スポーツ新入社員奮闘記

第26回 「ライオンの水浴び」
2008.11.11

スポーツ局
08年度入社 青木僚平

『きけ わだつみのこえ』
という本をご存知でしょうか。第2次世界大戦中に戦死した若者の手記(主に遺書)を集めた遺稿集です。戦地から故郷へ向けた兵隊の手紙なども掲載されています。当時はもちろん軍国主義の世の中ですから、手紙などは逐一チェックされ、国にとって、軍部にとって、不都合な記述が発見された場合には、即刻廃棄ということも珍しくない状態でした。軍部への、戦争への、不満や怖れがあるにもかかわらず、それを押し殺し美化した内容で故郷に最期の手紙を送ってくる若者の手記も多く、その裏に隠された無念さと悔しさを感じさせるものが多く見られます。現代を生きる僕らは手紙に隠れた本当の意味を、文章の表面から汲み取らなければなりません。
表現の自由が確立されている現代においてももちろんそれは同じことで、見えない圧力によって制限されている内面を、目に見える外面から読み取ることは義務に近いことなのかもしれません。

高校の時に初めて読んで衝撃を受けたこの本を最近読み返したことと、ジャーナリストの筑紫哲也氏の死の時期がちょうど重なったことで、こんな真面目なことも少し考えたのでした。何も、常日頃、一人で何を食べに行こうかを考えているというわけではないのです…。

さて、前置きが少し長くなりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?一気に気温が下がる中、テンションだけは下げないように頑張っている青木です。

最近、かねてからの心配ごとの一つが解消されました。雪見だいふくよりも白く、ドモ○ルンリンクルよりも透明なAD阿部の肌が、見事にこんがり焼けたのです。

シンボルである三白眼を強調するロースト阿部
前回のブログの最後にもちょろっと書いていたようですが、彼にもついにサマーヴァケイションが訪れまして、どこに行ったかは知りませんが、帰ってきた阿部は見事にローストボディになっていました。「アベの顔色の悪さを本気で心配する会」で理事を務めている青木としましても、胸をなでおろす瞬間ではありました。
ただ、自分の肌の白さの自覚なく無理やり日焼けした彼は現在痛みと痒みに苛まれていますが…

さて、今回のトピックスは…「日本シリーズ優勝対応」です。
西武の逆転優勝で幕を閉じた今年の日本シリーズですが、その裏で、我がすぽると!は優勝バージョンのオンエアー準備のため大忙しでした。

優勝が決まる日のすぽると!は…
☆祝賀会場のあるホテル(巨人は東京ドームホテル、西武はパークタワーホテル)の部屋から生中継
☆ビールかけが終わった選手が生出演
という豪華シフトを敷いています。そこで、いつもは宴会場などに使われているであろう普通の部屋にカメラさん等が入り、スタジオの状態にするという極めてイレギュラーな空間を作り出します。今回、フロアAD(カンペを出したり、5秒前、4、3、2みたいな)を任された僕は、その環境の違いにビビりまくりでした。通常のスタジオでも先輩の足を引っ張ってばかりなのに大丈夫だろうかと…

9日、19時頃に東京ドームホテル着。とりあえず試合会場から近いドームホテルを本部としてスタンバイを開始します。
このときは2−0と巨人のリード。このまま試合が終わってくれれば段取り通りの展開に…なんて思っていたら西武が同点、さらに逆転に成功します!
状況は一変、西武の優勝に備えて荷物をすぐにパークタワー東京ホテルに移動。ホテルに着いた瞬間、西武の優勝が決定!すぐさまスタジオ、ビールかけ会場の場所を確認します。

ドームホテルから パークタワーへ

正直、この辺から本番が終わるまでの間は、今思い返しても息が切れます。構成表や台本のコピー、MCさんとの打ち合わせ、スタジオに指示を出している副調整室(これはフジテレビ)との掛け合い確認、時間に全く余裕が無いままついに本番に突入しました。
しかし、本番が始まった以上、うろたえる訳にはいきません。本当は内心かなりテンパってたんですが、MCさんに安心して番組を進めていただくため、涼しい顔をして先輩Dさんをフォローしました。
試合が少し長引いたため実際のオンエアーでは、選手はスタジオに間に合いませんでしたが、絶妙のタイミングでビールかけが始まり、生ビールかけを放送することが出来ました。
特に事故もなくオンエアーは終了し、帰りの車の中で、安心からか、先輩Dさんとガッチリ握手。充実感を噛みしめたのでした。
何となくサンシーロ

さて、短いのですが今回はこの辺で失礼したいと思います。
いよいよ、相撲も九州場所が始まりまして、白鵬に初日から土がつきました。千秋楽に出張で行く予定なので、次回はそのことについて書ければと思います。
寒さが厳しくなってきました。電気毛布がおすすめです。
それでは。