(2008年3月15日撮影。絞りの入ったサクラソウ。クリックすると大きくなります。) (2008年3月15日撮影。絞りの入ったサクラソウ。クリックすると大きくなります。) (2008年2月10日と3月15日に撮影した花のアップ。めしべに注目。クリックすると大きくなります。) サクラソウの花にはいろいろな変異があります。前回の写真には偶然、5弁と6弁の花が咲いていました。 上の写真を見てください。1枚目の写真には、花弁の一部が白くなった絞り入りサクラソウが写っています。ピントが甘くて恐縮です。2枚目の写真は、花弁が大きく切り込んでいたのが面白かったのでシャッターを切りました。 前回の写真を拡大したものと、上の2番目の写真を拡大したものを並べてみました。3番目の写真がそれです。花の中心に注目。左右でちょっと違いますね。左の花では、めしべ(柱頭)がはっきり見えます。おしべはずっと奥に入っています。ところが右の花では、めしべは見えずに何本かのおしべが籠のようになっているのが見えます。めしべは、籠の中にあるようです。 めしべを作っている柱を「花柱」というそうです。左右の花で花柱の長さが違うし、めしべとおしべの位置関係が大きく違うようです。 そこで花の本を見てみました。左右の花にはちゃんと名前が付いていました。左の長い柱頭の花は「長花柱花」(ちょう・かちゅう・か、と読む)で、右の短いのは「短花柱花」です。 受粉の仕組みが大変神秘的です。ハチが、たとえば短花柱花で蜜を吸おうとして、舌を花の奥に差し込みます。おしべは上のほうにあるので、花粉は舌の元に近いところに付きます。同じハチが長花柱花に行って蜜をなめようとします。花粉は舌の元についているので、上にある柱頭に位置がうまくあって花粉がうまくくっつくのです。 逆に、ハチが長花柱花で蜜を吸うと、花粉は舌の先端につきます。次に短花柱花で舌を差し込んだとき、花粉が舌の先端にあるので、奥にある柱頭にうまくくっつきます。どうやら健康な種を作るためには、長花柱花と短花柱花との間で花粉を運ばなければなりません。逆に、このような受粉をハチにやってもらうために2種類の花ができたということです。 なんだか、サクラソウは策に溺れすぎているような気がしますね。 by FewMoreMonths | 2008-03-20 16:52 | 我が家の庭に咲く花
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