あなたの言葉が
些細な行動が
優しい笑顔が
大好きな声が
リョーマへこの気持ちが。
私の頭中を駆け巡る。
今日1日にあったリョーマとの出来事全て。
…今夜は眠れそうもない。
夜も眠れない程に君が好き*** 〜 名前お題:えちぜんりょーま 〜
「リョーマ!本の発注、この中から選ぶんだって。どれにする?」
図書委員会のとリョーマは図書準備室で新作本の発注を任された。
もちろんリョーマはやる気なさそう。
…私はこういうのワクワクするんだけど。
「…俺は」
リョーマは机の上にもたれていた身体を起こしの隣りの椅子に移動した。
肘を突き、大きな瞳にを映す。
「が好き」
「えっ…!?」
「…な本でいいよ」
「!」
そう、わざとそうゆう事を言う奴だ。
が顔を赤くさせたことにリョーマはニヤっと笑っていた。
「…ほら、好きな本選んじゃいなよ。」
の作業が中断したのはリョーマが発した一言のせいだ。
それを解っているくせに、何も悪びれもしないリョーマ。
悔しさからはムスっとした表情を浮かべてしまう。
「、拗ねてんの?」
「…拗ねてない。」
顔の表情は変わることのないまま答える。
リョーマは伸ばした両手で横からを抱き締めた。
「…、好きだよ」
殺し文句。
そんな台詞を抱き締めて囁く…なんて、卑怯なんだろう。
そう思っていても顔は赤く反応していった。
「ねぇ…その表情、卑怯なんだけど」
「どっちが!」
リョーマは私がどれ程好きかなんてきっと解っていない。
今日は思い出して眠れないんだろうな。
「発注完了!」
「帰ろう」
「そうだね」
図書準備室を後にしていつもの方向へ帰っていく。
一人で帰るときとは早く家に着きたいと思っても
リョーマと居ると家に着かなければいいのに、なんて思うと早く家に着いてしまう。
…名残惜しい。
「リョーマ、また明日、ね」
「うん、じゃ」
はゆっくりではあるが門の扉を開けようと手を伸ばした。
リョーマに後ろを向けた背中…いきなり強く抱き着かれた。
「リョーマ?」
何度も力加減を変えながら抱き締めるリョーマ。
私の気持ちに気付いていたから…?
それとも自惚れかも知れないけど、リョーマも同じ気持ちだった…?
「、また明日」
ちゅっとの頭にキスをするとリョーマは帰っていった。
すぐ後ろを振り返ってそんなリョーマを目で追った。
それからお風呂を出ても
夜になっても
頭にあるのはリョーマのことばかり。
ベットに座りながらカーテンを開けた。
そこには綺麗な星がいくつも輝いて光を放っていた。
リョーマにも見せてあげたいな。
…時刻は夜中の3時を越え始めていた。
あなたの言葉が
些細な行動が
優しい笑顔が
大好きな声が
リョーマへこの気持ちが。
私の頭中を駆け巡る。
今日1日にあったリョーマとの出来事全て。
…今夜は眠れそうもない。
結局眠ることができず、朝を迎えてしまった。
身体のダルさを感じながら学校へ向う。
「、4限目寝てたでしょ?」
友達に奈緒には居眠りがバレてしまったみたいだ。
「うん、ちょっと今日寝不足で」
「そうなの?次は地獄の5限目だし気をつけなよー」
居眠りを誘う5限目。
これに勝てるのはどうにも難しい。
「越前はどうした?」
「保健室です」
「越前は保健室…っと」
5限目の先生は出席表にリョーマの名前を書いていた。
リョーマ体調悪いのかな?なんてことを考えながら放課になったら行ってみようと思う。
なんとか地獄の5限目と戦い、はリョーマの居る保健室に向かった。
個室になってるカーテンを開けると綺麗な顔で眠る、リョーマの姿。
自然と顔が緩み、椅子に座って見ていた。
「んんー……」
「リョーマ起きた?」
「…ん。もう授業終わった?」
リョーマはまだ眠いと言わんばかりに目を擦っている。
「もうすぐ6限始まっちゃうよ?」
「…うん」
「リョーマもしかして体調悪いの?」
「違う。…昨日寝れなかったんだよね」
「何で?」
そう問い掛けるとリョーマが少しを睨んだ。
「のせい、なんだけど」
「私のせい?」
「…のこと考えてたら寝れなくなった」
「うそ?」
「ほんと。…携帯、見てない?」
「携帯?」
今日はまだ携帯を開いてなかった、と思い出す。
リョーマに言われ携帯を開いた。
そこにはリョーマからの一通のメール…
Date 03/28 03:22
From リョーマ
Subct
―――――――――――
麻衣子、寝てる?
空の星、綺麗だよ。
・・・麻衣子にも見せたい。
夜中の3時.....
も起きていた時間、そうメールが来ていた。
「…だから、眠すぎ」
リョーマはポツリと言うと布団を肩まで掛けた。
リョーマ、私も同じだよ?
リョーマのこと考えて眠れなかったんだから。
…私たち、同じ星を見ていたんだね。
嬉しくて顔には勝手に笑みが現れた。
リョーマはそんな私を不思議そうに見つめる。
「なに、ニヤニヤしてんの」
「…だって私も」
「なに?」
「リョーマと同じ、眠れなかったの」
リョーマは一瞬驚いた顔をしたけどすぐ、愛しそうに笑った。
「…じゃ、俺が責任取らないとね」
「え?」
「も俺の責任、取ってよ」
肩までかぶった布団を巻くった。
「…、おいで」
ベットからリョーマはに微笑み手招きをしている。
心臓の弾みに気付いていても誘われるがままベットへと入る。
「リョーマもちゃんと責任、取ってよね」
恥じらいを隠すようにリョーマの首へと抱きついた。
リョーマは私の身体を抱き止め、強く抱き締め返す。
「…任せて」
柔らかい声が耳元で囁いた。
暖かくて心が落ち着く。
リョーマの体温が私の眠気を誘い、責任を取ってくれるみたいだ。
6限目
二人でほぼ同時に眠りにつく。
きっと今日も、リョーマを思い出して眠れないかもね。
また
同じ空の下
今日も同じ星を見るのかな。
私たちは今、眠れない程の恋をしている。
Fin***
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あとがき***
名前お題 え ち ぜ ん り ょ ー ま の 『ょ』でした。
リョーマと一緒にお昼寝したい.....はい、もろ私情です。