手足がまひするなどの後遺症が出る、ポリオの予防ワクチンをより安全性の高いものに切り替えるための検討会が開かれ、自治体の担当者らがワクチンの接種率が落ちている現状などを報告しました。
今のポリオの予防ワクチンは毒性を弱めたウイルスを含むため、接種した子どもが、ごくまれにポリオに感染することがあり、厚生労働省は、来年度中に毒性を完全になくしたより安全性の高い「不活化ワクチン」に切り替える計画です。先月31日、ワクチンの切り替えに向け具体的な方法などを話し合う検討会が、初めての会合を開きました。この中で、委員として参加した川崎市の担当者は例年95%前後に達する春のワクチンの接種率がことしは81%に落ちたことや、個人輸入の不活化ワクチンを使う医療機関が増えている現状を報告しました。これに対しほかの委員からは、公的な補償制度が整っていないのに個人輸入したワクチンの接種は勧められない、とかどちらのワクチンも接種しないという状況は避けるべきだ、といった意見が出ていました。検討会では今後、不活化ワクチンに切り替えるスケジュールなどをとりまとめることにしています。不活化ワクチンの導入を求めてきた患者団体、「ポリオの会」の小山万里子代表は「安心してワクチンを接種できるよう、一刻も早く切り替えを実現させる必要がある」と話していました。