第28回 「話は1996年にさかのぼる」
2008.11.28 スポーツ局
08年度入社 阿部博行 話は1996年にさかのぼる。2月のこと、中学受験をあと1年に控え、僕の母親は残酷にもスーパーファミコンを捨てたと告げた。本当は、ベランダに置かれている収納boxのなかに隠されていると知っていたが、生きる喜びがクロノトリガー(スーファミの人気ソフト)と学校で憧れの岩崎さんをチラ見するぐらいしかなかった当時の僕にとって、ゲーム禁止令の公布はあまりにも悲しい出来事だった。 しかし母さんは、僕にあるものを新たに買い与えてくれた。1枚のCD。超人気グループであるglobeのデビューアルバムだった。ウチには森高千里のCDしかなかったので、はやりのCDを家で聴けるのは本当に新鮮で、それはそれは一日何回もREPEATで聴きまくった…もちろん勉強するBGMとして。冗談じゃなく1年で12曲×800回=9600曲ぐらい聴き倒した。 結果、勉強ははかどり、2月3日第一志望の中学に受かった。夢にまで見た憧れの中学合格を手にし人生で一番嬉しい日。家に帰っていつもすぐそばで応援してくれた3人、正確には1枚のCDに感謝の気持ちを込めながら、また聴いてみた。いままで応援ソングだった曲が一転、お祝いしてくれている様に聴こえた。 そして受かったご褒美として両親からglobeの2ndアルバムと3月の東京ドームでのglobeのコンサートのチケットをもらった。(スーパーファミコンも取り返した!) あれから、12年…24歳になった今も僕はglobeのアルバムを買い続けている。もちろん時々ファーストアルバムも聴いている。人を騙した詐欺の罪はつぐなわなければならない。でも少なくても僕の青春の日々の何%かをglobeの曲が占めているのは確か。うまく表現できないけれども、今回の事件は色々考えさせられます。日本の音楽シーンを牽引し栄華を極めた男が自分を見失い借金に苦しみ逮捕されてしまう。人の人生10年後はどうなるか分からないとも思ったし、でもやっぱり12歳の僕の日々を艶やかに彩ったのも事実だし…複雑です。 自分が働いているテレビというメディアも、1枚のアルバムと同じで一人の少年の運命を変える影響力を持っていると思います。一回の放送、一つのニュース、1行の原稿やスーパーの一つ一つに魂を込めて働いていきたい、そう強く思いました。 さて、スポーツの話0.013%ってなんの数字かお分かりになりますか? 先週のプロ野球、日本シリーズ第7戦直前のあおりのVTRのために用意したテープの総尺に対してオンエアされた時間が占める割合です。 フジテレビ・スポーツが日本シリーズのニュースを作るためだけに東京ドーム、西武ドームにだすカメラ(ENG)は4台(中継がなくてもこの台数!すぽるとカメラなどの企画があるともっと増えることもある。)各カメラが試合前の両チームのウォーミングアップから試合後の両監督のコメント&各選手の表情などをとるとだいたい、1試合に40分テープ×8本は撮影します。 つまり6試合分の素材の総尺は 40分×60秒×8本×4台×6試合=460800秒!! そしてオンエアされた映像はたったの60秒。 つまり46万秒の素材からオンエアまで生き残ったのは たったの0.013%。 当たり前ですが、テレビはただ撮ってきたものを垂れ流しで放送しているわけではありません。各ディレクターがこだわり抜いてかっこいいVTRを世に送り出しているのです!(時には、福留がヒットを打ったのに不満げな表情を2秒用意するのに、8時間素材だしと、プレビューに費やさないといけないことだってあるのです。たった2秒でもこだわらないと、全国で流れるんですから!)どれだけ厳選されたものがオンエアされているか噛みしめながらテレビを見ると違った見え方ができますよね! そういえば、バリ島にサマバケで行って参りました、しかしもう遠く昔のことのように思えます。多分毎日が充実してるからかな(笑)? 南国リゾートなんて初めてでしたが、スノーケリング、ラフテイング、サーフィンなど、いろんなマリンスポーツを体験しました。もうそろそろフューチャリングスポルトの水野さんから、オファーが来てもいいのではというほど、マリンスポーツを頑張った結果、日焼けあらため日焼けドしました!スポーツ局の皆さん、日焼けを皮切りに僕に話しかけてくださり、ありがとうございました!もう白くなり始めちゃってますけど… ☆コーナー ジコマン映画寸評2008 “キャッチミーイフユーキャン” フジテレビの面接の時、一番好きな映画は?と聞かれたら、このタイトルを挙げていました。 1史実に基づいていること。 2親父と息子の関係を描いていること。 3クライムムービーであること。 4トムハンクス主演。 数々の僕のツボをついてくるこの映画、何度観ても飽きませんし、disk2の特典映像もまた観てしまいました。憎いぞスピルバーグ! ディカプリオ扮するフランク・アバグネイルが、両親の離婚をきっかけに家出。17歳にしてパイロット、医者、弁護士になりすまし、世界を飛び回るのですが…。こんなに観ていてワクワクする映画は他にないと思います。 “SEVEN” デビット・フィンチャーとブラピが組んだ作品は他にもファイトクラブがありますが、こっちは、僕的には娯楽性の薄い衝撃作!ブラピの演技というか仕草が今ほど洗礼されきっていないのも見どころかと… では、また! → ページのトップへ
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