佐々木閑先生の「日々是修行」を久しぶりに読む: 「合理的に考える」とは

(昨年春友人に頂いたコチョウランが越年して数日前開花。どうもありがとう。4月19日撮影。クリックすると大きくなります。)

 閑話休題です。

 昨日、一昨日と2日連続して都心に行ったらさすがに疲れてしまい、今日午前中はずっとベッドの中でした。よく散歩する坂川に出かけたかったのですが、今日も天気が悪いので、家にいてゆっくり休むことにします。

 コチョウランですが、年を越してめでたく咲きました。よかった、よかった。10個以上咲くようなので楽しみです。友人のTさん、ありがとう。

 さて、入院などトラブル続きだったので、新聞を見る余裕もなく、今日4月17日朝日新聞夕刊に出た佐々木閑先生の記事を久しぶりに読み、いつもながら学ぶところがありました。

 簡単に紹介します。

「この世界は、時々刻々と分裂を繰り返していて、あなた自身も次々と分裂している。今ここにいるあなたは、そういった平行世界の中に大勢いるあなたの中の一人にすぎない。他の世界には別のあなたが存在しているのだ」

「この説は、れっきとした物理学の理論である。『多世界解釈』という。正しい理屈と、精密な計算の結果得られる、正当な理論であって、多くの科学者が認めている(私も支持者だ)。」

「釈迦は「合理的に考えよ」と言ったが、実践するのは難しい。だからこそ、そこに、修行という、独自の精神鍛錬が必要となるのである。」

 昨日のブログで、「4月7日の朝日新聞に載った記事をもう一度読み返す。表題は、クロストーク:柄谷行人さんに分子生物学者福岡伸一さんが聞く:科学者の課題は何ですか、「未来の他者」との対話が必要、温暖化論議の陰に原発推進論」をもう一度読み返した、と書きました。この佐々木先生のエッセイに関して、柄谷、福岡両氏がどうレスポンスするのか、ぜひ聞きたいと思いました。(朝日新聞さん、聞いてくれませんか)。

 しかし、佐々木先生は、途方もない仏教学者ですね。私も一応宇宙物理学をかじっていますが、多世界宇宙論は勉強していないので、佐々木先生とお話しすることもできません。恥ずかしい限りです。

 恥の重ねになりますが、1,2コメントしたいと思います。

①上に「多くの科学者が認めている(私も支持者だ)」とありますが、『認めている』とは、実際科学者が何を認めていると言おうとしているのか。
②「合理的」と書かれているが、私にとってむしろ「論理的」というほうがしっくりする。多世界宇宙論は論理的に誤謬がない理論だからです。まあ、同じことかもしれませんが。
③論理的に整合の取れた理論構造は、天才の頭脳の中で無限に作ることができます。しかし、その理論を自然が採用しているかどうかは、まったく別問題です。
④そのため、自然がどの理論を実際に採用しているのかを観察等で調べることは、理論構築と同じかそれ以上に重要な科学作業だと考えているのです。

by fewmoremonths | 2008-04-19 15:19 | 人生


<< 佐々木閑先生の「日々是修行」:... 人生: 久しぶりに東京へ、植物... >>