有害なウイルスや菌を殺す効果のあるフィルムを、住友化学が年内に発売する。明かりに反応する「光触媒」を活用したフィルムで、壁や手すり、エレベーターのボタンなどに貼る。新型インフルエンザや手足口病などの感染症に神経をとがらせる病院や学校での利用を見込んでいる。
光触媒は、光に反応してたんぱく質などの有機物を分解したり、汚れを付きにくくしたりする性質がある。従来は太陽光の紫外線に反応するタイプが主流で、用途は外壁やガラスの汚れ対策が中心だった。
住友化学は光触媒の殺菌力に着目。蛍光灯やLED(発光ダイオード)照明でも高い反応を示す光触媒の開発に世界で初めて成功し、室内で使えるめどをつけた。