国際【朝鮮半島ウオッチ】金正日総書記「身体を捧げるハガネの首領外交」のウラ側+(2/3ページ)(2011.9.4 07:00

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【朝鮮半島ウオッチ】
金正日総書記「身体を捧げるハガネの首領外交」のウラ側

2011.9.4 07:00 (2/3ページ)
8月21日、露極東アムール州の水力発電所で、訪問客が名前を記すノートに署名する金正日総書記(中央)。後ろには、事実上の妻とされる金玉(キム・オク)氏らしき女性が寄り添っている。金玉氏は5月の金総書記の訪中にも同行したとみられる。地元の通信社「ポルト・アムール」が配信した(AP)

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8月21日、露極東アムール州の水力発電所で、訪問客が名前を記すノートに署名する金正日総書記(中央)。後ろには、事実上の妻とされる金玉(キム・オク)氏らしき女性が寄り添っている。金玉氏は5月の金総書記の訪中にも同行したとみられる。地元の通信社「ポルト・アムール」が配信した(AP)

 モスクワに長期滞在していた金敬姫氏はロシア側に食糧支援を要請したもようだ。ロシアは8月8日にラブロフ外相が「水害人道支援」として小麦粉5万トンの援助を表明した。

 支援の第1弾は、金総書記が訪露の途についた8月20日に行われた。ロシアが金総書記の顔を立てた形だ。支援の第2弾は、金総書記の訪露外交の成果として9月中に行われる見通しだ。

政権核心層にも広がる不満分子に「首領の指導力」を誇示

 

 5月の訪中で金総書記は約6000キロの行程をこなした。8月末の訪露と帰路の訪中では約7000キロを列車で走破した。ロシアでは極東最大のブレイ水力発電所、中国ではチチハルの酪農施設や大慶の都市計画展示館を訪問し、金総書記のこうした活動の様子は北朝鮮メディアにほとんどリアルタイムで報じられた。

 金総書記の場合、これまで外国の非公式訪問の場合は特に、身辺警護の意味からもメディア露出は行わなかったが、今回は異例の報道ぶりだった。自身だけでなく、夫人の金玉(キム・オク)女史が寄り添う姿、仕事をサポートする様子まで国内メディアに公開した。

 こうしたプロパガンダ(政治宣伝)戦術について分析筋は、「金総書記が外交・経済を管理しているというアピールだろう。国際社会へは対話路線の強調。また体制維持への金総書記の自信の表明、国内不満分子への引き締めなど、2012年の節目を前に、内外に強い指導力を示す必要があるのだろう」と述べる。

 2008年夏の健康不安以後、一定の回復をみせている金総書記の統治は比較的安定しているとみられているが、食糧難、経済難による国内の不満を解消するめどは立っておらず、「首領さまがここまで努力している」姿を人民にみせる必要があるというわけだ。

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8月21日、露極東アムール州の水力発電所で、訪問客が名前を記すノートに署名する金正日総書記(中央)。後ろには、事実上の妻とされる金玉(キム・オク)氏らしき女性が寄り添っている。金玉氏は5月の金総書記の訪中にも同行したとみられる。地元の通信社「ポルト・アムール」が配信した(AP)
8月24日、ロシア東シベリア・ウランウデ郊外の軍施設で、談笑するメドベージェフ大統領(右から2人目)と北朝鮮の金正日総書記(左端)(ロイター)
東シベリア・ウランウデ郊外で8月24日、北朝鮮の金正日総書記(左手前)との首脳会談に臨むメドベージェフ大統領(右手前)=AP
8月24日、ロシア東シベリア・ウランウデ郊外の軍施設で、メドベージェフ大統領(手前右)に別れのあいさつをする北朝鮮の金正日総書記(AP)
露朝首脳会談に臨む北朝鮮の金正日総書記(左)とロシアのメドベージェフ大統領8月24日、ロシア東シベリア・ウランウデ郊外(AP)

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