西日本新聞

「老後の備え失った」 安愚楽牧場の出資者怒り 鹿児島で説明会

2011年9月4日 00:06 カテゴリー:社会 九州 > 鹿児島

 和牛オーナー制度の行き詰まりで破綻した畜産会社「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)の出資者向け説明会が3日、鹿児島県弁護士会が主催して鹿児島市であった。約8600万円を出資したという市内の40代の女性は「夫に内緒で投資した。老後の備えを全て失った」と困り果てていた。

 安愚楽牧場はオーナーが出資し、黒毛和牛の繁殖牛を直営牧場や預託農家で飼育、子牛を買い取る方式で運営。オーナーは配当金を受け取る仕組みだった。しかし、福島第1原発事故に伴う契約解除や、牛肉から放射性セシウムが検出され和牛の価格が下落したことなどで経営が悪化。同社は8月9日、民事再生法適用を申請した。

 東京商工リサーチによると負債総額は約4330億円。出資者は約7万3千人。九州・沖縄は3972人で投資額平均544万円。うち1千万円以上が609人、1億円以上も1人いるという。

 女性は結婚間もない1991年、雑誌で安愚楽牧場の「年1割」の高利配当を知り、夫に相談しないまま50万円で投資を始めた。配当の遅れはなく、会報で「順調」と報告されることにも安心。約8600万円まで追加出資したが今年8月、突然の破綻通知を受けた。女性は「心臓が止まりそうだった。私たちも原発事故の被害者。国は支援してほしい」と訴える。

 説明会では弁護士が「返還は最大で出資の2割」と見通しを述べた。約40人の出資者からはため息とともに「経営者の刑事責任を」と怒りの声も上がった。鹿児島県弁護士会は近く、被害者救済の弁護団を結成する。

=2011/09/04付 西日本新聞朝刊=

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