野田新内閣
2011年09月02日18時29分
石破 茂 です。
野田佳彦氏が衆参両院において首班指名を受け、新内閣発足となりました。
民主党代表選はかなり意外な展開となりましたが、流石に小鳩体制ではもはや民主党も、自分自身の選挙も危ないという危機感が多くの民主党議員に働いたのかもしれません。そこには「国家をどうするのか」という動機はほとんどなかったように思われます。
あまり批判ばかりしたくはないのですが、投票前に行なわれた五人の候補の政権演説を聞いていて、強烈な違和感を覚えました。1人15分というかなり長い時間が与えられていたにもかかわらず、ほとんどの候補者が「私が政治家を志した理由」「私の生き様」「私の尊敬する人」といった中学生の弁論大会のような話に終始し、政策的な所見、就中、外交・安全保障、憲法について語る者も、なぜ民主党政権が2代にわたって失態を繰り返し、国民の信頼を失ったかについて分析する者も、民主党において未だに制定されていない党綱領の必要性に触れた者も居らず、最後は決まって「政権交代の原点に立ち返り、挙党一致を目指す」と締め括っていたのを聞いて、やはりこの党は駄目だ、との感を強く致しました。
民主党の若い議員たちにはあのような話が受けるのだそうで、新聞で報道されていた「野田氏の話を聞いてジーンときた。思わず一票入れそうになった」との小鳩派海江田支持議員のコメントを読んで、本当にこの人たちは国会議員なのか、怒りにも似た思いがしたことでした。
野田新総理とは同い年でもあるのですが、今までほとんど接点がなく、論評するだけの知識を持っておりません。
信条的には明らかに保守の系譜に属する人であり、今まで本人が書かれたものを読む限り、価値観をかなり共有しているようにも思われますが、輿石氏を幹事長に起用した人事などを見る限り民主党の融和が優先順位の第一であるようで、相当に疑問なしとしません。
前原新政調会長は長い友人でもあり、個人的に信頼も致しておりますが、右から左まで極端に幅広いあの民主党をどう纏めていくのか、注目しています。外国人からの献金問題や八ツ場ダム・JAL・尖閣漁船衝突事件などの際の対応など、幾多の批判に正面から答えた上で、いい仕事をして貰いたいものです。
昨日民主党新執行部との初顔合わせがあり、三党合意を順守する旨の申し出がありましたが、代表選挙の際には「新体制になればこれを白紙に戻すこともあり得る」などと発言した海江田氏を支持していた人も新執行部には多く居り、言葉だけではとても信用できません。
民主党内で合意内容をきちんと説明した上で、順守するという正式の意思決定をして貰わなくては、新総理と谷垣総裁との会談を行っても全く意味がありませんので、その旨申し上げて持ち帰っていただきました。
悪夢のようであった菅内閣がやっと終わりました。
菅内閣の方が自民党にとっては選挙がやりやすかったのに、との声も一部にありますが、国益、というより国家の存亡を考えれば、市民運動家出身(そのこと自体が悪いわけではありませんが)である菅総理を何としても一刻も早く退陣に追い込むことが必要でした。
菅内閣の間、お寄せいただくコメントの中には最後まで「管内閣」「管総理」とされていた方が多くいらっしゃいましたが、正しくは勿論「菅内閣」「菅総理」です。最後まで名前の表記も正確に覚えて貰えなかった菅さんが少し可哀そうに思えたりもしますが、まあこれも自業自得というものでしょう。
菅内閣が継続した場合に比べて、解散が遠のいたことは確かに否定できません。鳩山、菅両氏とは異なり、「野田どじょう総理」はとにかく低姿勢に徹して、現実的な対応を第一とするでしょうし、国民世論も当面新内閣を見守ろうとの傾向が続くものと思われます。
野田佳彦氏が衆参両院において首班指名を受け、新内閣発足となりました。
民主党代表選はかなり意外な展開となりましたが、流石に小鳩体制ではもはや民主党も、自分自身の選挙も危ないという危機感が多くの民主党議員に働いたのかもしれません。そこには「国家をどうするのか」という動機はほとんどなかったように思われます。
あまり批判ばかりしたくはないのですが、投票前に行なわれた五人の候補の政権演説を聞いていて、強烈な違和感を覚えました。1人15分というかなり長い時間が与えられていたにもかかわらず、ほとんどの候補者が「私が政治家を志した理由」「私の生き様」「私の尊敬する人」といった中学生の弁論大会のような話に終始し、政策的な所見、就中、外交・安全保障、憲法について語る者も、なぜ民主党政権が2代にわたって失態を繰り返し、国民の信頼を失ったかについて分析する者も、民主党において未だに制定されていない党綱領の必要性に触れた者も居らず、最後は決まって「政権交代の原点に立ち返り、挙党一致を目指す」と締め括っていたのを聞いて、やはりこの党は駄目だ、との感を強く致しました。
民主党の若い議員たちにはあのような話が受けるのだそうで、新聞で報道されていた「野田氏の話を聞いてジーンときた。思わず一票入れそうになった」との小鳩派海江田支持議員のコメントを読んで、本当にこの人たちは国会議員なのか、怒りにも似た思いがしたことでした。
野田新総理とは同い年でもあるのですが、今までほとんど接点がなく、論評するだけの知識を持っておりません。
信条的には明らかに保守の系譜に属する人であり、今まで本人が書かれたものを読む限り、価値観をかなり共有しているようにも思われますが、輿石氏を幹事長に起用した人事などを見る限り民主党の融和が優先順位の第一であるようで、相当に疑問なしとしません。
前原新政調会長は長い友人でもあり、個人的に信頼も致しておりますが、右から左まで極端に幅広いあの民主党をどう纏めていくのか、注目しています。外国人からの献金問題や八ツ場ダム・JAL・尖閣漁船衝突事件などの際の対応など、幾多の批判に正面から答えた上で、いい仕事をして貰いたいものです。
昨日民主党新執行部との初顔合わせがあり、三党合意を順守する旨の申し出がありましたが、代表選挙の際には「新体制になればこれを白紙に戻すこともあり得る」などと発言した海江田氏を支持していた人も新執行部には多く居り、言葉だけではとても信用できません。
民主党内で合意内容をきちんと説明した上で、順守するという正式の意思決定をして貰わなくては、新総理と谷垣総裁との会談を行っても全く意味がありませんので、その旨申し上げて持ち帰っていただきました。
悪夢のようであった菅内閣がやっと終わりました。
菅内閣の方が自民党にとっては選挙がやりやすかったのに、との声も一部にありますが、国益、というより国家の存亡を考えれば、市民運動家出身(そのこと自体が悪いわけではありませんが)である菅総理を何としても一刻も早く退陣に追い込むことが必要でした。
菅内閣の間、お寄せいただくコメントの中には最後まで「管内閣」「管総理」とされていた方が多くいらっしゃいましたが、正しくは勿論「菅内閣」「菅総理」です。最後まで名前の表記も正確に覚えて貰えなかった菅さんが少し可哀そうに思えたりもしますが、まあこれも自業自得というものでしょう。
菅内閣が継続した場合に比べて、解散が遠のいたことは確かに否定できません。鳩山、菅両氏とは異なり、「野田どじょう総理」はとにかく低姿勢に徹して、現実的な対応を第一とするでしょうし、国民世論も当面新内閣を見守ろうとの傾向が続くものと思われます。
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