浅間山噴火の歴史などについての講演を熱心に聞く参加者 |
浅間山の火山観測が始まって100年を迎え、長野地方気象台や北佐久郡軽井沢町などでつくる実行委員会と国土交通省利根川水系砂防事務所(群馬県)は27日、記念講座を同町中央公民館で開いた。専門家4人が浅間山噴火の歴史などについて講演し住民ら約200人が耳を傾けた。
浅間山の観測は1911(明治44)年8月、浅間山西南西山腹の火山観測所で開始。その後は軽井沢測候所(軽井沢町追分)などが受け持ち、現在は、無人化した測候所で自動観測を、浅間山火山防災連絡事務所(同町長倉)でも職員が観測を続ける。
山里平(ひとし)・気象庁地震火山部火山課長は観測の歴史をたどりながら、「いくら噴火を予知しても防災体制がなければ意味がない」と話した。
火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は、世界各国で大地震後に火山が活発化した例を挙げ、東日本大震災を受けて日本各地で火山噴火が誘発される可能性があると指摘した。
講演を聞いた同町中軽井沢の行田てる子さん(72)は「噴火は過去100年と同じ傾向で起きるわけではないという話が印象に残った」と話した。
会場の町中央公民館には、設立当初の火山観測所の写真やこれまでの噴火の火山弾、約40年前に使われていた地震記録器などが並んでおり、28日も観覧できる。午前10時〜午後3時。