ベルリンで「慰安婦」問題解決求むデモ

被害者は高齢化し、残された時間は少ない。(写真/矢嶋宰)

8月10日、「慰安婦」問題の早期解決実現をアピールするスタンディングデモがベルリンで行なわれた。主催した「プロジェクト700」はベルリン在住の韓国・日本女性を中心に、2006年にソウルの日本大使館前の水曜デモが700回を迎えるのを機に結成されたグループ。

今年は金学順さん(韓国)が名乗りを上げてからちょうど20年になる。彼女の証言する姿を目にした各地の被害女性たちはそれまで固く閉ざしてきた口を次々と開き、戦時中彼女らの身に何が起こったのかを語り始めると同時に、傷つけられた尊厳の回復を求め、日本政府を相手に現在も闘い続けている。

しかし生存者のさらなる高齢化という現実にも直面している。韓国の例を見ても、この20年間に名乗り出た234名の女性のうち、生存しているのはわずか71名と半数以下になってしまった。

デモに参加した、ベルリンの大学で日本学を専攻しているというドイツ人男性は「日本の若者文化について研究しています。しかし日本が過去に何をしたかについても知らねばならない。今日本では脱原発を求めて多くの若者がデモを行なっていると聞いていますが、こうした関心が過去に残してきた課題にも向けられるといい。脱原発も日本の過去の克服も日本という国のあり様を問うという意味では共通していますし、それをになっていくのは若者ですから」と語った。

(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、8月19日号)

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