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2011年07月27日

5700万Bq/m2(1500Ci/km2)の大地〜大熊町

【更新】大熊町内の土壌汚染調査結果のお知らせ 2011.6.30
 5月25日に、東北大学大学院理学研究科 小池武志先生、東北大学サイクロトロン ラジオアイソトープセンター 島田健司先生のご協力をいただいて、大熊町町内11か所の土壌を採取し、サンプルを東北大学、並びに金沢大学に送り、分析をお願いしました。

【更新】
 土壌調査結果について、表記もれや一部誤解を招くような不適切な表現があり、訂正しました。今後、このようなことのないよう注意していきますので、ブログ内容向上のため、皆さまのお声をいただきますようお願いします。

 分析結果について6月24日、大熊町役場 会津若松出張所にて東北大学大学院理学研究科 小池武志先生、金沢大学 山本政儀先生より報告を受けましたので、皆さまにお知らせします。

 土壌採取地点は、以下の11か所です。

(1) 大野幼稚園駐車場(野上字諏訪 地内)
(2) 高田公園前畑(大川原字西平 地内)
(3) 大野児童館園庭(下野上字清水 地内)
(4) 役場前児童公園(下野上字大野 地内)
(5) 総合スポーツセンターグランド(夫沢字中央台 地内)
(6) 夫沢字長者原 地内
(7) 夫沢字北台 地内
(8) 夫沢字東台 地内
(9) 小入野字東平 地内
(10) 緑ヶ丘グランド(熊川字緑ヶ丘 地内)
(11) 小良浜集会所前(小良浜字高平 地内)

土壌測定結果


地点名空間線量
(μSv/h)
土壌中の放射性核種
(kBq/u)
プルトニウム
239・240
(Bq/u)
地表面地上1mヨウ素
131
セシウム
134
セシウム
137
セシウム
136
(1)諏訪22.016.843160018037未検査
(2)西平12.69.0326237113未検査
(3)清水38.022.07821852520110.19
(4)大野60.042.010044634807240.26
(5)中央台90.070.013954945945291.24
(6)長者原19.014.01002092238995.91
(7)北台140.0100.0197459049402211.10
(8)東台130.0100.012429063268132.77
(9)東平180.0140.065327772300141515.02
(10)緑ヶ丘100.080.0171510157422411.00
(11)高平40.030.031915105147.98

 μSv/h…マイクロシーベルト/毎時
 Bq…ベクレル kBq…キロベクレル(1kBq=1000Bq)
 プルトニウム…太平洋側水田中の蓄積量 30〜50Bq/u
山本先生のコメント
(1)  プルトニウムについては、ごく微量であり、大きな問題ではない。
(2)  セシウムについては、西平を除き150万ベクレル/u以上で、年間20ミリシーベルトを超えており、計算上30年たっても半分の線量が残る可能性があり、セシウム137を取り除かない限り、すぐには戻れないレベルの数値であった。
(3)  課題は、いかに土壌表面5cm以内にあるセシウムを減らしていくかである。表土を入れ替えしたり、天地返し(1m)をしたりなどの方法がある。
(山本先生は、チュルノブイリ、セミパラチンスク、JCO事故などの調査研究を行っている、プルトニウム分析、環境放射線の第一人者です。)

 以上の報告を受けて、町としましては、今後の経過を注視するとともに、これを復興の基礎データとして使用し、国・県をはじめとしてあらゆる支援を受け、復興のための手段を講じてまいります。

 町民の皆さんと、一刻も早く大熊町に帰れるよう頑張りますので、町民の皆さまのご支援をよろしくお願いします


 このデータには驚きました。まず、セシウムのみの合計を出します。
2011072713.jpg

そして、Googleマップにマッピング
大熊町線量測定結果
2011072715.jpg

発表数値がBq/m2であるのは、非常にすばらしいと思います。(公式発表が、世界標準なのは大熊町だけではないでしょうか)
しかも、これはヨウ素を考慮していません。事故当初は、行ったどれだけの線量だったのか・・私には想像すらつきません・・・

5700万ベクレル/m2 = 約 1,500Ci/km2

チェルノブイリで、有無をいわさずの強制避難エリア(猶予数日のみ)は、

40Ci/km2以上 = 148万Bq/m2

この約40倍もの濃度が検出されています。
プルトニウムもとんでもない濃度が検出されています。

ここに人が住めるようになる日が来るのでしょうか?

追記(2011.7.28)
チェルノブイリとの比較
2011072716.jpg

チェルノブイリと福島の汚染の比較 から
資料にある地図中で、もっとも放射性物質濃度が高い赤い部分は、セシウムの濃度が300万(3,000,000)ベクレル/m2を超えるエリア。安全委員会によれば、「チェルノブイリは、半径30kmで、148万(1,480,000)〜370万(3,700,000)ベクレル/m2がもっとも高いレンジだった」ので、今回の資料が正しければ、軽くチェルノブイリを超えていることになる。

チェルノブイリの汚染を旧単位に直しますと、
40Ci/km2〜100Ci/km2
となります。今回の大熊町の汚染は、チェルノブイリ最汚染地帯の15倍という(しかも事故2ヶ月後−ヨウ素131がほとんどなくなっている状態)状況です。・・桁が一つ違っています。

チェルノブイリは、Cs137のみとのこと(Cs 134はほとんどないらしい)
そうしますと、
Cs 137 = 3000万Bq/m2 = 810Ci/km2

チェルノブイリと比較すると8倍ですか・・・

■関連ブログ
「状況は本当に本当に深刻だ」-チェルノブイリ経験の生物学者2011.7.26
セシウム牛は要全面マスク域で飼育中だった・・2011.7.13
チェルノブイリでは強制移住2011.5.25
タグ:P
posted by いんちょう at 20:21 | Comment(1) | 原子力
この記事へのコメント
いつも貴重な情報有難うございます。 さて、汚染地区の土壌/空間線量データばかりとりあげられているので、通常の状態がどういう状態か分からず心配ばかり先行してしまいます。先生のお住いの地域については、関東以北よりはずっと通常の状態に近い所であろうとは拝察致します。線量計ではどのくらいの値を示すのでしょうか(モニタリングポストのデータはweb siteでも拾えますが、住居地周辺の公園や排水溝などいろいろな地点での計測があると非常に参考になります)? 関東の住民ではありますが、何を基準に判断するにも、判断基準の参考になりそうなデータがありません(危ないばかりのデータでは...)。
Posted by ななしのごんべぇ at 2011年07月28日 16:10
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