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「日本との勝負楽しみ」J1・梁勇基 あす日本―北朝鮮戦

W杯出場を目指し、日本との試合に臨む梁勇基=8月27日の山形戦、ユアスタ仙台

 W杯ブラジル大会のアジア3次予選、日本―北朝鮮戦の北朝鮮代表にJ1仙台のMF梁勇基(29)が選ばれた。昨年のW杯南アフリカ大会では帯同メンバーになりながら、出場できない悔しさを味わった。悲願のW杯の舞台に向けて梁勇基は「最後のチャレンジ。日本との真剣勝負は楽しみだし、在日の期待を背負って頑張る」と意気込む。
 梁勇基は在日3世として大阪で生まれ、小学校から高校に相当する教育を朝鮮学校で受けた。「同じ境遇で育った人たちがたくさんいる中、自分が代表チームでプレーする。喜んで力にしてもらえるよう戦いたい」と話す。
 「強い気持ちと卓越した技術、頭の回転の速さ。ポーカーフェースだけど負けず嫌い」と梁勇基を評するのは、恩師で大阪朝鮮高級学校サッカー部元監督の金正海さん(50)=大阪市=。朝鮮高級学校は1994年から全国高校総体への参加が認められ、梁勇基の大阪朝鮮は99年夏、インターハイに初出場。「人間がまっすぐでなければ、ボールはまっすぐ飛ばない」という金さんの言葉を今も胸に刻んでいる。
 祖国の代表としての誇りと同時に、重い歴史を背負う在日朝鮮人の代表として北朝鮮のユニホームをまとう意義を強く感じている。社会の少数派として生きてきた同胞たちの期待が集まる。
 金さんも教え子が日本―北朝鮮戦に出場することに感慨を抱く。日本政府による制裁措置で北朝鮮国籍保有者の原則入国禁止の中、特例として6年半ぶりに来日した祖国の代表チーム。「在日1世や2世は国の代表になれない、日本の大会にも出られないというあきらめの一方で、少しの希望を信じてきた。本国代表として認めてもらえた自負や喜びは、在日の人にしか分からない」と金さんは言う。
 1月のアジア杯(カタール)では、中盤の要として予選グループ全3試合に出場した梁勇基。6月の中国戦、8月のクウェート戦と国際親善試合でもプレーし、存在感を増してきている。
 「日本は能力の高い選手が多く穴がない。でも、チャンスはゼロじゃない。守備の時間が長くなると思うが、好機には思い切って前線に飛び出したい」と梁勇基。「応援してくれる仙台のサポーターにもいいプレーを見せられるように全力を尽くす」と抱負を語った。(阪本直人)


2011年09月01日木曜日


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