中学校社会科教科書採択に関する緊急アピール
「9・29県民大会決議」を実現させる会
沖縄県老人クラブ連合会
沖縄県PTA連合会
沖縄県婦人連合会
沖縄戦を語り継ぐ女子学徒隊有志の会
沖縄県青年団協議会
沖縄県子ども会育成連絡協議会
2006年度高校歴史「日本史」教科書検定において、沖縄戦「集団自決」の記述について、「日本軍の強制・誘導」が削除・歪曲されるという検定意見が付きました。これに対して、沖縄県では「検定意見の撤回」と「教科書への記述回復」を求める県民大運動が展開されました。
沖縄県議会による2度の意見書採択、県内全41市町村議会の意見書採択をふまえ、2007年9月29日には11万人余の県民大会が開催されました。その後、文部科学省や教科書出版社に対して、幾度もの要請活動を行って現在に至っております。
沖縄戦での「集団自決」への日本軍の強制・誘導の実相は、沖縄県史や市町村史等でもすでに明らかにされており、その後多く戦争体験者の貴重な証言も新聞等で発表されています。さらに「大江岩波沖縄戦裁判」では、慶良間諸島での戦争・軍隊の実相が明らかにされ、今年4月21日に最高裁判所において上告棄却となり大江・岩波側の勝訴が確定しました。
そういう中で、3月末に公表された中学校歴史教科書検定結果は少なからず衝撃をもたらすこととなりました。それは、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下つくる会)及びそこから分裂した「日本教育再生機構」「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」(以下教科書改善の会)から2種類の教科書が検定に合格したことです。つくる会は自由社から、教科書改善の会は育鵬社から教科書を発行しました。これらの教科書は、第一で指摘した沖縄戦の実相についてほとんど記述されず、育鵬社については「米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人もいました」と、米軍によって「集団自決」に追い込まれたとする一面的で、沖縄戦の実相を反映していない記述となっています。
今回中学校歴史教科書は全部で7社検定を合格しています。教科書によっては厳しい検定意見の制約の中、沖縄戦の実相を子どもたちに伝えるために努力している教科書も見られます。しかし、上記の2社の教科書は太平洋戦争を大東亜戦争とし、沖縄戦の事実を意図的に歪曲した記述があり、大きな問題であると考えています。
「9・29県民大会」で高校生の代表が、「歴史教科書の記述が正しいとすると、オジイ・オバアが嘘をついたことになるのか、沖縄戦での真実を知りたい」との発言がありました。
もし、歴史を歪曲した歴史教科書が学校現場に採択され、教科書通りに指導すると子どもたちに嘘を教えることになります。事実を教えるにしても、「教科書の記述は嘘だ」ということになり、教科書の信頼性を大きく傷つけることになります。
このような中、新聞報道によれば、八重山採択地区協議会の規約改定、総会を経ない調査員の委嘱、また、現場の声を反映するために行われていた調査員による順位付けを廃止することなどの動きがあるとしています。採択の直前にルールを独断で変更し、学校現場教職員の意見を無視するような行為は決して許されることではないし、つくる会系の歴史教科書を採択させるためではないかと非常に危惧しております。
2007年の「9・29県民大会」以来、沖縄戦の事実を歴史教科書に記述させることを求めてきた沖縄県民として、県内の一地区であっても全く事実に反する教科書が採択されることは絶対許すことができません。
私たちは、沖縄に住む子どもたちに正しく沖縄の歴史を伝えることのできる教科書を採択すべきであると考えます。沖縄戦の実相が具体的に学べる教科書採択が、県民の願いであると確信します。
上記のことを踏まえ、以下の点を要望します。
沖縄県教育委員会、各採択地区協議会、市町村教育委員会に、より多くの教員の意見、調査研究を反映した「適正かつ公正な採択」がなされるよう求めます。
教科書採択にあたっては、これまでの「9・29県民大会決議」、「市町村議会決議」等で示された「沖縄戦の真実を歪めてはならない」「沖縄戦の真実を教科書に」という県民の願いを大事にし、選定をすすめることを求めます。
2011年8月15日
「9・29県民大会決議」を実現させる会
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教科書はその地域で静かに選ばせるべきです。
自分たちが気に入らない教科書が採択されたら使わないというのは、ルール違反であり、教育者が取るべき姿ではないでしょう。
管理者は県高等学校PTA連合会に確認を取り、この一覧から「沖縄県高等学校PTA連合会」の名前を即刻削除してください。
嘘を書くのが平和に繋がるのですか?