「繰り返し書く」という覚え方を使うことと学業成績の間には、ほとんど関係がない。

 これは「繰り返し書く」ことが役に立たないというよりも、成績の良い者もそうでないものも誰もが使うユニバーサルな方法だからだ。

 日本の高校生を対象に英単語の覚え方を調べた研究*1によると、「繰り返し書く」やり方については、ほとんどの者が使っていた。そして、それ以外の方法を使う者はわずかだった。

*1 Okada, J. (2006). Vocabulary Learning Strategies for Japanese High School EFL Students.

 〈それ以外のやり方〉、例えば精緻化ストラテジー(語呂合わせやイメージ法が含まれる)や体制化ストラテジー(まとめなおす、接頭語・接尾語で単語を覚えるなどが含まれる)、さらに言うとメタ認知的ストラテジー(学習方法を工夫したり、学習計画を立てる)までも、短期的な記憶改善をもたらすだけでなく、それらを用いることと学業成績には、有意な相関関係があることが分かっている*2 *3。

*2 Pintrich,P.R.,Smith,D.A.F.,Garcia,T.,&Mckeachie,W.J. 1993.Reliability and predictive validity of the
Motivated Strategies for Learning Questionnaire(MSLQ). Educational and Psychological Measurement.
53, pp.801-813.
*3 Wolters,C.A. 1998.Self-regulated learning and college students’ regulation of motivation. Journal of
Educational Psychology. 90, pp.224-235.



 単に相関関係があるだけでは、やり方が成績を上げるのか、成績がいいからやり方にまで気を回せるのか、あるいはアタマがいいから成績もいいし、いろんなやり方を使ったりするのかはっきりしない。
 しかし精緻化ストラテジーや体制化ストラテジーを教師が上から教えることでも成績が上がるという研究*4があるのをみると、〈やり方が成績を上げる〉と思ってもよさそうである。

*4 下地・丸山(2009).「英単語教育における高校生の学習方略の導入に関する研究」『茨城大学教育実践研究』28, 153-165.


 勉強が苦手な人は、そもそも勉強に「やり方」があるという意識が薄い。

 あるいは、勉強することには決った「やり方」があるのであって、自分で「やり方」を探したり選んだり作り変えたり工夫するようなものでないと思い込んでいることが少なくない。

 しかし実際は、同じやり方ですら、人から強いられるよりも、自分で選んだ方がうまくいく。


 普段は分量の問題もあって、ひとつのやり方について書くことが多いけれど、
 「覚え方を自分で選ぶ」というメタ認知ストラテジーを駆使してもらう機会となるよう〈覚え方のカタログ〉を用意してみた。

 こうしたリストは不完全に終わるよう運命付けられているが、見た人が〈抜けているから自分で追加する〉というのがむしろ本望である。



リハーサル  繰り返すこと

1.何度も唱える
 音韻ループの容量は2秒間(2秒で言えるものなら唱えられる)
 70回暗唱(『話せる英文法』で推奨される基本例文の覚え方)


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2.何度も書く
 汎用性高く、最も広く使われる記憶法。
 短所:自己修正できないと繰り返すうちに間違いが蓄積されることも。

3.繰り返し唱えながら書く
 10回音読3回筆写×3ターン繰り返して本一冊を覚える(『絶対音読』で推奨される覚え方)


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千田 潤一

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4.リコール・プロセス"正解を隠して思い出し、すぐに確認することを繰り返す。
 単語カードや見え消しマーカーをつかった方法もこれにあたる。
 長所:間違いが蓄積される欠点がない。アウトプット重視で、覚えたつもりで出てこない、といったことがない。
 短所:長い単語など、一度に処理できないものは覚えにくい。

5.スペースド・リハーサル
 復習までの間隔を次第に広げて繰り返す方が定着率が高い。

6.DWM(Day-Week-Month)法
 1日前、1週間前、1か月前に覚えたものを復習する

7.35ミニッツモジュール
 新規事項を覚える(20分間)→4分休憩→1日前、1週間前、1か月前の復習(各2分)→今日の復習(5分)

8.ショート・スペースド・リハーサル
 聞いてから(見てから)4秒後、8秒後、16秒後、32秒後と、間隔を次第に広げて復唱する。
 リハーサルからホールド法に橋渡し。
 繰り返すうちに、次までの感覚が広がり、短期記憶の限界を越えて保持することになる。

9.セルフ・テスト
 自分で作ったテストを、自分で解く。
 効果は高いが、自分でテストをつくる実力と時間が必要。

10.反復ドリル
 単純な問題を繰り返し解く
 長所:間違いや記憶の不確かな部分を発見し修正することで覚えていく。記憶の精度や想起の速度など高めるのに良い
 短所:退屈。正答率が上がっていくとモチベーションが下がる。

11.LowFirst法
 誤答率の高いものから順に復習する
 改良LowFirst法では誤答率が基準(10%程度)を下回った項目は復習対象から外すことで復習効率を上げている
 長所:記憶のしにくさを加味したスペースド・リハーサルになるので復習効率が高い(元々、スペースド・リハーサルが何故有効かを研究する中から生まれた技法)


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水野 りか

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12.ホールド法短期記憶の限界(15〜30秒)を越えて保持することで、長期記憶に送り込む
 15−30秒あけて唱える:文字を見てすぐ読み上げるのでなく、15〜30秒頭で保持してから何も見ずに復唱する
 15−30秒あけて書く:文字を見てすぐ書き写すのでなく、15〜30秒頭で保持してから何も見ずに書写する
 15−30秒あけてシャドウイング:音声を聞いてすぐ唱えるのでなく、15〜30秒頭で保持してから何も見ずに復唱する
 15−30秒あけてディクテーション:音声を聞いてすぐ唱えるのでなく、15〜30秒頭で保持してから何も見ずに書き出す



精緻化 記憶したい情報を連想的・意味的に関連づけ長期記憶に情報を送り込む

13.イメージ法
 記憶したい情報をイメージ化する
 イメージ記憶は大容量。Shepard(1967)によれば、100万枚の写真、短期では986,300枚(98%強!)、1年後でも731,400枚(73%)を記憶できた。
 二重コーディング仮説:イメージについて覚えるとき、イメージ内容を自分に説明しながら覚える→イメージでコード化、言語でもコード化→だからよく覚えられて思い出しやすい。

14.連想法
 記憶したい情報から連想するものと結びつける。

15.語呂合わせ
 無意味な数字(年号など)を意味のある文章に変換して覚える。
(例)「1192年→いい国作ろう鎌倉幕府」「ルート3=1.7320508人並みにおごれや」
 日本語は音素が比較的少ないので、語呂合わせは作りやすいとされる
 うまい語呂合わせをつくるのは結構むずかしい。そのため「名作」は継承される(医学系など)。

16.キーワード法
 発音の似た母語をつかって意味とイメージを結びつける
 例)「死ぬほどダイ(die)好き」
・発音の結びつき→大好きの「だい」とdie
・意味の結びつき→「死ぬ」と「大好き」
・イメージの結びつき→見知った恋多き子が「死ぬほどダイ(die)好き」と言っている光景を思い浮かべる
 長所:音と意味の連想法とイメージ法による幾重ねの精緻化のため効果が高い。外国語の単語を記憶するには最強のものの一つ。
 短所:うまく結びつく母語をみつけるのが大変。外国語を覚える場合は発音の不正確になる危険。

17.ライム(韻)法
 韻(ライム)を踏んで覚える。語呂合わせが難しい、音素の多い言語で使われる。

18.Vocabulary Cartoon
 韻(ライム)が似た語とイラストと例文を合わせた自国語内キーワード法に基づいてつくられた本。
 長所:キーワード法の利点を生かし、欠点を克服している。母語内なので発音の不正確さは縮小し、既製品なので自分で語を見つける手間もいらない。単語についてはこれが多分最強の覚え方。
 短所:イラスト、例文を載せるため1ページに1語のレイアウトとなって収録語数が少ない。自国語内の学習者を対象とした本なので、外国語として学ぶ者は記憶の手がかりになる方の語も知らないことも。


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Sam Burchers、Max Burchers 他

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Sam Burchers、Bryan Burchers 他

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19.マイ・ポエム法(自己関与文)
 自分に関係した記憶は定着しやすい。

20.物語法
 記憶したいものをストーリー仕立てにする。
 神話、伝承などに見られる、人類にとって最も古い記憶法の一つ。

21.頭文字法
 例)五大湖→HOMES(Huron, Ontario, Michigan, Erie, Superiorの頭文字)
 例)独学のプロセス→MASTER=Mindset, Acquire material, Sense-making, Trigger of Memory, Exhibit, Review
22.歌唱法
 物語法と並ぶ、最も古い記憶法
 例)ポリネシアの歌う海図(夜間に航海するため、星座の位置と島の位置が歌に織り込まれている)
 例)古代ギリシアのスパルタでは法律は書かれたものでなく、歌うものだった


23.Jazz Chants
 ジャズに合わせて、同じような文句を繰り返しリズムにのって口ずさむうちに、英語の調子と英文が身に付くというもの。

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(1986/07/31)
Carolyn Graham

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Carolyn Graham

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ニーモニクス(記憶術)
 古代ギリシアの時代から弁論術の伝統の中で用いられて来たもの。
 基本は記憶したい情報をイメージ化し結びつけること。精緻化の一種と考えられる。
 効果は高いが複雑なものになるほど訓練が必要となる。

24.ペア法
 二つのものをイメージして結びつける。新奇なイメージの方が効果的。

25.リンク法
 ペア法を数珠繋ぎにして使用する。たとえばABCDE……といったものを覚える場合、AとBをまず結びつけて覚え、次にBとCを、その次にCとDを……といった風に、数珠つなぎにして覚えていく。
 長所:記憶したいもの自体が次々とイメージを結びつけるものになるので、空間法やペグ法のような事前準備が不要
 短所:リンクをたどって思い出すことになるので、順不同で呼び出したいものの記憶には向かない。

26.場所法
 よく使う通りやよく行く場所、自分の部屋(にある家具)など熟知したものを手がかりに、記憶したい事項を結びつけて記憶する。記憶したいものを場所・位置情報と結びつけるため効果が高い。
 ルリアが報告した記憶術者Sもこの方法を使用している。


偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)
(2010/10/16)
A.R.ルリヤ

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 長所:記憶したい情報と場所が一対一対応しているので、リンク法と違い、ある程度の順不同でも思い出せる"
 短所:結びつけるための場所を用意しておくことが必要。

27.手指法
 記憶したいものを手の指に結び付けてイメージする。
 指の数以下の項目についてしか使えないが、メモが取れない場合など、とっさの場合に役に立つ。

28.身体法
 記憶したいものを、頭頂、額、まゆ、目……と、体の各部分に結びつけてイメージする。
 手の指よりを多くのものを結びつけることができるが、あらかじめどの場所を使うか決めておき、慣れておく必要がある。

29.時計法
 アナログ時計の数字の上に記憶したいものを置いたイメージをつくる。

30.マイルーム法
 自分が普段いる場所に記憶したいものを置いたイメージをつくる。これもあらかじめどの場所を使うか決めておき、慣れておく必要がある。

31.トリップ法
 通学・通勤経路に記憶したいものを置いたイメージをつくる。
 通る駅、バス停などを使うことが多い。

32.ミュージアム法
 博物館や美術館の展示に、記憶したいものを結びつける。
 長所:大規模で著名作品が多い美術館・博物館を使えるなら、相当の量の記憶が可能。
 短所:あらかじめ記憶に使う美術館・博物館を選んで通い、展示内容と空間配置を熟知しておく必要がある。

33.鉤語(ペグ)法
 〈場所〉のかわりに、記憶したいものを結びつける「かけくぎ(ペグ)」を用意しておく方法。あらかじめ、かけくぎ(ペグ)を準備しておき、すぐに呼び出せるよう記憶しておくことが必要になる。
 長所:ペグを数字と対応してつくるので、任意の何番目のアイテムを思い出すということも可能。
 短所:あらかじめペグを作っておく必要がある。現実のニーズでは1種類のものを大量に覚えることよりも、少量だが多種類のものを覚えることが多い。同じペグを異なる系列につかうと混乱しやすいが、何種類ものペグを用意する必要が出てくる。

音韻ペグの例
1→one→sun,fun,gun,nun/2→two→shoe,Jew/3→three→tree,bee,key,tea/4→four→door,core/5→five→live/6→six→sticks/7→seven→heaven/8→eight→gate,date,fate,mate/9→nine→line,sign,pine,wine/10→ten→pen,men,hen
形態ペグの例
1→鉛筆、煙突/2→アヒル/3→耳、唇/4→ヨット/5→鍵/6→さくらんぼ/7→がけ、鎌/8→だるま/9→オタマジャクシ/0→卵

34.フォネティック法
 伝統的記憶術の最も洗練された/最も訓練を必要とする方法。
 ルールに基づいて組織的に何種類でもペグを作り出すことでペグ法の欠点を解消する。
 長所:作り出されるペグは数字に基づいているため順序が自動的に決まるので、あらかじめ必要なペグを用意しなければならないペグ法の欠点が克服されている
 短所:いつでも作れるとはいうものの、数字に対応して、なおかつイメージしやすく記憶術に使いやすいペグをつくるには訓練が必要"

数字子音置換法
0→s,c(サ行の音),z/1→t,d,th/2→n/3→m/4→r/5→l/6→sh,ch,j,g(ヂャ行の音)/7→k,c(カ行の音),g(ガ行の音),ng/8→f,v/9→p,bこれ以外のアルファベット(母音字は任意に使えるので、同じ数字に対応する無数のペグをつくることができる)

数字仮名置換法
1→あ行/2→か行/3→さ行/4→た行/5→な行/6→は行/7→ま行/8→や行/9→ら行/0わ、ぱ行
それぞれの行の文字はすべて使えるので、同じ数字に対応する無数のペグをつくることができる

35.フォネティック・マップ人工的なペグを組み合わせて(例10×10=100マスの)マトリクスをつくり、空間配置や地図を記憶したり、大量のものを覚えるのに使う。


The Memory Book: The Classic Guide to Improving Your Memory at Work, at School, and at PlayThe Memory Book: The Classic Guide to Improving Your Memory at Work, at School, and at Play
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36.ドミニック法
 マインドマップのトニー・ブザンが主催した世界記憶力大会でチャンピオンになったドミニク・オブライエンの方法。


記憶力を伸ばす技術―記憶力の世界チャンピオンが明かす画期的なテクニック記憶力を伸ばす技術―記憶力の世界チャンピオンが明かす画期的なテクニック
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ドミニク オブライエン

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 ペグをつくるのに、数字をアルファベットに変換し(1→A、2→B、3→C、4→D、5→E、6→S、7→G、8→H、9→N、0→O)、そのアルファベットのイニシャルをもつ人物の顔に結びつける。つまり二桁の数字を人物の映像と結びつけたものを用意して、これをペグに使うもの。
 長所:人の顔は最もよく記憶されるものであるので、ペグとしては使いやすい。
 短所:イニシャルが異なり自分がイメージしやすい100人をあらかじめ選んで、すぐに使えるように用意(記憶)しておく必要がある。

37.ドミニック・ホテル法
 ドミニック・キーを組み合わせてフォネティック・マップ法を行う。
 100×100=10000個の記憶の部屋をつくる事になる。


Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアルMind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル
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Ron Hale-Evans

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体制化 関連する情報をまとめ、整理して覚える


38.グルーピング
 覚えたいものを分類し、まとめ直すことで覚える。
 〈勉強〉の原イメージ。

39.接頭語、接尾語、語幹で覚える

40.語源で覚える

41.コーネル大学式ノート
 1ページを3つの欄(本文欄、見出し・コメント欄、要約欄)に区切る。見出し・コメント欄、要約欄を使って復習する。

Cornell Note PDF Geneator


42.コンデンス・ノート
 濃縮したノート。テスト範囲を1枚にまとめたもの等。
 カンニングのために小さなメモにまとめると、自然に覚えるのもこれ。


アメリカ式勉強法アメリカ式勉強法
(1996/11)
ロン フライ

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43.メモリーツリー
 テーマを幹にして、関連項目を枝葉に書いていく。
 知識は互いにつながりあって記憶され、つながりをたどることで検索され想起されることを活用。

44.マインドマップ
 メモリーツリーの元になった技法。
 創案者のトニー・ブザンは、伝統的な記憶術の本を書いたり、記憶力大会World Memory Championshipsを主催している。

45.コンセプトマップ(概念地図)
 概念間の関係を示した図。


コンセプトマップ活用ガイド―マップでわかる!子どもの学びと教師のサポートコンセプトマップ活用ガイド―マップでわかる!子どもの学びと教師のサポート
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福岡 敏行

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 知識は、脳内の宣言的記憶の上で動作する産物(チャンク、命題)として格納されており、概念地図は宣言的記憶システムの構成を反映するよう構築されているため、有意味学習が容易になる。
 ひとつの主題について放射状に広がるマインドマップに対して、コンセプトマップは概念間の関係を表すことを重視するため、中心が複数存在したり互いに連結されない概念群があってもかまわない。



46.文章を読んで単語を覚える
 文脈から単語の意味を類推することを通じて記憶する。
 インプットの効率は悪い(異なる文脈(文章)で10回以上出会うことが必要)が、忘れにくい。



社会的方略 
効果は高いが、相手が必要。勉強は一人でするものといった文化のためか用いられることが少ない。

47.交換テスト
 相手が作ったテストを自分が、自分が作ったテストを相手がやる。セルフテストより効果が高い。

48.相互教授法
49.ロールプレイング




記憶のためのマインドセット

51.感情と結びつける
 ポジティブな感情でもネガティブな感情でも
 恐怖と結び付いた記憶は、動物にとって生き残るのに必要だから

52.Early Learning Set"
 文字、自転車、九九など、はじめて学んだの記憶を呼び覚まし、〈初めて学んだ状態〉に自分をセットする。

53.極限状態に身を置く
 人間が最もよく学習するのは、自分の持っている知識がまったく役に立たなくなった状況。
(例)医局に入ったばかりのインターン・レジデント、部族社会の通過儀礼、カルトの洗脳手法など"



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