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流出したウィキリークスの未編集情報

天木直人のブログ
 告発者から寄せられた情報をそのまま無制限に垂れ流せば、様々な弊害が生じ、ウィキリークス自体の存在も否定されて、折角の告発情報サイトが潰されてしまうからだ。

 ところがその流出が起きてしまった。

 ウィキリークス側が発表したところによれば、英紙ガーディアンが今年2月に出版したアサンジュ代表の内幕本の中で、米外交公電を保存したファイルの暗号を解除するためのパスワードを記してしまったという。

 それがウィキリークスを窮地に陥れる悪意によるものか単なる不注意かはわからない。

 それを知ったウィキリークスは騒ぎが大きくなるのを恐れて事実をふせてきたが、ドイツなどのメディアが相次いで流出を報じたため、隠し切れずに発表に踏み切ったと言う。

 これが米国政府との関係で大問題になるおそれがある。

 ただでさえ警戒している米国政府だ。未編集の告発情報すべてが実名入りで世界に公表されることになると人権問題となると騒ぎ出す。

 ウィキリークスの違法責任につながる。

 だからウィキリークスと英国ガーディアン紙との間で責任の押し付け合いがはじまっている。

 すなわちアサンジュ代表はガーディアンと交わした協定に反する行為だとして法的措置を検討すると同時に8月下旬に米国務省の法律顧問に釈明したという。

 一方のガーディアン紙は、声明を出し、パスワードはすぐに使えなくなると聞かされていた、本が出版された後の7ヶ月間でウィキリークスはファイルを削除することはできた、などとウィキリークスの責任を問うている。

 このニュースを読んだ私の感想は次の3点だ。

 1.ウィキリークスやガーディアンには申し訳ないが流出した未編集情報
なるものは是非とも知りたい。流出した未編集情報なるものは誰かの手で公開してもらいた。特に日本発の米外交公電は国民に知らせたい。

 2.もっともこの流出によってウィキリークスが閉鎖されるようなことになれば大きな損失だ。米国政府の圧力には要注意だ。

 3.そして朝日新聞だ。私はウィキリークスから日本関連部分を独占入手してきた朝日新聞の国民に対する説明責任を問うてきた。ウィキリークスと朝日がどのような協定を結んでいるかは知らないが、もし未編集情報のすべてが公開されるようなことになると、朝日新聞の正体がわかる。何を隠して、何を公表してきたのか。それを仔細に比べることによって朝日新聞が外務省にどのように配慮したか、国民の知る権利をどこまで放棄したか、それがわかる。

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