人が、解決を見ることなくこの世を去っています。
日々病状が悪化していく原告たちの救済には、一刻の猶予もありません。
一夜明けた２６日、原告団は枝野官房長官に会い、アスベスト被害の早期解決のために、判決に縛られることのない「政治の決断」を求めました。

【要望書を手渡す原告】
「判決にかかわらず、被害者の気持ちを分かっていただき救済をお願いします」「私たちの苦しみをどうぞ分かってください」

原告弁護団によると、枝野官房長官は約１５分間、ねぎらいの言葉もかけながら、原告たちの訴えを真剣に聞いていたといいます。
しかし・・・。

【原告弁護団・村松昭夫弁護士】
「（枝野官房長官は）“率直に言って、司法判断がある中で社会政策をどう進めるかは非常に難しい問題がある”と言っていた」

枝野官房長官は、「司法の判断と一致すれば社会的政策を進める力になるが、乖離（かいり）があると難しい。思いは受け止めた。内閣が変わるので次の人に引き継ぐ」と話したといいます。

【原告・佐藤美代子さん】
「枝野さんは本当に分かってくれたと思う。“後の人に引き継ぐ”と言っていたが、後の人が心配。どういう人か・・・。私みたいに、裁判の途中に主人を亡くしたこの悲しみを、他の原告にしてほしくない。私だけで十分です」

原告団は引き続き、早期の救済に向けて「政治の決断」を求めるとともに、週明けにも最高裁に上告する方針です。

アライグマが人を襲う被害が相次ぐ中、エサを入れなくても捕獲できる新しい罠が開発されました。
目をつけたのは、アライグマの習性です。

動物園のアライグマの檻の中に置かれた箱とそれに続くパイプ。
しばらくすると箱に乗っていたアライグマがパイプに頭を突っ込みます。
そして、するすると中に入っていきます。
実はこれ、新しく開発されたアライグマを捕獲する罠の実験です。
実験を行っているのは、兵庫県丹波市にある森林動物研究センターの研究員・阿部豪さんです。
【阿部豪研究員】
「これが入口。ここからアライグマが入っていって、ステップを踏むと、ガチャンとなる」
一旦、中に入ると出口は塞がれます。
エサを入れる必要はありません。
エサが無いのになぜ中に入るのか、着目したのはアライグマの習性です
【阿部豪研究員】
「アライグマは、木の上で繁殖したり生活することが多い動物なので、巣箱型の罠を置いておくと、繁殖をするために入る」
尼崎市では、先月、犬の散歩中の住民がアライグマに襲われる被害が、７件起きています。
市は、エサを入れた罠を設置し、捕獲作戦に乗り出しましたが、これまで捕まえられたのは、子どもを含む３匹のみ。
一体どれだけ繁殖しているのか、そしてまだ逃走中のアライグマがいるのか、市も実態がつかめておらず、対策を急いでいます。
新しく開発された罠は、すで山に仕掛けられ実験が行われています。
この日は、アライグマはかかっていませんでしたが、これまでに７匹を捕まえたということです。
【阿部豪研究員】
「効率的に繁殖期のメスをとれるとか、いままでの箱罠ではできなかったことが補ってできるなら、手のかからない罠なので、普通の捕獲のアシストになれば」
実用化には、まだ形や材質などの改良は必要だということですが、アライグマ退治の救世主となるのでしょうか。

宝塚市の養護老人ホームの介護福祉士が、入所者から預かっていた金、およそ４４２万円を着服していたことが分かりました。

金を着服していたのは、養護老人ホーム福寿荘の５１歳の女性介護福祉士です。
宝塚市によりますと、この介護福祉士は、２００７年から４年の間に、入所者が入院費用の支払いなどのため、施設側に預けていた通帳や現金から、およそ４４２万円を着服していました。
被害にあったのは、７０代から９０代のお年寄り１３人で、お金の管理を自分で行うのが困難な人がほとんどだったといいます。
調査に対し、介護福祉士は、「住宅ローンの返済などに充てた。福祉の現場にいながら、こういういことをして申し訳ない」と話しているということです。
宝塚市は、刑事告発を検討するとともに、再発防止に努めたいとしています。

体の障害に配慮した勤務を打ち切らないでほしいと、バス運転手の男性が会社側を相手に裁判を起こしました。

【男性運転手】
「ある程度の会社の配慮をしてもらえると、通常の人を変わらない程度に仕事ができるので」

２６日、神戸地裁尼崎支部に訴えを起こしたのは、４３歳のバス運転手です。男性は１４年前、腰の手術を受けた後遺症で薬を飲まなければ排便を行うことができなくなりました。
そのため会社側は、男性の体調に配慮して勤務シフトを午後からとし、残業はさせないことを認めていましたが、会社の経営統合でバス事業を移管された阪神バスはことし１月、男性の勤務に対する配慮を打ち切ると通告したのです。

【男性運転手】
「会社をもう辞めろと遠回しに言われているのかと思った。今まで同じようなことは何度か言われていたので」

男性はその後、来年３月までは元の勤務を継続することで阪神バスと和解しましたが、それ以降も同じ条件で働けるよう求めています。

【男性運転手】
「世の中には、他の病気で仕事が困難な人たちもいるので、企業は労働者に配慮した柔軟な考えをもってほしいと思う」

これに対して阪神バスは、「本件は和解済みだと認識している。和解直後に提訴されたことは遺憾である」とコメントしています。

京都市内の病院の看護助手の女が、入院患者の爪をはがしたとして逮捕された事件で、女は上司との人間関係でストレスを感じていたと供述しています。

京都市中京区の毛利病院に勤務する看護助手・佐藤あけみ容疑者（３７）は、入院している女性患者（８０）の左足親指の爪をはがしケガをさせたとして、逮捕されました。
佐藤容疑者は、「他の看護師がいないおむつ交換の時を狙ってやった。私が手で爪をはがしました」と容疑を認めています。
その後の調べで、佐藤容疑者は、おむつ交換などの仕事が上手くできず、病院から指導を受けていたことが分かりました。
佐藤容疑者は、警察の調べに対し「上司との人間関係でストレスを感じていた」と供述しているということです。
また、この病院では、他の３人の患者の爪がはがれていたことも分かっていて、警察が関連を調べています。

大阪市で一斗缶に妻の遺体を詰めて棄てたとして逮捕された男が「遺体を４つの缶にわけて保管し発覚を遅らせるため捨てた」と容疑を全面的に認めたことがわかりました。

大阪市天王寺区の無職・藤森康孝容疑者（５７）は妻の充代さん（５２）の遺体を一斗缶に詰めて公園などに棄てた疑いがもたれています。
一斗缶には長男の庸了さん（２６）の遺体も入れられていて、２人は５年前に死亡したとみられます。
藤森容疑者は当初容疑を否認していましたが、その後、２人の遺体を棄てたことを全面的に認める供述を始めていることがわかりました。
藤森容疑者は調べに対し、「充代さんと庸了さんの遺体を４つの缶にわけて保管していた」と話し、「入院することになり家をあけるため、発覚を恐れて７月下旬に棄てた」と供述しているということです。
警察は藤森容疑者が２人を殺害した疑いもあるとみて調べる方針です。

大阪にあるＪＲ東海の運転指令所で,
集中豪雨を想定した訓練が行われました。

この訓練は、静岡県内での雨量計が規定値を超え、新幹線が運転中止になったという想定で行われ、指令員の他普段は、指令所にいない運転士や駅員などおよそ５０人が参加しました。訓練では、車両の緊急停止や運転の中止さらには急病人が出た車両を優先させるシュミレーションなどが行われました。
【輸送指令長田邉直己さん】「実戦しかできないものをシュミレーターとして指令員の経験を積ませるために、有意義な訓練だったと思います」
今年は局所的な豪雨による運転停止が例年よりも増えており、今回の訓練をいかし今後もゲリラ豪雨や台風に注意をはらいたいということです。

滋賀県甲賀市で公立の幼稚園と保育園を廃止する条例案が可決されたのを受け、２６日、保護者らが議決の執行停止を求める仮処分申請を行いました。

仮処分申請を行ったのは、甲賀市の公立貴生川幼稚園と貴生川保育園の園児や保護者ら２８人です。甲賀市は、財政難などのため公立の幼稚園と保育園を一本化させた民間のこども園を作る計画をしています。保護者らは園児数が４５５人と国内最大規模となることから「規模が大きくなり、園児に目が届かなくなる」と反対していました。しかし、今月１１日条例案が可決されたため保護者らは議決の執行停止を求めて仮処分申請を行いました。保護者らは、９月末から始まる新しい子ども園の入園手続きにどう対応するかも検討していくと話しています。

和歌山県白浜町の海水浴場では砂浜に埋めた宝物を掘り出す催しが２６日から始まりました。

この催しは遭難した熊野水軍が財宝を和歌山県の白良浜に埋めたという言い伝えにちなんで開かれたものです。
砂浜にはケースに入ったお宝が１０００個以上埋められています。
お宝の中には十万円金貨やペアの宿泊券など豪華商品との引換券も数多く含まれています。
水着やＴシャツ姿の観光客がお宝を掘り当てるたびに砂浜のあちらこちらで歓声が上がっていました。
この熊野水軍埋蔵金探しは、今月３０日まで毎日、行われます。

和牛オーナー制度を運営する「安愚楽牧場」が民事再生法の適用を申請したことをうけ、被害に関する無料電話相談が行われています。

電話相談会では兵庫県弁護士会が安愚楽牧場の債権者からの相談を受け付けています。安愚楽牧場は繁殖牛のオーナーを募集し、生まれた子牛を買い取る制度で７万人を超える会員を集めていましたが、原発事故の影響で４３３０億円の負債を抱えて民事再生法の適用を申請しました。弁護士会には「１０００万円以上を投資したが、返金してもらう方法はないか」といった相談が寄せられました。【神戸合同法律事務所・辰巳裕規弁護士】「破たんぎりぎりにお金集めている事例があるのでかなり問題」電話相談は２６日午後３時まで受け付けています。

和歌山県太地町で来月からイルカとクジラの漁が始まるのを前に、反捕鯨団体などの妨害行為に備える臨時交番が設置されました。

太地町臨時交番は町の多目的センターの中に設置され、２５日開所式が行われました。町では去年何者かによってイルカを飼育するいけすの網が切られたほか、反捕鯨団体のメンバーが長期に渡って滞在し漁師たちとトラブルになっていました。それを受け警察は来月１日からイルカとクジラの追い込み漁が始まるのを前にトラブルを未然に防ぐための臨時交番を設置しました。

【和歌山県警・羽山潤一郎参事官】「去年以上に厳しい状況であると認識してこういう態勢を取っていますので。違法行為があれば厳正に対処していく」臨時交番には警察官１０人程度が常駐して警備にあたります。