ブラピ「復興手助けしたい」２年ぶり来日へ…１１月公開「マネーボール」ＰＲ

　米俳優のブラッド・ピット（４７）が、主演最新作「マネーボール」（ベネット・ミラー監督、１１月１１日公開）のＰＲのため、１１月上旬に来日することが１日、分かった。３月１１日の東日本大震災以降、ハリウッドの人気スターが日本を訪問するのは初となる。大の親日家であることに加え、松井秀喜外野手が所属している米大リーグ・アスレチックスのゼネラルマネジャー（ＧＭ）を演じていることも後押しして、来日が実現した。

　日本人が大好きな野球を題材にした映画を引っ提げ、元気づけに行きたい。東日本大震災に端を発した放射能問題などでハリウッドスターが尻込みする中、ブラピが来日を決めた。

　関係者によると、「マネーボール」が、１０月２２〜３０日に行われる東京国際映画祭のクロージング作品に決定し、来日を計画。スケジュールの都合などで映画祭に出席することはかなわなかったが、調整の結果、公開直前の１１月上旬に実現することになった。来日は「イングロリアス・バスターズ」のＰＲで訪れた０９年１１月以来、２年ぶりとなる。

　震災の状況を報道などで知り、心を痛めた。「胸が張り裂けるような映像だった。ただ、僕が言えるのは、日本人の皆さんを心から応援しているということ。復興は絶対に可能だし、元気を取り戻そうとしているのも分かっているから」。妻のアンジェリーナ・ジョリー（３６）とともに、世界各地でボランティア活動を積極的に行っているだけに「ぜひ、そこ（被災地）に行って、どんなことでもできることを手助けしたい」と熱く語った。

　舞台となっているアスレチックスでは、今年から所属した松井が活躍中。撮影を通じて、自らが演じる同球団のＧＭビリー・ビーン氏（４９）と交流する中で、当然のように“ＭＡＴＳＵＩ”の名前はブラピの心に刻まれた。「（松井のことは）よく知っているよ。アメリカでも人気がある選手だし、リーダーの一人として、チームになくてはならない人物じゃないかな」と評価した。

　１９日には、チームの本拠地・オークランドでプレミア試写会が行われ、ビリーＧＭをはじめ、アスレチックスの主力選手も参加する予定。日米で高い人気を誇る松井に、来日前に試写会で対面できることを、ブラピも楽しみにしている。

　◆映画「マネーボール」　将来を期待されながら選手として結果を残せず、プロ生活に終止符を打ったビリー（ブラッド・ピット）。数年後、アスレチックスのＧＭとなったビリーは、データ分析が得意なピーター（ジョナ・ヒル）との出会いをきっかけに、後に“マネーボール理論”と呼ばれる独自の方法で、チームを変革させる。実話を基にしており、実際にビリーは、他球団より高年俸人気選手が圧倒的に少ないアスレチックスを、００〜０４年にかけてプレーオフ進出に導いた。

　アスレチックス・松井秀喜外野手「原作も読んでいるので、ブラッド・ピットさん主演の映画の公開が楽しみです。劇中で描かれた当時のプレーオフ常連だった強いアスレチックスを取り戻せるように、私たちも頑張ります」