放射能不安と対話

野呂美加さんのエントリーが荒れたのでこちらに

そこの記事の最後にも書きましたが、野呂美加さんなどが支持される理由のひとつは、不安をもつ親に対してわりとこまめに講演会などを開催し、その不安に応えるからです。
科学者も不安に応えているのではないかと思うかもしれないけど、なんというか「答えているが、応えていない」とでも言うか、「理屈じゃなくて納得したい」という気持ちには応えていないということだと思います

もちろん、やはり理屈に合わないことはいえないので、「EM菌で安心できるなら、効果がなくてもいいじゃないか」というスタンスは取りづらい。野呂さんのように「理屈はともかく不安を重視」のようなスタンスのかたには、ある意味、初めから勝ち目はないわけです。これは震災以前からずっとあった問題で、今にはじまったものではありません。解決法はありません。

しかし、「わりとこまめに講演会などを開催し」というところは、本当はできるはずで、そこをなんとかできないだろうかとずっと考えるだけは考えています。
大きな講演会ではなく、個々の不安を聞けるような、小さな会をたくさん開くのがよいはずだというところまでは、確信があります。

これはまさにいわゆる「欠如モデルがうまくいかない場合」そのもので、すると「双方向モデルでやれ」ということになります。まあ、僕はそう言っているわけです。不安は人それぞれだから、個々の不安というからにはそうなります。当然それは少人数を相手にするわけですから、おもいきり頻繁にいたるところでやらなくてはならない。科学コミュニケーション論のみなさんは簡単に「双方向」と言うんだけど、これ、ものすごくたくさんやれということですよ。本当に本気で実践したことあるのかな。
でも、それしかないのだろうと思います。

実際には地元の人が主催しないことにはどうしようもありません。誰を呼ぶかも重要で、これまた大変です。でも、なにかそういう方向でできないのだろうかと、問題提起だけはしておきます。組織的にやれればいいのですが

何かいいアイデアはないかな

[追記]
「欠如モデル批判」に対する僕の不満は、双方向モデルなら当然場数を増やさなくてはならないという点をまじめに考えているかどうかわからないことです。そういう実践例はどの程度あるのか

― posted by きくち at 02:23 am commentComment [56] pingTrackBack [2]

この記事に対するコメント[56件]

1. 地震屋 — August 27, 2011 @10:55:01

双方向モデルは机上の空論だと思っています。

科学者というのが知られているので近所で何度か、お茶の席に伺いましたが
自分の体験では10人未満でないと、すべての人の質問に答えることはできません
その場である程度理解してもらえるかたは、1/3以下ですので
同じ人に何度も同じ話をすることになります

やり方(話し方、内容)が悪いのだと思って、科学コミュニケーションの本をいろいろ読みましたが、
この国にはその分野の専門家で「臨床」についてちゃんと考えている人が
少ないことを知ってがっかりしています

欠如モデルを実践しているように見える方を叩いている方は
代替療法を提示していただけると、大変にありがたいです

Owner Comment きくち  August 29, 2011 @02:14:44

今のような問題で欠如モデル批判は正しいとは思うのですが、対案となるべき双方向モデルは本気で実践されたことがないのではないかという気がします。

1000人集める講演会に代えて20人程度の対話集会をするなら、50回やらなくてはならないのですよね。
少人数相手の対話のほうがいいことくらい、「欠如モデル批判」なんて言われなくてもわかっている、という言い方もできるかと思います。
実現可能な案を示してくれ、と言いたくなることはよくあります

まあ、それでもなんとかしなくてはならないのですが

3. ふぃっしゅ — August 27, 2011 @11:40:24

エントリーの主題である科学コミュニケーションとはずれますが、政府からの情報がもう少し統一した形で出されると不安の軽減につながるのではないかと思います。

これだけ自然災害が多い国ですから、防災省のような単独の機能があってもよいのではないかと思います。
広範囲に被害がおよぶ災害が起きた場合に、直接被災している人はどういう行動をしたらよいか、周辺地域の住民はどうしたらよいかなどの目安を示すことがひとつ。
直接被災している人が停電や通信情報網の切断でその情報を得ることが難しい場合もあると思いますが、被災していない人がその情報を知るだけで災害時の行動を学ぶことにもなると思います。

広域の災害が起きた直後の救援や道路・インフラの復旧作業の進捗状況がわかる、あるいは復旧までおおよその目安がわかるようなタイムテーブルを発表してくれるだけでも、不安の軽減につながると思います。

被災後には感染症など健康被害への不安が高くなると思います。
その災害によって起こり得る環境の悪化と対応策、健康への影響についてすみやかに統一した情報を流すのは有効だと思います。
これも、いろいろなメディアがバラバラに情報を提供するのではなく、災害直後は政府機関の情報に一本化することと、その後は検証しつつ変更の情報をすみやかに流すことだと思います。
また、どのような不安があるか、その不安解消のために選択した方法が正しいのかなどの相談窓口も一本化して、デマや根拠のないものにできるだけまどわされないようなアドバイスを流し続けることも有効ではないかと思います。

日頃から、他地域の災害時のそういう情報を目にするだけでも、いざ自分が災害にあった時の行動を想定するのに役立つのではないでしょうか?
毎年、地震や洪水、噴火などにあわれた方々の体験談をもっと生かす方法があると思います。
たとえばテレビで床上浸水した家を見ると、あのあと日常生活が戻るまでどのように過ごしているのだろうと気になります。消毒したり、再び住めるようになるまで、実際にどうするのだろうと。
災害が起きた時の悲惨な状況は報道されてもその後の復旧までの体験は伝わらないので、自分が被災したらただ右往左往するだけのような気がします。

Up4. ほわ — August 27, 2011 @13:02:42

都会では支持者の少ない共産党が、過疎の進んだ地域に行けば行くほど支持率が上がるという話を聞いたことがあります。
大手政党が活動を町で済ませるのに対し、共産党は無医村や山奥の寒村まで足を運び、小さな集会所で数名を相手に対話をするから。
支持者に話を聞くと、日本の未来だの国際社会だのといった大きな話よりも
今自分が現実に困っている「山をぐるりと巡る道にトンネルを作ってくれるかどうか」が問題だと言っていました。
「難しそうな科学のお話より身近なとぎ汁」はこの感覚に近いかもしれないなと思い出しました。
 
顔を見て直接質問が出来る、相手が頷いて聞いてくれる、これはやはり人の心を動かす上でとても大きなことで
そういう意味に於いて科学者が野呂さんに対抗するのはとても難しいだろうなと、TLを見る度に思います。
自分が口を出しても茶々にしかならないので黙ってしまうけど、仰るように組織的にやるしかないのだと思っています。
 
入り込んでしまっている人への対応は別なジャンルの方に任せるとして、
まだ入り口にいる人を中に入れてしまわない為には、ただただ手間を掛けるしか手はないのかもしれない。
でも、専門知識を持って仕事をしている側にそれだけの時間があるかというと難しい。
となると、ボランティアとしてではなくそれなりに助成も必要なのではないかなと思ったり。
エセ科学の商品がこれだけ出回っているのを見るに、国の問題レベルではないかと思うので少し真面目です。

5. nrt — August 27, 2011 @15:55:54

「野呂美加さんと放射能対策」のコメント欄で醜態を晒しております nrt です。今回は初めてこちらに書き込みをさせて頂いたのですが、顔の見えない相手と対話・議論をする難しさを改めて思い知っております。

最初の書き込みをした動機には、この問題をめぐる議論において「不安を抱えている人の要求に応えるか」ばかりに焦点が当たってことに対する苛立ちゆえのカウンタのようなものがありました。ニセ科学批判の議論が「相手の気持ちを考えること」に気を取られてしまうと、本来言うべきことがいえなくなってしまったり、また、一部の人が騒ぎ立てているような「話を聞いてもらえばいのは、お前らの態度が悪いからだ」式の主張が、正当なものとして広く認知されてしまうのではないか、という危惧ですね。「不安を感じている」とされる人に対し、あまりにも寛容というか、その気持ちに沿うことばかりを考えてはいないか、彼ら (彼女ら) に対しても求められるべき態度や心構えがあるだろう、と。

ただ、落ち着いて考えてみると、やはりそうしたことは、こうした不特定多数を相手に議論する場で主張するには、幾分不適当なものがあるかな、と思い始めてもいます。「相手を頑なにさせてはいけない」と言われてしまうと、返すが言葉出てこない、というのもありますし。説得を受ける側の態度や心構えについては、こうした公の場ではなく、実生活においける個人的な付き合いの中で一人ひとりに個別に求めていくべきものなのかもしれませんね。

ただ、それを個々の批判者がバラバラに行ったのではあまりにも効率が悪く、組織立ってニセ科学を広めている連中にはとても太刀打ちできないのではないか、とも思うのです。さてさて、どうしたものでしょうか...。

6. からから! — August 27, 2011 @16:06:26

科学者はなかなか「断言」しませんから。
よく登場した「ただちに健康に影響を及ぼすものでは無い」などという言い回しは、科学的には正確でも庶民の不安に応えてはいないですね。政治的韜晦に聞こえる。

 だからといって「感性に訴えろ」というのではない。
 面倒でも、「急性の影響は0%、長期的な発ガンリスクはLNTモデルで+0.0001%」とか、具体的に断言したほうが信用できる。
 受け取る側の知識とのギャップを埋める仕事は、マスコミに協力してもらえば良い。
 芸能人コメンテーターの誤った解釈にはバシバシ修正を入れる。

 あとは組織で、(学会の枠を超えて横断的に)「政府独立で発言できる科学者グループ」と、これを支持する「市民グループ」が欲しい。
 最もオーソドックスで最新の知見をだれでも閲覧できるように、市民が情報の収集と公開、コミニュケーションをできると良いですよね。
 「疑似科学な市民組織」に対抗するにはやはり組織力です。間違ったマスコミへの対応も、学者が対応するより、市民組織がやったほうが効果的ではないかと。
 ツイッターで良い事を言っている理系個人は大勢いるけれど、ネットに閉じていては勝てません。

7. からから! — August 27, 2011 @16:32:31

追伸です
1.せめて学者の努力で「みのもんた一人を納得させる」くらいは、なんとかなりませんか。
 社会的影響力のあるスピーカーを「無知な素人代表」ではなく、味方に付けたいものです。

2.「科学者の間でも意見が割れている」というのも、付け入る隙があります。
 涙を流して抗議の辞任をした先生がいますが、彼の主張が専門家の意見の何%を代表するものなのか、そういう情報は欲しかったです。

Owner Comment きくち  August 29, 2011 @01:53:55

みのもんたをなんとかすることは不可能だろうと思います

Up9. とんとかいも — August 27, 2011 @18:00:53

一連の発言を読んでいて感じたのは「感情を最重要視する人には理屈は無力」ということです。いくら理屈で説明しても聞く耳を持ってもらえない、というのはカルトにも通じるものがあると思い至りました。
あのような頑なな人に対しては、まず初めに心理的な手法で心を開かせる(洗脳を解く)必要があるのではないでしょうか。
自然科学としての事実に基づく具体的な説明・説得はそれからにした方が良いように思えます。

10. nrt — August 27, 2011 @20:12:52

なんとも間の抜けたことを言うようで気が引けるのですが、「批判批判」をされている方に向けて、意見というかお願いがあります。

現在、kikulog だけでなく、あちこちでニセ科学批判をめぐるコミュニケーションの問題について議論が交わされています。それらを眺める限り、多くの人が、齟齬の原因が「感情」と「理屈」の対立にあると捉えているように観察されます。「ニセ科学批判者は、不安という「感情」を「理屈」で否定する、人の心の分からないやつだ」といったところでしょうか。ニセ科学批判をする人 (以下、「批判者」とします) からも、そうした意見が出ているようです。しかしながら、私はその解釈について多分に懐疑的です。

というのは、バカバカしいくらいに当たり前のことなのですが、心のない人間なんていないからです。放射能の不安に怯える人と同様に、批判者はそこに付け込んで蔓延するおかしな理論の害について憂慮しています。そうした事情を省みずに、「批判者は他人を見下し、攻撃して優越感に浸っている」と、その動機を憶測で語るのは、怪しい対策を実践している人に対して「子供の健康のことなど本気で心配してない」と言うのと同じくらい、無神経で想像力を欠いたもの言いではないでしょうか。

もちろん、きくちさんをはじめ、ニセ科学批判をされている方は、そうした自分の気持ちについて積極的には語ろうとしません。(技術開発者さんのように、自分の動機を韜晦する人もいるようです。) それは、おそらく、感情に感情をぶつけても良い結果を生まないこと、そして、動機が主張の妥当性や正当性を担保しないことを経験から知っているからでしょう。

しかし、それをよいこと (?) に、批判者を「他人の気持ちの分からない人間」と評する方には、そのあたりのことを、今一度考えて頂きたいと思います。自分が肩入れしたい側の気持ちを斟酌するのは、それほど難しいことではありません。けれども、相手の気持ちへの想像力というのは、むしろ自分と異なる立場・主張の人と関わる場合に必要となるものではありませんか?善意・熱意からの行動だからといって、他人に受け入れられる、あるいは批判されるべきでないと考えるのは傲慢です。「気持ち」なら、それを批判する人だって、同じくらい真摯なものを持っています。

もし、自分は「他人の気持ちが分かる」と自負するのであれば、ニセ科学批判の問題点の指摘はそのまま続けて頂いて結構 (というか、むしろ続けて頂きたい) ですので、併せて、不安を抱えてる人に向けて、「自分の気持ちを抑え」「不安に打ち克つ」ことの大切さを、あなたなりのやり方で説いてみてください。もし、それが上手くいくようであれば、その手法はニセ科学批判のコミュニケーションにも、お手本として取り入れられるでしょう。

11. 多分役立たず(HNです) — August 27, 2011 @19:39:15

ふと、思い出したのですが、

批判的思考 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%B9%E5%88%A4%E7%9A%84%E6%80%9D%E8%80%83Link
>アジアと欧米の違い
>文化との関連性

等の項目は今回関係しているように思います。

12. かこたん — August 27, 2011 @21:44:20

以前、東北大の原子核物理の田村先生に「保護者・研究者・医者・行政関係者」の少人数のワーキンググループを作ることについて、ご意見を伺ったのですが、やはり「保護者の方が先導して作ると、どうしても議員でも医師でも保護者側の意見に近い方が集まりやすい」ということを懸念されており、確かにそうだな、と思いました。

実際に私がやってみたい、と思っていたことは、例えば菊池先生が私の住む町を訪問して講演会をする、という場合に、地元の科学者および自治体に講演会を主催してもらい、司会進行や講演会参加の呼びかけは、菊池先生の講演の趣旨をきちんと理解している保護者の方にやってもらう。実際の講演は、菊池先生、地元の科学者、地元の小児科医の対談形式にする、という感じです。講演後は、講演の内容について、ustreamおよび主催者の大学および自治体のホームページや広報誌に掲載してもらう、ということで参加できなかった方への情報提供もできると思います。

自治体は基本的に地元の科学者や医者を信頼していますから、「母親の不安に対して科学者が語る場」を設けることに反対はしないと思います。また、保護者側も、地元の科学者や医者を信頼していますから、参加して話を聞くと思います。

私の町で講演して頂けたら、本当に嬉しいです:)

Owner Comment きくち  August 29, 2011 @02:03:32

僕は呼ばれればいつでも行きます。ニセ科学問題では、かなりいろいろな土地の消費者センターに行きましたし。
本当はもっと専門家でかつきちんと対話のできる人がいれば、それに越したことはないのですが。もっとも、専門家じゃないからいいという考え方もあります。
講演会やパネルディスカッションより、直接対話が可能なもっと小規模なもののほうがよいのだろうと思います

Up14. かこたん — August 27, 2011 @22:40:49

ちなみに、私の町に明日講演に来る人(しかも2回目)です(++!)
http://www.biken-guide.co.jp/mayumi/index.htmlLink

15. かとう — August 27, 2011 @23:06:09

きくちさんは基本的にメタな議論はやらない事にしている。
コメント欄を眺めると、その理由は解りますね。
#僕はメタな議論も好きなんですが、議論できるレベルの人だけしか居ない場所でしか無理なんでしょうね。

Owner Comment きくち  August 29, 2011 @01:34:55

放射能問題では無理です

17. ikutana — August 28, 2011 @01:08:48

医学も、科学も物事を正確に言おうとすると話が長く、細かくなっていきます。
そして、科学者は不正確なことを言いたくないという思いがあります。

反科学、や反医学の人たちというのは、基本的に「簡単な原理」だけがあって、あとはAd hocに説明してるだけなので、「話が簡単」で「短い」ってことが言えると思います。

悲しいことに、話が長く、細かいと発言者に自信が無い、話が簡単で短いと発言者に自信がある様に見えます。
結局、正しく説明しようとすればするほど、その発言者の信頼が落ちて行くというパラドックスが科学にはあるのかもしれません。

18. しずか — August 28, 2011 @09:23:58

ピンポンパンポーン。お客様のお呼び出しを申し上げます。

アマデウス龍彦さま〜 アマデウス龍彦さま〜

つづきまして、技術開発者さま〜 技術開発者さま〜

リクエストがございます。

いらっしゃいましたら、「何もしない人」と「どうしても何かをしつづける人」の医学的なデータを集めて検討する研究のデザインをお願い申し上げます。

Up19. NiKe — August 28, 2011 @17:13:01

>かこたんさん
ああいう人たちって口で商売してるように見えますね…

20. かこたん — August 28, 2011 @17:34:15

>Nikeさん
そうですね。この方は、口だけでなく、著作(?)も際立ってぶっ飛んでいると思うのですが、(例-->http://www.biken-guide.co.jp/mayumi/autobiography.htmlLink
これを素直に受け止めてしまう方々が多いことにも驚かされます。

21. mneco — August 28, 2011 @17:22:33

科学的知識を持たない人間にできることは限られているので、
相手に大きな被害をもたらす人間は、通常相手に対し、
大きな悪意を持っています。

科学技術は自然現象を利用して一面では人間に大きな幸いをもたらします。
だから科学技術を用いた設備等が不慮の事故をおこし、
人間に大きな災厄をもたらした場合、
それがヒトの手によるものである以上、科学技術にくわしくない人間は、
その設備等を作成した人達は、自分たちに大きな悪意を持っていると、
ついうっかり思いがちです。

しかし通常そんなことはない。
台風や地震がヒトに悪意を持っているわけではないのと同じことです。

もちろん科学技術を使った設備等はヒトの手が加わっているので、
台風や地震とは違いますが。
ただ、科学技術を用いた設備等が不慮の事故をおこし、
人間に大きな災厄をもたらした場合、
そこにあるのは「悪意」ではなく、「知識の欠如」「想像力の欠如」
「行動力の欠如」「思慮の無さ」「気配りの足りなさ」「ずぼらさ」
などである場合がほとんどです。

そのあたりが科学に詳しくない人間にはわかりづらいよな、
と自戒を含めて思ったりします。

22. kurita Website — August 29, 2011 @01:23:16

Twitter 上で見かけた情報なので既にご覧になった方も多いと思いますが…

『下痢は増えていたのか』
http://windycotage.blog66.fc2.com/blog-entry-552.htmlLink

“科学的”な(というか、この場合は常識的と言ってもいいとすら私は思うのですが)人たちが言ってきたことでもありますが、最後の一文「まず、落ち着いて事実を確認することが大切なんだなとしみじみ思います。」に深くうなずく次第です。

Owner Comment きくち  August 29, 2011 @02:08:25

僕もツイッターで、東京都の感染性胃腸炎の数をつぶやいたことがありますが、データがちゃんとネットに出ているので、すぐに調べがつくのですよね。

ある現象の原因を問題にする前に、「そもそもその現象は本当に起きているのか」を確認するのは、ニセ科学の問題でも重要な考え方です。

Up24. サッチモ — August 29, 2011 @02:40:00

院生(複数人で、分野ばらばら)みたいな。
やるなら、平常時から、話題はいろいろ、でしょうけど。

25. 技術開発者 — August 29, 2011 @08:19:22

こんにちは、nrtさん。

>放射能の不安に怯える人と同様に、批判者はそこに付け込んで蔓延するおかしな理論の害について憂慮しています。

私なんかは、「不安」そのものが人に与える害の方を重く見たりするんですね。なんていうか、多くの人が「人の心はなめし革の用に強靱だ」と誤解して居るような気がしましてね。人の身体よりも心の方がはるかに防御力が弱いという認識があるんですね。

少し雑学を言うと、人の身体は60兆個の細胞からできていて、その細胞一つ一つに30億個のDNAの塩基対があります。そしてその塩基対の連鎖は、一日につき1細胞当たり5万〜50万箇所切れます。酵素反応のミスでも切れますし、外側の細胞なんかは紫外線でも切れます。もちろん自然放射線の影響でも切れる訳です。そして細胞にはその切れた箇所をつなぐメカニズムがきちんと存在し、直ぐに修復している訳です。この切れたDNAをつなぐメカニズムというのは、単細胞生物がDNAを自分の設計図として採用した頃から、連綿と磨き上げてきた強い能力なんですね。これは、今よりも遙かに自然放射線の強かった時代から、生物が磨いてきた防御能力なんです。

さらに多細胞生物になると、身体の中でDNAの修復が効かなくなった細胞を殺すメカニズムも持っています。いわゆるプログラム細胞死ですが、ナチュラルキラー細胞が、ある働きかけをしてそのプログラムが発動すると、きちんと働けなくなった細胞は自分で溶けて消える訳です。そして、その細胞死は近くの細胞に分裂を働きかけて、その穴は埋められる訳です。このメカニズムも生物が多細胞と成ったときから連綿と磨き上げてきた生体の修復メカニズムであるわけです。

それに対して、人間の持つ「将来を不安に思う事ができる能力」というのは、おそらく、まだ数百万年しかたっていないのです。それゆえ、その能力の暴走で様々な生存への害も起こりますが、それに対する対処能力はまだ、とても未熟なもののように思います。

26. Katase Website — August 29, 2011 @11:39:27

技術開発者さんの細胞死に関する解説の補足です。

放射線によるDNA損傷による細胞死としては、アポトーシスというものがあります。
・放射線影響を左右する細胞死−アポトーシス 
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-02-21Link

上記リンク先に詳しい解説がありますが、もう少し簡単な解説をしているものとして、
・薬学用語解説−アポトーシス 
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9Link  

>アポトーシスは多細胞生物の細胞で増殖制御機構として管理・調節された、能動的な細胞死である。殆どの場合、ヌクレオソーム単位でのDNAの断片化を伴い、遺伝子によって制御されている。

>アポトーシスでは細胞サイズの急速な縮小に続き、隣接細胞から離れ、核クロマチンの凝縮、核の断片化、細胞の断片化がおこり、細胞膜のバリア機能を保ったままアポトーシス小体が形成される。細胞内の成分が漏れ出す前に、マクロファアージなどの組織球や周辺の細胞が、このアポトーシス小体を貪食し細胞の内容物の流出は起こらない。このため、内容物の流出の起こるネクローシスと異なり、炎症を伴わない。アポトーシスは非常に短時間に生じ処理されてしまう (約2-3時間)。

最初に細胞が自身のDNA損傷の異常を検知して、"自殺"するプログラムを発動するのが特徴です。

27. かとう — August 29, 2011 @14:14:45

大分地縛霊を構ってしまったし、自戒を込めて、自分は何の為に何をしているのか整理してみる。
議論の為の議論をする意味も無いし、論破したって何の価値も無い。
ニセ科学に困っている人が自分で考える為に、その考えを深める為の議論であれば行う。
後は、それに必要な知識、情報を欲している人にそれを教える。

だから、ニセ科学を自信満々に喧伝しに来たような人との対話は、その人と議論して説得して考えを変えさせるというのは目標ではなく(ほぼ無理。たまに上手くいくかもしれない)、その主張のおかしさが、ROMっているニセ科学に困っている人達の為に解るように、議論をすればいい。

まこまこ — August 29, 2011 @08:33:14
このURL先の名前、プロフィールを見れば一目瞭然ですが、それふまです。
地縛霊対策で、野呂美加さんと放射能対策のコメント欄を閉じられたから、急遽twitter iDを作成して、twitterで浮遊霊となっただけです。

28. みむら — August 29, 2011 @14:25:02

自分は科学的知識がなく今回の事態もおろおろ見守るだけだったのですが、きくち先生の見立てでは今回の事件結局何日頃がハイライトで、先生の想定より事件の規模は大きかったのでしょうか、小さかったのでしょうか?

UpOwner Comment きくち  August 29, 2011 @20:54:19

津波は最初から僕の想像をはるかに超えていました。
原発については、僕は制御棒がはいって停止すれば安心という程度の認識でしたから、それではだめだということがわかった時点でもう僕の想像を超えていました。それは、ちゃんと勉強していればわかったはずのことですので、純粋に僕の勉強不足です
そうではなく、ちゃんと理解しているかたにとっては、全電源喪失が最大のポイントだったのではないでしょうか。

30. 生物系 — August 29, 2011 @15:34:36

今すぐの解決方法にはなりませんが、専門家がボランティアかそれに近い形で行うような市民講座が日常的にもっと浸透すればよいのではないですか?
いくつになっても勉強したい人は勉強しましょう、私たちが知識を提供しますというスタンスを理系の専門家ももっと取る努力が必要かと思います。そのために削られてしまう時間やエネルギーは少なくないでしょうが、日頃から身近に接している科学者の言葉ならいざという時に耳を傾ける人も多いでしょう。また、有事でないときに正しいことを聞いてもらう方が受け取る側にも伝わりやすいのではないでしょうか?

私はまだ駆け出しの研究者ですが、将来的には上記のような活動を積極的に行っていこうと考えています。

31. bloom Website — August 29, 2011 @19:14:35

時々ここで勉強させて戴いています。

私の場合は気長にブログを書いています。
「科学者は安全デマを流しながら自分だけコッソリ対策をしている」といった疑いを持つ人もいるので、自分は福島産の農作物を積極的に食べていることや(福島産の桃が激安で生産者に申し訳ないくらいです)、福島在住の研究者が引っ越していないことなども書きます。
私の知識が全て正しい訳ではないのですが、個人の生物学者はどのように感じていて、どんな生活をしているのかということを伝えることで、状況が伝わりやすいかな・・と。

また、分野外のことは軽々しく安全とか危険とか言わないようにしています。
私は原発の構造は知らなかったので3月は「核爆発?」と物理系の人に聞いてしまいました。
逆に物理系の人々は「癌になるかも」と怖がっていました。
科学者も分野外のことには恐怖を感じるので、そういう恥をかく方が一般の人に丁寧に説明出来ると思っています。

ブログにコメント欄もあるので、新型(豚)インフルエンザ騒動の頃は色々なことを聞かれましたが、放射能関連に関してはあまりコメントが無いですね。

インフルエンザ騒動の頃は多くの研究者が危険性を煽っていたので、ブログでも「季節性と同じ程度の致死率とか言って、何かあったらどうしてくれるんだ」といった攻撃は受けていたのですが、記事を書き続けるうちに中立的に見てくれる人も増えたような気がします。
原発関連はリスクを高めに言わないと「御用学者」と叩かれるので発言しづらい雰囲気を感じますが、気長に記事を書き続けてみます。

先日は別記事でご挨拶したように菊池先生のブログを引用させて戴きました。
今後とも宜しくお願い致します。

Owner Comment きくち  August 29, 2011 @20:57:44

わからないことは議論すればいいし、間違いは指摘すればいいんですよね

いずれにしても、万能の人はいないので、できることをすればいいと思います

Up33. nrt — August 29, 2011 @19:41:20

ちょっと他所での「対話」を見て、さらに改めその難しさに打ちひしがれております。

「相手を説得したいと思うなら、強い言い方で相手の反発を招くことは避けるべき」という意見に対し、「尤もだ」と首肯する一方で、「綺麗事が過ぎるんじゃないか」と思ってしまう自分がいます。こうした煩悶に陥るのは、私が、「強く批判する」側にわりとシンパシーがあるせいかもしれません。

例えば、「もっと言い方を工夫すべき」という言いにクッションがない、あるいは、相手を否定する気色が満ちている (ように思える) 矛盾。「相手の苛立ちを分かってやれない相手」に対する苛立ちがそうさせるのでしょうか。

けれども、そうした「言い方を工夫すべき」という指摘にクッションを入れて遠回しに行うべきかというと、それはそれで、相手 (の知性や理性) に対する敬意を欠いた行為にも思えるのです。自分の意図を正しく読み取ってくれるという信頼があればこそ、直截かつ端的に指摘するわけですから。しかし、その「信頼」は「甘え」でもあるのではないのか...。

という感じで振動してしまい、なかなか自分の中で収束させられないのです。

まとまりもこれといった主張もない書き込みになってしまい、大変申し訳ありません。こちらで議論されている皆さんも、程度の差こそあれ、こうした「迷い」のようなものは感じていると思います。もし差し支えがなければ、その迷いとどのように折り合いをつけていらっしゃるのかなど、聞かせて頂ければ嬉しく思います。

34. 地震屋 — August 29, 2011 @20:44:58

#1にコメントありがとうございます
双方向モデルの極限は、市民一人に科学者一人が付き添って、必要な時に毎日対応する、
なのですが、無理でしょうね?
双方向モデルを唱えている科学コミュニケーションの専門家(あるいは科学コミュニケーション研究の専門家)のみなさんには、
まずどういう場が必要とされているのかを、市民のみなさんのお宅に伺って
聞き取り調査をする、ということをお願いしたいです
需要と供給をマッチさせるためには、まず市場調査ですよね?

Owner Comment きくち  August 29, 2011 @21:03:43

双方向モデルは平時のモデルでしょうからね。
今のような事態で、有効なモデルを提案できる人はいないのではないかと思います。

36. ごんべえ — August 29, 2011 @22:17:34

技術開発者さん

雑学の細かい訂正(大筋には影響ないです)
http://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E4%BF%AE%E5%BE%A9Link

5万〜50万箇所切れますなんて物騒ですが、それはたぶん損傷の数で切れるわけじゃないものを多く含んでいるものですね。

もちろん、中には切れることもあるし、切れたのをつなぐシステムもあるのはよしですね。ただ、切れるというのは損傷の中でもきつい部類で、正しく元通りにする修復は困難そうですよね。

>その細胞一つ一つに30億個のDNAの塩基対
30億というのはゲノムの大きさなので、普通の細胞はその2倍持っているものです。分裂に向けて合成中はもっと多いし、精子と卵子は30億でいいです。

37. ふぃっしゅ — August 29, 2011 @21:39:14

首都圏で水道水から基準値以上の放射性ヨウ素が検出され3月21日に厚労省から乳児の水道水接種を控える呼びかけが出された時はテレビのニュースで情報を知ったのですが、すでにスーパーに多くの人が飲料水の購入に殺到している時でした。

私の勤務先の産科クリニックがある自治体内ではまだ基準値以内だったにも関わらず、報道を見たスタッフが調乳以外の水まで確保しようと過剰な反応になりました。

こういう時こそ科学者の一言が欲しい時です。
1.当面どのように対応したらよいか
2.「当面」とはいつまでか
3.判断の変更が必要になった場合の情報はどのように得られるか
という点で、暫定的な見通しが何より欲しいものです。
でも、医療機関でさえ系統的な情報が入ってこないのです。
また厚労省は呼びかけだけ出して現場での具体的な対応の指示がありません。通常業務に加えて、自分たちで情報収集をして対策をたてるのは本当に負担です。

私自身は菊池先生やkikulogからの情報で、すぐに健康被害になるレベルではないことが理解できましたので、とりあえずは毎日自治体から出される数値を確認し、基準値以上になった場合に備えて調乳用の水を確保する対応をしました。
入院中のお母さんたちにも、そのように説明をしました。

3月24日に、小児科学会、周産期・新生児学会、未熟児・新生児学会の「食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定的な指標値100Bq/キログラムを超越する濃度の放射宣ヨウ素が測定された水道水摂取」に関する共同見解が出されました。
http://www.jspnm.com/shinsai/docs/d110325_3.pdfLink

現場の不安に答えた実用的な内容でしたし、とりあえずは自分の判断も大きく間違っていなかったことを確認できてとても安堵しました。
厚労省の通達から3日後でしたが、今までにない異例の速さだと思います。
あの状況の中で尽力を尽くしてくださったことに、感謝です。

ただ、私がどのように共同見解を知ったかというと医療関係者のtwitterからでした。
こうした情報は自治体を通して末端の全ての医療機関まで確実に情報が伝わるようにすること、医療機関でそれをプリントアウトして院内に掲示すること、これだけでかなり統一した情報を多くの方に提供できます。

直接の対話よりも、迅速に信頼できる情報を提供することが初動段階や状況が変化する局面では有効ではないでしょうか。


また、放射性ヨウ素が基準値を上回ったニュースの直後は、外来や入院中のお母さんたちから沢山質問がくることを想定して準備しましたが、拍子抜けするほど皆さん落ち着いて「様子見」という感じでした。
ネット上で「母親の不安」が独り歩きしているところがあるのではないかと、個人的には思っています。
実際には、お母さん同士の付き合いの中で、10人いればやはり行動力のある人や発言力のある人にかなり影響を受けやすく、不安の増幅もあるのではないかと思います。なかなか「それは違うよ」とははっきり言えないものですから。
ですから、子育て中のご両親が関わる医療機関、保健センター、保育所や小中学校で、迅速に統一した情報を提示することも不安の増幅にブレーキをかける対応策になると思います。


今回と同様に子育て中のお母さんたちを大いに不安にさせたのは、ダイオキシン問題でした。
あの頃はまだ現在のようにネット上で瞬時に沢山の価値観や考え方が広がることはなかったので、なんとなく落ち着くところに落ち着いた記憶しか残っていませんね。

Up38. ふぃっしゅ — August 29, 2011 @22:33:03

補足です、
もちろんお子さんの健康に関わる不安ですから、菊池先生がいつもおっしゃられるように理屈ではないものもありますね。不安をとても感じていらっしゃる方への丁寧な対応も社会の中で考えていく必要があると思います。

39. しずか — August 29, 2011 @22:37:44

同じ文字色で、「ニセ科学」と「反科学」について思うところを書いて下さった
かつのりさん

内容は全部おぼえていますよ。おっしゃりたいことわかりましたよ。:)

Owner Comment きくち  August 30, 2011 @00:50:45

あれは「ふま」っていう地縛霊なんだよね
いろんな名前で書き込んできますので、何を書こうと削除です

41. よたよたあひる Website — August 30, 2011 @06:28:22

 東京在住のよたよたあひるです。
 この「放射能不安」問題は、「どの場所に住んでいて、どのような年齢と家族構成で、どのような生活をしている人なのか」によって深刻度も不安も違ってきますから、それぞれの場所で取り組まなくてはならない課題が違ってくるのだと思います。

 私自身は、学生時代…80年代前半のチェルノブイリ原発事故の前から、高木仁三郎先生や広瀬隆さんの講演会等、反原発の学習会に参加したり企画のお手伝いをしていました。当時まだ建設中だった福島第二原発の建屋の中まで見学にいったこともあります(何号機だったかは忘れましたけど)。その後、90年代半ば以降は企画側に参加することはできずにいたので、ここに至る前になんとか「脱原発」の具体的な展開ができずにいたことは悔やんでも悔やみきれません。
 同じような思いを抱えている40代、50代は結構いるのではないかと思います。
 私のようなオバサンは、お互いに顔がわかる小さい集団の中でなら、若いおかあさんの通常の子育て不安の相談…傾聴やエンパワメントやある程度の助言…ならできますし、この間、いろいろな情報収集もしてきましたので、何か地域で役に立つことができないかな、と考えているところです。

原発の状況をニュースでみながら、こちらのブログで「メルトダウン」や「再臨界(菊池先生の言う「ちょびっと再臨界」も含めて)」についての説明を読み、状況判断するときにどこのどんな数値を参考にしたらよいのかを「放射能不安」というか汚染の問題については、行政の発表しているモニタリング数値のチェックと同時に、東都生協と生活クラブ生協の対応を参考にしてきました。どちらも当初から(1)まずは暫定規制値を受け入れて、(2)以前からの取り組みであった残留放射能自主検査を強化し、(3)組合員には検査結果や産地の状況等情報を提供しながら、(4)組合員の要望も踏まえて討議し、(5)政府・行政への要望を行いながら、(6)産地のラべリングではなく、実際の数値を踏まえた生協の判断で組合員に食品を提供する、という経緯をたどっています。

 情報の共有化と具体的な行動の中で生産者と消費者との信頼関係を繋ぎ、組合員という消費者もお互いに情報交換や問題解決に向けての行動に取り組む(日常生活の工夫や、それこそ「不安の共有」というプライベートな部分から公的な働きかけまで)という、長年の活動の延長線上に今の問題に対処していると思います。もちろん、生協の運営に携わる人たちや積極的に学習会等のイベントに参加する人たちと、個別宅配で「商品を購入する立場にとどまってる人たち」とではかなりの温度差もあるかと思いますけれど。

(1)情報を正確に受け取め、判断するための基礎的知識の提供
(2)いろいろな社会的な立場(科学者・医療・行政・メディア関係・流通・生産・消費者etc)の人がある程度混在する中で「不安」を語り共有するグループワーク
(3)日乗生活に持ち帰ることのできる行動
の組み合わせで保護者会やPTAとか学童クラブ、公民館のグループなどの学習会が必要なんだろうなと考えていて、ちょっとまわりのナースや福祉関係者に働きかけてみようと思っているところです。
 ガイガーカウンターミーティングはとても良いお手本です。何が「おみやげ」にできるのかはこれから考えるのですが、水と食品についての学習会が企画できたらなと思っています。

 「汚染された」と喧伝されている(もちろん、事実汚染されたのですが)…けれども空間放射線量は低い状態にある東京の多摩地域あたりでも、かなり過敏でストレスフルな状態の人もいるはずなので、まずはそこが落ち着いていけばいいなと思っています。

42. 技術開発者 — August 30, 2011 @08:01:31

こんにちは、ごんべえさん。

>5万〜50万箇所切れますなんて物騒ですが、それはたぶん損傷の数で切れるわけじゃないものを多く含んでいるものですね。
>ただ、切れるというのは損傷の中でもきつい部類で、正しく元通りにする修復は困難そうですよね。

細かく書こうかとも思ったのですが、面倒になりましてね。損傷の8割程度は塩基の中の化学結合が切れる、いわゆる塩基の中の損傷でして、塩基同士がつながっている鎖が切れる訳では無いんですね。DNAは二重らせん構造ですから、残りの2割の塩基の鎖が切れる場合も1本鎖が切れるのが大半で、二重鎖が切れるのは損傷全体の1%もないし、それも短時間に修復される訳です。

>ただ、切れるというのは損傷の中でもきつい部類で、正しく元通りにする修復は困難そうですよね。

そう大変でもないんですよ。生物のDNAというのは同じパターンの繰り返しを沢山持っているので、似たパターンの部分を鋳型にして修復します(相同組み替え)からね。似たパターンが近くに見あたらないと、無理矢理末端同士をつなぐ場合もあります(非相同末端再結合)。この無理矢理つないだ部分が変異である訳ですが、実は人間くらいDNAが多くなると使われない遺伝子の部分(ジャンク遺伝子)も大変多いので、この修復でも問題にならない場合も多いのです。

理解して欲しいのは60兆個の細胞の中で1日当たり5万回〜50万回の損傷と修復が起きている訳です。300京〜3000京の損傷と修復が普通に起きているわけですね。私は1ミリシーベルトの被曝で身体を通過するガンマー線の数を5億本程度とみつもりますが、そのガンマー線が身体を通過するときに、それぞれ100個のDNAを傷つけたとしても、500億個の損傷の増加にすぎない訳です。修復は基本的に「間に合う」訳ですね。

仕事で装置類を酷使していますと、新品だった装置が10年くらいであちこち故障を始める訳ですね。「少しは自分で回復しろよ」と愚痴りながら修理に追われる訳ですが、装置は自分で故障を直したりはしてくれないわけです。気の利いた装置で「この部分が異常です」とか言いだすだけでしてね。それに対して生体というのは、なんともすさまじい自己修復能力があると感心してしまいます。

それに対して、メンタルヘルス問題などを扱っていると、「人の心」というものの脆弱さを感じずには居られないのですよ。もちろん修復能力はそれなりにあるのだけど、むしろ「悪い方に悪い方に自分の心を追い込む」みたいな面が目立つ気がする訳です、事例をみていくとね。もう少し身体を見習って修復する能力が高くならないものかと思ったりします。

Up43. Isshocking — August 30, 2011 @10:44:07

技術開発者さん:
>そのガンマー線が身体を通過するときに、それぞれ100個のDNAを傷つけたとしても、500億個の損傷の増加にすぎない訳です。修復は基本的に「間に合う」訳ですね。

ここに放射線によるマウス精原細胞の劣性突然変異誘発率についての記述がありますが
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-06-02Link
「マウス精原細胞における毛色遺伝子の劣性突然変異誘発率は、0.10Gy急照射の場合、遺伝子当りの平均値は2.4×10E−6である。つまり、あるひとつの遺伝子について100万個の細胞を調べて2.4個の変異が過剰に見られるにすぎない。非被ばく対照群でも100万個の細胞を調べれば数個の変異は存在するから、0.1Gyの放射線の遺伝的影響を示すのはほとんど実現不可能である。人間についての調査を考えると、100万人を対象にはできないから、例えば1000人を対象にして各々1000個の遺伝子を調べて合計100万遺伝子を調査するというような方法になるのだが、いかにしても0.1Gyの影響をきちんと測定できるものではないことは理解していただけるだろう。」
γ線ではGyはSvと置き換え可能ですから、100mSv程度の照射では遺伝的影響はほとんど検出できないということに読めます。
体細胞でも事情はあまり変わらないでしょう。

44. 技術開発者 — August 30, 2011 @11:10:03

こんにちは、 Isshocking さん。

>線ではGyはSvと置き換え可能ですから、100mSv程度の照射では遺伝的影響はほとんど検出できないということに読めます。
>体細胞でも事情はあまり変わらないでしょう。

DNAというと遺伝子ということで、遺伝的影響みたいな話になるのですが、体細胞に関して云うと、体細胞の入れ替わりのための細胞分裂のための次ぎに作る細胞の設計図であるだけでなく、細胞内で合成されるタンパクの設計図でもある訳ですね。この設計図に基づいて必要な酵素なども合成されている訳です。糖タンパク系の物質でもまずDNAの配列に基づいてタンパクが合成され、それが糖と結びついてできますからね。

なんていうか、そういう酵素とかを作る役割の部分の損傷にしても細胞一つで受け持っていることはなくて、何億という細胞が集まって臓器をなしているので、その中の細胞の幾つかが不調になっても全然問題は無いわけです。

そのため、低線量の放射線被曝の問題は発ガンの増加以外は、考えなくて良いくらい小さなものです。その発ガン性の増加にしても、放射線に依ってDNAが損傷し、その修復ができないというわずかな確率で起きる事が、たまたま、「細胞増殖抑制部位(P53部位とかが知られています。悪性腫瘍ではこの部位の変異が多い事が確認されています)」と言われる部分に起きるというさらに低い確率的な現象です。その低い確率的な現象の上にさらに、上で述べた「ナチュラルキラー細胞による癌化細胞の細胞死」という防御をくぐり抜けた時に、やっとこさ放射線で癌になることができる訳で、とても低い増加率であるわけです。

なんていうか、労働関係のメンタルヘルス問題では、高ストレス下での鬱病自殺以外に、心臓疾患の悪化による死亡や脳血管系の疾患による死亡も「過労死」として扱う訳ですが、死亡に至らなくても、ストレスの強い状態は、血圧の上昇などの様々な身体の不調の原因となります。

なんていうかな、メンタルヘルス問題では本人の問題以外に、「メンタルヘルス環境」なんて事も扱うのですね。労働問題で言うと、明るく和気藹々として職場と、ギスギスした職場の違いみたいなものです。そこから改善していかないと、いくら労働者個々に「うまくストレスとつきあえ」みたいな事を言ったって、たいてい何かしら起こる訳です。

それと同じでしてね。本来、こうやって考えると、将来のほんのわずかな発ガン率の上昇(それも気にすべきかどうか私あたりは悩む程度の増加なのですが)くらいしか起こりえない低線量の放射線に対して、「怖いぞ、怖いぞ、どんな障害がでるかわからないぞ、明日にでも死ぬかもしれないぞ」みたいに脅かす社会というのはメンタルヘルス環境としては、相当に健康に悪い社会なんですね。それは、果たして「個人の問題」として対処可能なんでしょうかね。

45. ちょっとまちーの — August 30, 2011 @12:01:22

対話のよいお手本がありますよ。
素晴らしいですね♪

> まあ、落ち着いたんでこそっと言いますが、心理学者を名乗る、しかも放射線のほとんどない地域に住んでいて不安を煽る発言を繰り返している人向けには、あの程度でいいと個人的には思います。
http://twitter.com/#!/katot1970/status/107885345219162112Link

> 昨日からブロッックしてもブロックしてもメンションで絶え間ない攻撃。死ねとまで。初めてまとめ読んだ。意図しない似非科学擁護と決めつけて心理学科卒まで持ち出して貶められた。他の心理卒生にまで迷惑かけてしまった。http://togetter.com/li/178792Link  もう限界。いっそ本当に死にたい…
http://twitter.com/#!/kaokou11/status/106924238719553536Link

46. トキカワ — August 30, 2011 @12:07:46

こういうことを言う方は、対話というものを全く理解していませんね。
>(実はきくまこさん@kikumacoがコミュニケーション苦手な方なのは、直接お会いしたので知っている。科学的に信頼できない事柄に接すると「全然ダメ」と強く突き放してしまい、対話にならないのです。)
http://twitter.com/#!/HiroshiFujimura/status/107250258664361984Link

Owner Comment きくち  August 30, 2011 @12:46:43

このふたつは地縛霊のしわざなので、反応しないように。
あとで消します

Up48. 地震屋 — August 30, 2011 @16:21:33

このタイトルのブログエントリーで、延々と科学的な議論をされているかたって、きくまこ先生のブログを読んで理解する、ということができていないような気がします。
科学者が今、ここですることはそういうことではないでしょうに。
とにかく発言する場が欲しい人は、某匿名掲示板にでも行けばよろしいかと。

49. Mamamalinda — August 30, 2011 @14:14:06

nrtさん

August 29, 2011 @19:41:20について、私は科学者ではなく、文系で母親(というのを躊躇する今日この頃ですが)です。きくち先生はじめここで取り扱われている内容で本当にいろいろと勉強させていただいております。

以前にも書いたことがありますが、家族で前世療法からスピリチュアル系にはまっている者があり、どこまではまっているかにかまわず、ストレートにこれはトンデモみたいだよ、と知らせて止めさせようとし、却ってかたくななビリーバーに追い込んでしまった経験があります。

その後に私もいろいろ調べ「カルトからの回復」には初めに相手に共感を示し、薦められた講演会なり療法なりを受け、そこから少しずつ疑問を呈していく、という手法が必要だということを知りました。初動で間違えたわけです。
ただ、それには数年間は何もかもその人のために投げ打って関わっていくくらいの努力が必要なようですし、今の私にそれはできません。

初回の激突だけで、お互い大変消耗しましたし、相手は自分を全否定されたと受けとっていて、また、それくらい傷ついていました。私も消耗し、傷つきました
。相手は自分のレゾンデートルを守るため、あらゆる誹謗中傷の言葉を浴びせかけて来ました。そうしないと、自分を守ることができなかったんだと思います。

その後も何回か激突し、向こうは明らかに理論武装(藁人形論法というのですね。)していて、大変傷つき消耗しました。それもあって、ここや、あるいは最近はじめたツイッターで繰り広げられているやり取りが炎上(というのが正しいのか)しているのを見ていると、以前に激突したときの気分がよみがえって来て、とても気分が落ち込んでしまいます。

ニセ科学ビリーバーを説得するのは無理だと思っていますが、ここや関連するツイッターなどで、一歩手前の人たちがビリーバーになるのを防ぐことはできると思います。

そのためには、一歩手前の人たちが、ニセ科学に基づく何かを試してみよう、使ってみようと思ったのか、その動機は理解する、共感してあげる必要があるのではないかと思います。

少し前にNHKの朝の番組で放送していたのですが、認知症の患者を介護するのに、相手がどんなわがままや不合理なことを言っていても、介護者はそれを一旦受け止めて繰り返す。たとえば、家にいるのに「もうおいとまします」と言って帰ろうとしているのに対して、どんなににこやかにしていても「なにいっているんですか、ここが家ですよ、帰らなくていいんですよ」というと、相手は自分のいっていることを受け止めてもらえなかったという「くやしい・悲しい」気持ちが芽生え、実際のできごとは忘れてしまっても、その気持ちだけは残っていて、介護者のいうことを聞かなくなってしまうそうです。
それに対して、「お家に帰りたいと思っていらっしゃるんですね、わかりました。でもここはお家なので、帰らなくてもいいんですよ。」というと、それで気持ちが落ち着き、介護者のいうことを聞いてくれるようになり、大変楽になるそうです。

これは、とても大切なことなのではないかと思うのですが、一方で、相手に敬意を払っていないのでは、といわれるという疑問もあります。しかしながら、相手の言っていることを繰り返しているだけかもしれませんが、相手に対して上から目線ではなく、対等に相手の人格を尊重していることなのではないかと思うのです。

私自身、すごく頭のいい専門家の皆様が書かれているところに書いて迷惑にならないだろうかと思いながら書いています。少しは慣れましたが、変なこと書いたらぼこぼこにされるんだな、と怖かったです。ビリーバーや地縛霊もそれを上回る応酬ですし。
しかしながら、こどもを抱えたお母さんがいろいろと不安に思い、また何もしないでもし将来被曝による障害や病気が出たら、どうしてあの時米のとぎ汁点眼しなかったのか、と悔やむのではないか、というような弱った心の状態に、すっといろいろなニセ化学が入っていくのを、何とかして防がなければならないと思っておりますので、勇気を振り絞って、書き込みいたしました。

ビリーバーやニセ科学を広げている中心人物は、どうしようもないのだと思います。何をいわれても、自分のやっていることは正しいと思いこみ信じ込まないと、彼らは生きていけないのでしょう。そのようなビリーバーたちに対しては、何も気を使う必要はないと思います。ニセ科学を個人的に信じるのは自由ですので、ただそれによって何も知らない子どもが下痢したり、栄養バランスのとれた食事をとれなかったり、人の命が危険にさらされたりしないようにはしなければなりません。

ですので、何とかビリーバー手前の人たちが聞く耳もってくれるようにはしなければならない、と強く思います。

近頃老母のもの忘れがひどくなって来ました。認知症のごく入口の感じです。
以前であれば、何か間違えていたり、忘れていたりしたときに、夫婦間で言うのと同じようにストレートに指摘していましたが、今はそれをやるととても本人が傷ついてしまいます。本人が少しぼけてきたのではないか、と思っているがゆえに、取り繕ったり傷ついたりしています。

そんなこともあって、少しでもわかっていただければと思い、まとまらない文章ですが、長々と書いてしまいました。すみません。

50. Polyhedron — August 30, 2011 @17:55:24

 いつも勉強させてもらってます,千葉県在住の二児の父です。ホットスポットと言われる地域(0.2μSv/h程度)なのですが,放射能の危険認識については,住民ごとにかなり温度差があり,なかなか意見の調整が難しいと感じています。私自身はそれほど心配していないのですが,子供を通わせている保育園などで,かなり心配している親御さんもいるらしく,自分の子は外遊びさせて欲しくない,とか牛乳を飲ませないで欲しい,とか園に要望がきているようです。個別対応できるものはまだ良いのですが,行事などにもいろいろと支障がでています。当市にも「放射線から子どもを守る会」があって行政への働きかけ等いろいろと活動しています。武田邦彦氏の情報を鵜呑みにしている市議が中心になっているようです。直接聞き及んではいませんが,そのうち怪しい放射線対策に走る人も出かねない雰囲気です(す
でにいるかも)。
 先日,放医研から講師を招いて「放射能を正しく理解し、落ち着いて行動しよう」という講演会(市主催)があったのですが,それに参加して,サイエンスコミュニケーションの難しさを痛感しました。中盤までは,科学的な説明がなされて過度に心配する必要はないですよ,という話だったのですが,しめくくりに,「それでも心配な方がいるのはやむを得ないことです。科学がすべてではなくて『なんだか気持ち悪い』という感情もあるのですから…」等として,個人でできる,なるべく被曝を減らす方策をいろいろ紹介していました。風の強い日には外に洗濯物を干さない,とか降りはじめの雨には濡れない,食品の産地を選ぶ,とかそういったものでした。
 質疑応答を聞いて,かなり意外だったのですが,参加者の中には心配してガイガーカウンターで周囲の線量を測っている人も多くいました。基本的に放射線に関する講演会には,心配な方が参加されるようで,講師の先生は,そういう方々を刺激しないよう,かなり及び腰になっている印象を受けました。それでも,後で「守る会」がまとめた参加者の感想は,「被曝の危険を過小評価している」といった批判がほとんど。「放射能を正しく理解し、落ち着いて行動しよう」という演題の意図が適切に伝わっているとは言い難いです。
 「守る会」主催で講演会をやろうという話もあるようで,隣市の守る会では,近隣の病院に勤める内科医を呼んで講演会をしたようです。そちらは聞きに行っていないのですが,アルジャジーラで紹介されていた,鼻血や下痢が放射線の影響ではないかと疑っている医師で,何も免疫のない人がそういう講演会に行ってしまうのはまずいなぁなどと思いました。
 周囲を見渡した印象でも,放射線を心配していない人の大半はさほど関心のない人です。関心のある人のほとんどは心配しています。放射線に関する講演会を需要する人のほとんどは不安な人なので,自治体主催の説明会などでも参加者の多くを心配な人が占め,演者は刺激しないよう腰砕けの内容になってしまいます。それでもその内容に不満な人たちは,危険をもっと強調する人に講演を依頼してしまう。結果,不安な人が煽る人に講演を頼み,不安な人をどんどん増やしていくことになっているように思います。放射線問題をもっと冷静に考えてもらえるような情報を,それを本当に必要とする人たちに,どうやって提供したら
いいのか,かなりの難題だと思います。

51. かとう — August 31, 2011 @08:04:39

>情報や知識の提供だけだったら、
これだけでも人手が要ります。
足りないぐらいです。
ってか、足りてるのなら、我々大学で科学を学んだけど、研究職には就かず(就けず)、普通のサラリーマンをしてる人までやらないですよ。

Owner Comment きくち  August 31, 2011 @08:42:44

地縛霊も最近巧妙になりつつあって

Up53. Isshocking — August 31, 2011 @05:36:37

技術開発者さん:
>怖いぞ、怖いぞ、どんな障害がでるかわからないぞ、明日にでも死ぬかもしれないぞ」みたいに脅かす社会というのはメンタルヘルス環境としては、相当に健康に悪い社会なんですね。
先日のTVタックルでは木村盛世氏が、「今後はがん患者の発生が確実にどんどん増加します」と言い放っていました。
この方の物言いが無駄に挑発的なのは以前からの傾向ですが、客観的なデータを踏まえた上での自信と思っていたので、あれ?という感じがしました。
で、ご本人のオフィシャルブログを見て、どうも、北海道がんセンター院長 西尾正道氏の数値部分に反応しているようなんですね。
http://www.kimuramoriyo.com/the_tohoku_earthquake/Link
もとの文章はこちら
http://medg.jp/mt/2011/06/vol19512.htmlLink

木村氏はよく「医療技官はとにかく勉強・知識不足」と主張されていますが、もしかしたらご本人自身も含まれているのかもしれません。

これだけのボリュームをそのままコピーして貼り付ける木村氏の感覚にもびっくりしますが、もとの文も
「しかしα線やβ線は粒子線であり、飛程は短いが身体に取り込まれて放射線を出し続ける。」
「また放射性ストロンチウムの濃度は日本では放射性セシウムの一割と想定しているため除外され、核種の種類に関する情報も欠如している。」
「最後に、私の本音は移住させるべきと考えている。」「70〜80歳を過ぎた老夫婦が多少の被ばくを受けても「終の棲家」として原発周辺で住むのも認めるべきである。」
といった具合で、あまり練り上げた文章には見えません。
専門家ですから、知識は十分なのでしょうが、あれもこれもと知識披露を盛り込み過ぎで、何を主張したいのかピンぼけになっているように思います。

ちなみに
社団法人 日本医学放射線学会の見解
http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=931Link
「放射線はそのイオン化作用でDNAに損傷を与えるので、放射線量の増加に伴い、がんなどの確率的影響が発生する危険性も増加する。しかし100mSv以下の低線量での増加は、広島・長崎の原爆被爆者の長期の追跡調査を持ってしても、影響を確認できない程度である(ICRP Publ. 103, 105)。原爆被爆では、線量を一度に受けたものであるが、今回は、線量を慢性的に受ける状況であり、リスクはさらに低くなる(ICRP Publ.82, 103)。そのため今回の福島の事故で予測される線量率では、今後100万人規模の前向き研究を実施したとしても、疫学上影響を検出することは難しいと考えられている。日本人のがん死が30%に及ぶ現代においては100mSv以下の低線量の影響は実証困難な小さな影響であるといえる。」

54. かとう — August 31, 2011 @09:03:33

>「しかしα線やβ線は粒子線であり、飛程は短いが身体に取り込まれて放射線を出し続ける。」
これは練り上げる以前に間違いですね。
元の西尾さんがそんな事をいい始めたのかと確認に行っちゃったじゃないですか。
感染症専門なので、専門外なのは仕方ないけど、調べて書くという姿勢が無く、思い付きを言ってるだけなので、困り者です。
#狂牛病の時に、「思いつきだけでしか言ってない」ってのは確信しました。
#ある意味感染症なのですが、人と家畜、ペットで対応が違う、家畜とは
#経済動物なのだって視点が全く無く、人の感染症と同じレベルでの発言
#をしてました。
#新型インフルの時は、さすがに専門なので、ちゃんとした意見だったんですが。

55. かとう — August 31, 2011 @09:22:42

あと、twitterで、煙草に含まれる放射性物質を気にして、ガイガーカウンターを当ててる人が居るらしいって話を見かけました。
そりゃ、数MBq/kgであれば、農家、製造メーカ、流通、小売の方々の被曝を考えないといけないので即出荷停止ですが、数百Bq/kg程度なら、その煙草を一生吸い続けても、放射線でがんになれる程長生きする前に、ニコチン・タールでがんになるよ。と突っ込みたいです。

ふまでしたか、すいません。
免疫があってスルー出来る人はいいけど、そうじゃない人の為に広報してたら、ちょっと広報しすぎたようで、twitterアカウントが凍結されちゃってましたので、こっちに戻ってきた様ですね。
スルー出来る人にメンション飛ばしてる程度なら、あっちで遊んでてくれてた方がいいかと思い、僕はあえてブロックしてなかったのですが。

56. PLAT — September 2, 2011 @01:41:15

対話の記録(続)です。

> 議論に耐えうる知識の無い人間は何も言わずに黙っていなさい
http://twitter.com/#!/kaokou11/status/109259891734089728Link
> 「エセ科学批判・批判」について私なりに考えてみました
http://twitter.com/#!/kaokou11/status/109237589571153920Link

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