<  2008年 06月   >
我が家の庭に咲く花々―18、ブラック・クローバー再訪

(ブラック・クローバーの花。6月17日撮影。)

 今日の花は「ブラック・クローバー」です。2月21日に珍しい黒い葉っぱを紹介しました。

 黒い葉っぱは珍しかったので、以下のようなことを書いています。

「黒色の葉では表面で光を吸収してしまい、葉の内部に届く光の量はずっと少なります。光合成はうまく出来るのでしょうか。多分葉緑素のある部分は黒ではないのでしょう。いつか顕微鏡で葉の表面を観察してみましょう。」まだ宿題をやっていません。

 「私はブラック・クローバーをこの冬初めて見ました。春以降、葉や株がどのように成長するか楽しみです。もちろん花も楽しみです。まさか黒い花が咲くことはないのでしょうが。」

 上の花の写真を見てください。何の変哲もないクローバーの花ですね。以前に「植物の種子はいい加減ではない」という記事を書きました。子孫を残すにはしっかりとした戦略が必要だからです。種子だけでなく、花にもしっかりとした戦略が必要でしょう。花の色を黒くして遊ぶわけにいかないのでしょう。

 葉っぱまだほとんど黒ですが、ちらほらと緑の葉っぱが出てきました。夏の暑さを越す戦略かもしれません。もう少し観察すると面白いかもしれません。

by fewmoremonths | 2008-06-30 18:34 | 我が家の庭に咲く花
我が家の庭に咲く花々―17、スカビオーサ

(チョコレートのお菓子みたい、スカビオーサ。6月19日撮影。クリックすると小さな花がよく見えます。)

 今日の花は「スカビオーサ」です。冬が去って気温が高くなると、どんどん大きくなる草がありました。茎の長さが1メートルを超えると、花を咲かせました。

 丸い花球は結構重いらしく、雨が降ると水を吸って重くなり垂れてしまいます。妻の作る花は行儀の悪いものが多い。

 スカビオーサにはいろいろな色の花が咲くようですが、我が家にあるチョコレート色は好きですね。丸い形もチョコレートのお菓子にそっくりで本当においしそうです。

 スカビオーサはたくさんの小さな花が集まって球状になっていることが分かります。似た花に白いコデマリスィート・アリッサムがありましたが、スカビーオーザの花はもっと小さく、構造はあまりよく似ていません。コデマリやスィート・アリッサムはぜんぜん違う種ですから。
by FewMoreMonths | 2008-06-29 15:00 | 我が家の庭に咲く花
先週は古いPCがインターネットにつながらなかった

(マダム・イサック・ベレール。5月18日撮影。)

 先週はブログを休むことになりました。体調もいま一つだったのですが、半分はPCのせいでした。回線はつながります。しかしインターネットエクスプローラー(IE)が、webサイトは見つかるのですが待機中になり、最後にタイムアウトで終わりになります。

 Bフレッツの回線かPC-OSの問題かわかりません。NTTさんの技術者に来ていただいて調べてもらったら、回線は問題なし。

 そこで回線をPCにつなぎなおして動かすと、すべて正常に動き始めるのです。きまり悪いではありませんか。NTTの方にありがとうとお帰り願いました。往々にして起きることですが、しばらくたってもう一度試すと、またもとの回線不良が始まりました。もう一度NTTにお願いするのも気が引けます。普通こういうときは、泣く泣くユーザーが新しい機器を買ってトラブルを解決するしかありません。

 「モッタイナイ」を信条にしていますので、簡単にPCを買い替えることもできません。1月21日に同じ事が起きているのを覚えていなかったので、時間ばっかりかかりました。1月21日のことを思い出して、IE内の情報を削除しました。だいぶ動きが良くなりました。ようやく回復しましたと思います。といってもデスクトップのデルはボロボロですね。

 KTTなんて意味不明な単語を書いていました。NTT東日本のことです。失礼しました。

by fewmoremonths | 2008-06-28 13:50 | その他
ある大腸がんの報告-7
(図7: 加藤洋著「消化管癌の発生の自然史」(参考書D)の22ページから引用したダブリングタイムの時間的変化の模式図である。クリックするときれいになります。)

(図8: 肝腫瘍のCT写真を示す。1月30日の左写真に腫瘍は存在しない。クリックするときれいになります。)

ダブリングタイムの変化は見えたか(注*)
 加藤洋著「消化管癌の発生の自然史」(参考書D)21,22ページにある記述に興味を引かれた。図7は、参考書Dの22ページから引用したダブリングタイムの時間的変化の模式図である。ただし、データは大腸がんでなく胃がんに関するものである。横軸は時間を、縦軸は腫瘍細胞数を表す。earlyは初期癌を、lateは進行癌を表す。胃がんでは、初期から進行状況に移行するときダブリングタイムは数倍から10倍短くなる、つまり癌の進行がこのファクターで早くなることを示す。参考書Dによれば、初期癌は表在生長型であり、粘膜の表面で横に広がりながら成長するため、その生長のスピードは遅い。進行がんは深部生長型であり、生長のスピードを約10倍高めるという。
 本大腸がんでは化学療法を徹底的に行っているので腫瘍サイズの変化はその影響を受けており正しいダブリングタイムを求めることはできない。ただし、図3から、2007年前半(化学療法ストップ時期)のサイズの時間変化の傾き(ダブリングタイム~0.4年)は2006年以前の傾き(ダブリングタイム~2年)よりも数倍短くなっていることを、見て取ることができる。図4のマーカー値の時間的変化は2005年半ばを前後で変化している。つまり、earlyからlateへの変化が2005年半ばに起きたことを示しているかもしれない。
 しかし、図3に示した腫瘍サイズにそのような急激な変化は見られないが、この時期以降肺腫瘍数が増加している。
 残念ながら明確なことを言うことはできない。  

肝臓腫瘍の増大の速度
 肝臓の腫瘍が今後どうなるかは余命の評価に重要である。肝腫瘍のCT写真は2008年1月30日(腫瘍の痕跡のみ)と同年5月9日のデータにあるのみである。図8に肝腫瘍の写真を示す。同年7月4日に改めてCTを撮り肝臓腫瘍のダブリングタイムを評価する。また、肺腫瘍のダブリングタイムも改めて求め、余命の評価をする予定である。

骨腫瘍と脳腫瘍
 それぞれ、リニアックによる放射線治療とガンマナイフによる治療を可能な限り行う予定である。6月下旬、日常生活が骨腫瘍による痛みに影響されている。

標準治療に検査の規定を入れるべき
 大腸がんは肺・肝臓・骨盤に高い頻度で転移を起こすことが知られている。そのため、肺・肝臓・骨盤のCT撮影が行われ、転移の早期発見に努める。
 大腸がん発見後5年後になると、稀ではあるが、骨・脳その他への転移に注意しなければならない。それらの臓器への転移を早期に発見することは、それらの転移腫瘍の治療に重要である。
 以上を考えると、標準治療に全身の検査項目を、たとえばPETおよびMRIによる検査を5年後以降の定期的検査項目として入れるべきである。


注*: これらの記述に関して、立花隆氏より学ぶことが多かった。ここに感謝する。

――以上――
by fewmoremonths | 2008-06-21 11:25 | 大腸ガン治療経過
ある大腸がんの報告-6

(図5:もっとも大きな肺腫瘍(腫瘍3)の2007年6月からの一連のCT写真を示す。)

(図6:北野宏明・竹内薫著「したたかな生命」より引用した模式図。)

腫瘍中心部の酸欠と転移(注*)
 図5に、もっとも大きな肺腫瘍(腫瘍3)の2007年6月からの一連のCT写真を示す。2007年8月に腫瘍が中空になったことがわかる。当時血管新生阻害剤Avastinを投与していたのでその効果と期待した。
 北野宏明・竹内薫著「したたかな生命」(参考書C)137、138ページに「癌細胞の酸欠」に関する記事があり興味を引かれた。図6は同著書から引用した模式図である。腫瘍中心部が酸欠状態になると、HIF-1遺伝子が活性化され、それにより、①数種の遺伝子が活性化され転移を引き起こす、②VEGF(血管新生増大ファクター)遺伝子の活性化による血管新生、の2つの道筋をとる。本大腸がんではこの時期ちょうどAvastinを投与していたので②の道筋が阻害され、転移という①の道筋が活発に取られた可能性があった。この説は、2007年末から始まった著しい転移を説明することができる。


注*: これらの記述に関して、立花隆氏より学ぶことが多かった。ここに感謝する。


by fewmoremonths | 2008-06-19 17:04 | 大腸ガン治療経過
ある大腸がんの報告-5
(エヴリン。ちょっとグロテスクですが美しいバラです。5月15日撮影。)

抗がん剤治療に関する患者からのコメント
 ある抗がん剤投与を開始したとき、その投与をいつ終了するかは、もう少し研究が必要と思われる。投与終了に使われる指標として、薬の効果がなくなったときを、腫瘍サイズの増大(CTデータより)、および腫瘍マーカーの増大を過去のデータと比較して中止時期を判断した。
 本大腸がんに関しては、化学療法を行っている期間に、腫瘍サイズの時間変化はかなりゆっくりであり、ある抗がん剤をもう少し長い期間(どの程度の長さかは実際に実行して決めなければならないが)使用することができたかな、という印象を思った。
 抗がん剤投与以降、マーカー値が正常値まで下がることはなかった。種々の理由(副作用の日常生活への影響等)により抗がん剤投与を継続的に行うことができなかったことが大きな理由と思われる。
 また、抗がん剤の使用を中止する別の指標として副作用のひどさを使う。本大腸がんでは、FORFIRIおよびTS-1の中止時にこの指標を使った。

標準治療と休眠療法へのコメント
 これらの治療に関しては、高橋豊著「がん休眠療法」(参考書A)及び高橋豊、岡本正人著「がんを狙い撃つ「樹状細胞療法」」(参考書B)を参照のこと。
 化学療法は、いわゆる標準治療では、毎回投与する抗がん剤の量は、第二相試験で「効果」を基準として決められる。基準量は、単位体表面積あたりで表されていて、それに患者の体表面積をかけることにより求めることができる。基準量は強い副作用を引き起こすときがある(参考書Aには何%の患者に強すぎるかの数値は示されていない)。
 休眠療法では、抗がん剤の判定に使われている「効果」がベストな指標かどうかを考えようというものである。新たな指標として「骨髄抑制(白血球、血小板の減少)」を使うことにより、基準量は、患者に依存することになるが、標準治療と比較するとその量は少なくなることが多く、多くの患者が適切な化学療法を受けることができる、つまり、延命期間の延長を図ることができる、と考えるものである。
 本大腸がんの化学療法においては、標準治療における抗がん剤の基準量が使われた。ただし、TS-1においては副作用(視力への影響等)が強く出たので、約20%程度標準治療よりも低めの量が使われた。本大腸がんにおいては、標準治療による薬の基準量が多すぎることはほとんどなかった。
 問題は、休眠療法の場合、抗がん剤の量をさらに減らせ、さらに長期に化学療法を継続できたかどうか、の判定になるが、無論、本大腸がんに関して、ここでその答えを出すことはできない。
 現在休眠療法の第三相試験が行われていると聞いているので、標準値量との対比の結果が近々得られるものと思われる(参考書Bページ168)。休眠療法は標準治療の変わりに考える療法であって、標準治療が行った後に行う療法と捕らえるべきではない。
 全国の医師がすべて化学療法の深い知識を持っているわけではない。そのとき、恣意的な指標を使って化学療法を行うことはきわめて危険なことである。化学療法をマニュアル化し、それに沿って治療を行うことは事故を防ぐのに重要である。現在の標準療法と比較してよいマニュアルがあるか、そのマニュアルを各病院の医師がある程度簡単にかつ間違いなく行うことができるかどうかである。今後その方向に向けて標準治療のマニュアルを整備していく必要はあると思われる。
by fewmoremonths | 2008-06-18 17:47 | 大腸ガン治療経過
ある大腸がんの報告―4

(図4:腫瘍マーカーCEA、CA19-9の時間的変化。腫瘍マーカーの正常値はそれぞれ5および37以下である。縦軸は対数表示。クリックすると見やすくなります。)

腫瘍マーカーの時間変化
 腫瘍マーカー値の時間変化を図4に示す。マーカーCEAおよびCA19-9の正常値は、それぞれ5および37以下である。Cetuximabを2008年4月21日に投与したのが抗がん剤投与の最終回となる。2008年6月12日の腫瘍マーカーは極端に高い値となっている。
 2000年11月の手術によりマーカーは正常値に戻った。2004年半ばのディップは左肺腫瘍を手術によって除去した効果を表す。2005年秋に右肺に腫瘍が見つかり、その時点からマーカーの急激な上昇が見られる。
 本格的な化学療法は2006年4月から開始されたが、マーカーの急激な減少が見られ、治療の効果が見られる。2007年半ばのマーカー値の増加は、間質性肺炎等による抗がん剤投与の中止による癌の増大を表している。2007年秋におけるマーカー値の減少はAvastinの効果による。しかしその減少値は大きくはなかった。
 マーカー値の増大と腫瘍サイズの増大に間に比例関係はない。従って、抗がん剤の効果を判定するとき、安易にマーカー値増大を指標に使うべきではなく、CT写真による腫瘍サイズ増大を使うべきである。2008年に入ってからのマーカー値の変化と腫瘍サイズの変化を比較すれば、その傾向を見て取ることができる。
 しかし、2008年次に腫瘍サイズがある程度抑制されているが、マーカー値は増加を続けたのは、なかなか理解に苦しむ傾向であり、今後の検討が必要であろう。

by fewmoremonths | 2008-06-17 09:14 | 大腸ガン治療経過
ある大腸がんの報告-3

(図3:肺腫瘍1次元サイズの相対的時間変化(対数表示)。クリックすると見やすくなります。)

腫瘍(転移)サイズの時間変化
 転移によって生じた肺腫瘍のサイズの変化および新たな腫瘍の発生はCTによってある程度恒常的にモニターされた。約11個の腫瘍のサイズの時間変化を図3に示す。縦軸は対数表示になっているが、腫瘍の1次元相対的サイズ(~直径)を示す。y軸0.2が腫瘍直径約3cmに相当する。
 ダブリングタイムは、がん細胞数の増大が指数関数と仮定して、その数が2倍になる時間を表す。本大腸腫瘍直径のダブリングタイムは1.1~3年程度のばらつきを持つ。がん細胞数が腫瘍の体積に比例すると仮定すれば、グラフからダブリングタイムの大雑把な値を求めることができるが、その値は約4~12ヶ月となる。
 2006年4月~2006年末、および2007年5月~2008年4月の期間、腫瘍サイズの増大が抑えられている。この期間は、それぞれFOLFOX,および、AvastinおよびCetuximabを投与した期間である。これらの抗がん剤は本大腸がんに対してかなり効果があったことが分かる。
 2007年1月~5月は、TS-1投与中止後の期間および間質肺炎のため抗がん剤投与を中止した期間に相当する。腫瘍直径のダブリングタイムは大雑把に6ヶ月である。
 図3に示した腫瘍はすべて右肺に発生したものであり、切除した左肺の2腫瘍は含まれていない。2006年以降における腫瘍の情報を基に時間を戻していくと2004年のCTに数mmの大きさの腫瘍の影を数個同定することができる。つまり、当時の解像力では数mmの大きさの腫瘍を見つけることはできなかったことを示している。時間的に繋げたCT写真を使うことにより、微小な腫瘍の探索手段を改善することができよう。

 腫瘍数の増加は示さないが、グラフに示した腫瘍以外に約10個の肺腫瘍が新たに発生した。腫瘍数の時間変化の解析は行っていないが、重要な指標である。
by fewmoremonths | 2008-06-16 10:32 | 大腸ガン治療経過
我が家の庭に咲く花々―16、ヘーベ

(冬、ヘーベの花芽は葉に包まれている。1月28日撮影。)

(可憐なヘーベの花。復活した我が家のヘーベ。6月24日撮影。)

 今日は土曜日。閑話休題です。

 今日の花は「ヘーベ」です。「ヘーベー」と間延びした呼び方はだめだそうです。わが庭で咲く花の中で最も好きな花です。

 上の写真を見てください。ヒマラヤには温室植物・セーター植物と呼ばれる高山極限植物相があるそうです(大場秀章著作選Ⅱ)。へーべが葉で花芽をすっぽり包んで冬を越す姿は、まさにわが国の温室植物です。

 ヘーベは低木でなかなか大きくならない木です。それでも10年ほどしたら50センチほどの高さになり、多くの枝を出してその先端に美しい紫色の花を咲かせました。微妙な色の美しさに感嘆しました。

 3年前でしょうか、雪のために木自体が壊滅的な打撃を受けて枯れてしまいました。そのまま放置しておいたところ、なんと1本の細い枝から目が出てきたではありませんか。大切に育てたところ、昨年はだいぶ大きくなり2,3輪の花を咲かせました。そして今年。枝もかなり大きくなり、復活しました!

by fewmoremonths | 2008-06-14 10:44 | 我が家の庭に咲く花
ある大腸がんの報告―2

(表1。クリックするとよく見えます。)

(表2。クリックするとよく見えます。)

副作用について
 気がついた抗がん剤の副作用をリストにした(表1および2)。5FUによる脱水症状は日常生活に大きな支障を来した。Cetuximabは副作用が少ないといわれていたが、グレードは低いが皮膚への副作用(アカギレのような傷等)は日常生活に支障をきたした。白血球数や血小板の減少等は表に網羅されていないことに注意されたい。
 2007年4月の間質性肺炎に関するコメント: 肺炎約1ヶ月前の2007年2月に撮影されたCTを見ると、左肺に、新たな薄い影が発生している。この影は4月の間質性肺炎の前兆だった可能性があり、間質性肺炎の早期発見に使えた可能性があった。

by fewmoremonths | 2008-06-12 18:25 | 大腸ガン治療経過