スポーツ新入社員奮闘記

第14回 「リアルタイム症候群」
2008.8.19

スポーツ局
08年度入社 青木僚平

 『日本の夏がただ陽気なだけじゃなくて何となく物哀しいのは、多分甲子園と終戦記念日があるからだよね』

 高校時代に同級生がポソっと言ったこの言葉を今もハッキリ覚えています。皆さんいかがお過ごしでしょうか。「北京」から颯爽とブログを更新する男、青木です。いやー北京は暑いし熱い!!

 ………ごめんなさい、北京は嘘です。あまりにスポーツ局が盛り上がっているので、ちょっと北京にいるつもりで書いてみたかったのです、すみません…
 さて、オリンピックも開会から10日が経ち、早くも多くのドラマが生まれました。皆さんはどの種目に一番感動しましたか? 僕は、まぁ種目ではないのですが、開会式を見て泣きそうになりました。人の集合体があれほどのエンターテイメントを生みだすものかと。

 もちろん、様々な批判的意見があるのも事実でしょう。口パク騒動しかり、CG花火問題しかり、過剰な演出しかり…感動を呼ぶためなら「インチキ」は許されるのかと。四川で大地震が起きたばかりなのに、あれ程贅を尽くした開会式をやるのは配慮に欠けるんじゃないかと。
 でもね。
 僕は良いと思うんです。特に今の中国なら。
 経済が急成長し、世界経済の中心に近づく一方で、言論統制やら大気汚染やら(あと中国人の人間性やら??)で、どこか世界から認められていないという感覚が中国人の中にはあったと思うんです。
 その反発だったのか否かは知りませんが、開会式では中国から世界に伝わった発明、紙や活版印刷、山水画、陶磁器、羅針盤などが展開されました。つまり、経済成長無しでは実現出来なかった絢爛なショーの中で「経済ばかりじゃない。中国には歴史がある、伝統がある、技術がある」と反発する中国の印象を僕は受けました。「もっと見て、もっと見て」というようなある種の幼さ(大人げなさ?)を帯びた演出を一生懸命やり続ける演者の姿に、グっとくるものがあったのです。
 まぁ簡単に言うと「感動した」んです。閉会式が楽しみです。

 さて、我がすぽると制作部も、最近は北京一色で染まっております。北京は皆さんご存じのように日本との時差が1時間しかありません。それゆえ、今年のオリンピックのスローガンが『リアルタイムの夏 リアルタイムの感動』なのですが、これがスポルト的に何を意味するかわかりますか?
 一日の最後の競技が終わるのがだいたい日本時間で夜11時半。すぽるとのOAはだいたい12時前後。

 もうお分かりですね!?
 そう。リアルタイム故に、そしてすぽるとに間に合うが故に、編集が超!!!忙しいのです。

 テレビで流すニュースの映像にしたって、国際映像(普段中継で流れている映像)のいい場面をただ繋げば良いというものでもありません。すぽると!らしさを出すためにフジテレビが自ら撮影した映像(通称ユニ)なんかと組み合わせながら、臨場感を出すのです。さらに出来上がった映像に合う原稿を書き、粋なスーパー(字幕)を考えます。競技によっては、OAで流れる30秒前に完成する、なんてこともあります。
 まぁこんな風に大変だ!大変だ!と言ってはいるものの、僕なんかはまだ北京五輪のニュースは作れないので、そんな大変な先輩を見て、ただ感心している毎日です。

 四年に一度の祭典も残すところあと1週間。どんなドラマが待っているのか。そして、肌が白すぎるのを気にして今日海に行っている同期の阿部が、どれだけ日焼けして帰ってくるのか。(ちなみに今日の天気は雨、気温は23度)楽しみです。今回はこの辺で。それでは。