我が家の庭に咲く花々―10、サクラソウ-1:プリムラ・シーボルディ

(サクラソウ。2月10日撮影。クリックすると大きくなります。)

 プリムラ・シーボルティとは難しい名前ですが、サクラソウのことです。どこにでもある草花ですが、私の大好きな花のひとつです。田舎に育った私にとって、たくさんのこぼれ種が一斉に芽を出し、広い庭一面がピンクの花に埋まる春が大好きでした。その記憶がまだ残っています。

 今ある猫の額ほどの庭でも、こぼれ種から育ってきたサクラソウがかわいくて仕方ありません。妻もこのことがわかっているので、サクラソウの芽が出ると、日光がよくあたる場所に移植してくれます。関東は今年2月に入って寒波が来ましたが、サクラソウはすでに1月から花芽をだし、雪にもめげず花を咲かせました。

 上の写真は2月10日、寒い盛りの写真です。ピントがつぼみにあってしまいました。実際の花の大きさは1センチ以下しかないのでピントを合わせるのが難しいです。

 左上の花は普通見られる5弁ですが、右下の花は6弁あります。気になって庭でもう一度チェックしたのですが、6弁の花は確かにありますね。

 そういえば、以前紹介した同じ属のプリムラ・ポリアンサは6弁の花です。

 今年もたくさんの花を咲かせてたくさんの種を落としてほしいと思います。

 最近植物学の本を読む機会がなかったのですが、大場秀章先生の「植物分類学・植物地理生態学」をぱらぱらめくっていたら、サクラソウの記述がちょっと目に入りました。サクラソウは、世界どこにでもある草花ですが、驚いたのは、海抜4000メートル以上あるネパール・ヒマラヤ高山帯でも、プリムラ属は48の種を展開していて、そのうち41種は固有種だそうです。サクラソウ属は、ユキノシタ属、シオガマギク属の次に多くの種を持つ植物だそうです。

 ヒマラヤにある植物はアジアやヨーロッパ、日本とも同じ種類の植物が多く生えている。特に固有化した「属」はヒマラヤにほとんどない。このことは、「最終氷河期における周北極地域からこれら植物の南下と、その後の温暖化による北上あるいは高山帯への移動」を考えるべき、とのことです。

 ちょっと横道にそれました。プリムラ属は、高度が高かろうが低かろうが、最終氷河期以降、貪欲に適応してあらゆるところに生えたのでしょう。


by FewMOreMonths | 2008-03-19 15:54 | 我が家の庭に咲く花


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