財政再建を進めている東欧のハンガリーでは、税収の増加と国民の健康改善を目的に、塩分の高いポテトチップスなどの特定の食品に対して課税する、世界でも例を見ない税金が1日から導入され、スーパーなどでは対応に追われています。
ハンガリーでは、3年前の世界的な金融危機以降、経済の低迷が続いていて、政府はEU=ヨーロッパ連合などから財政赤字の削減を求められています。こうしたなか、ハンガリー政府は税収の増加と国民の健康改善を目的に、ポテトチップスなどのスナック菓子や清涼飲料水など、塩分や糖分の高い特定の食品に対して課税する、世界でも類を見ない税制を1日から導入することになりました。「ポテチ税」と呼ばれるこの税では、カフェイン入りの清涼飲料水でこれまでの価格に比べて最大で60パーセント値上げされるほか、スナック菓子でも平均で20パーセント値上げされます。ハンガリー政府としては、新たな税の導入によって国民の健康が増進されれば医療費などの国庫支出も抑えられるため、税収の増加に加えた効果が期待できるとしています。新たな税の導入を目前に控えた先月31日、首都ブダペストのスーパーでは、店員が課税対象となる商品の値札の付け替え作業などの対応に追われていました。買い物に来た49歳の主婦は「値上がり前にまとめ買いしようと思って来ました。スナック菓子は好きなのでポテチ税が導入されても課税された商品を買うことになるでしょう」と話していました。