佐々木閑先生の「日々是修行」:「合理的に考える」とは、続き

(我が家のチューリップ。多世界宇宙論のイメージ。4月20日撮影。)

 またまた閑話休題です。

 昨日、佐々木閑先生の朝日新聞エッセイ「日々是修行」を久しぶりに読み、その内容を紹介しました。関連した内容は2月19日のブログにも出ています。

 気楽にチューリップの写真をご覧になって、「多世界宇宙論」をイメージしていただけたら、と思います。

2月9日に、「多宇宙論では、たとえ一般相対性理論や素粒子理論の基本法則が同じであっても(多宇宙論自体が一般相対性理論と素粒子理論を使って導出された)、その中にある基本的パラメータは自由な値をとることが出来ます。そのため、ほとんどの宇宙はビッグバン後直ちにつぶれてしまうでしょう。我々の宇宙の特殊性は何なのか、というのが議論されてきました。「人間原理、Anthropic Principle」に逃げ込むというのが現在の考えです。つまり、我々が生存できるちょうど適当なパラメータを持った宇宙が我々の宇宙である、ということです。」と書きました。

 われわれが住んでいる宇宙は、10の100乗個以上の可能性がある宇宙の中でたった一つのものだ。たまたまそこにわれわれの生命を育むちょうどよいパラメータが存在した、われわれは幸いなるかな、と言うのが人間原理です。

 異なった宇宙と情報を交換することはできないので(現在は。下手にできるようになると、両方の宇宙は相互の反応で崩壊してしまう。)、この議論は形而上学・神学議論となんら変わりません。しかし無限にイメージを膨らますことはお遊びとしてよいのではないでしょうか。

 上の写真は、我が家のチューリップの写真です。上向きに時間が走っているとします。チューリップのつぼみが膨らみ始めた場所が宇宙のビッグバンです。つぼみが咲かずにしぼんでしまうということは、残念ながら宇宙がつぶれたことを示します。咲き始めた宇宙は、めでたくわれわれがすむことのできる世界です。この写真では可住世界が多すぎますが花のイメージですから。可住世界は、先ほど言いましたように、10の100乗個以上あるうちのひとつです。

by fewmoremonths | 2008-04-20 14:15 | 人生


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