平成20年度科学技術政府予算案の紹介―2、重点化に伴う大項目

(科学技術関係予算案の重点化に伴う大項目。総合科学技術会議より。クリックして大きくしてください。)


大学等の基盤的経費、科研費等の基礎研究 
       1兆4720億円 (△134億円、△0.91%)
重点推進等8分野
       1兆7465億円 (+467億円、+2.7%)
人材育成、理解増進、産学官連携、知財、地域イノベーション、等
          3523億円 (+262億円、+7.4%)

 です。大学等という項目が基礎研究(すべてではない)に当たります。基礎研究を0.91%減らして産業界に貢献するイノベーション等を2.7%増やしています。人材育成等は7.4%の伸びと大きいのですが、絶対学は他の大項目の4分の1程度です。

 いつも思うのですが、この大項目には違和感があります。私学助成、国大運交金は、ほとんどが教育に関する経費に使われているのが現状です。それを科学技術としてくくるのはおかしいですね。この項目には、科研費、そして、グローバルCOE等、いわゆる「拠点形成等補助金予算」が入るべきです。

科研費       1932億円 (+19億円、+1%)
研究拠点形成等  430億円 (+4.6億円、+1.1%)
世界トップ拠点    71億円 (+36億円)
合計         2433億円

となります。研究拠点形成等の半分以上は教育用ですので注意が必要です。また、この中の一部の経費は、大項目の人材育成等に該当します。細かいことを言っても切りがありませんから、このくらいにします。

 該当するアメリカの基礎研究経費(2009年度政府提案)は2.9兆円でした(¥100/$)。日本と比較して10倍以上の開きがあります。

 総合科学技術会議の基本計画推進専門調査会で一部の委員が口を酸っぱくして大学のサポートをしても、肝心の大学がうんともすんとも言わないので、大学無視の議論がそのまま通ってしまいます。

 また、学術学会は、政治的なものを言わないのが偉いと思っているらしく、学術行政にものを言ったのを聞いたことがありません。

by fewmoremonths | 2008-04-17 09:17 | 科学政策


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