野田佳彦首相は2日夕、皇居での親任式と認証式を経て、就任記者会見を開いた。会見冒頭の主な発言は以下の通り。
【冒頭発言・政権の課題】
「東日本大震災で尊い命を失われた犠牲者の皆さまに心からご冥福を申し上げる。今なお避難を余儀なくされている被災者の皆さまに心からお見舞いを申し上げる。震災からの復旧・復興は、菅内閣に引き続き最優先の課題だ。作業を加速化させていくことが最大の使命だ」
「福島第1原子力発電所事故の1日も早い収束に最優先で取り組まないといけない。炉の安全を確実に実現していくこと、周辺地域における放射性物質の除染が大きな課題」
「もう一つ大事なことは、世界経済におけるさまざまな危機における対応だ。産業空洞化の回避、エネルギー制約の中での経済の立て直し、震災前からの危機、財政の危機にしっかり対応し、国家の信用危機に陥ることのないよう対応策を講じていく」
【円高・電力供給問題】
「歴史的な円高で空前の産業空洞化の危機を感じざるをえない。国内的に円高対策は待ったなしの状況だ」
「円高は、震災から立ち直ろうとしている日本経済に実態からも金融面からも悪影響が出つつある一方、メリットもある。円高メリットを活用する対策も引き続き検討していきたい」
「電力は経済の血液、国民生活の基盤だ。短期の需給不安を払拭しつつ、中長期的な電力・エネルギー計画を見直しすることに取り組む。当面は、安全性を確保し地元の理解を前提に原発を再稼働し、既定方針に従い体制づくりをしっかり行いたい」
【財政健全化】
「財政健全化は待ったなしの状況だ。ただし、私は決して財政原理主義者ではない。現実主義の対応をしたい」
「成長無くして財政再建なし、財政再建なくして成長なしだ。バランスを取るやり方はこれからもしっかりと堅持していく。社会保障と税の一体改革の成案は具体的に実行すべく与党内での議論を進め、野党との協議を丁寧に進めたい」
【外交・日米関係】
「安全保障の軸になるのは日米関係で、深化発展を遂げていかないといけない。中国とは戦略的な互恵関係を発展させていくことが基本的な姿勢だ。日韓、日ロ、近隣諸国とも、良好な関係を築くべく全力を尽くす」
「経済外交については、より高いレベルの経済連携、資源外交などの多角的な経済外交にも積極的に取り組みたい」
「財政が安定し、政治が信頼されひとつひとつ課題を乗り越えた時、ようやく外交力の源泉が生まれてくる。めまぐるしく動く国際情勢の中で一国財政主義、一国経済主義に陥ってはならない」
〔日経QUICKニュース〕
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