(医療用重粒子加速器「HIMAC」 http://www.nirs.go.jp/research/division/charged_particle/index.htmlから引用。大型で高価すぎるのが難点である。) 昨日の続きです。 前回までに骨の転移に関してお話しました。ちょっと小難しい希望を書いておきます。 骨転移のような新しい事態が出来したとき、患者として、いろいろな情報をぜひ知りたいと思います。 ①転移は今後さらに進行していくのか、 ②転移したほかの場所も痛くなっていくのか、 ③骨はもろく骨折の恐れがあるのか、 ④放射線があまり効かなかったがもう一度治療を行うべきか、 ⑤陽子線や重粒子線治療を考えるべきか、 ⑥その他、その他。 本当は、主治医の先生に詳しくお聞きして教えていただくのがベストです。しかし、診察はいつも大変込み合っていて、時間をとって先生にお話をお聞きすることはほとんど不可能です。やはり自分で調べ対処せざるを得ません。 以前に訴えたことがありますが、以下のように調べたいと思います。まず、似た症状の患者さんを探したい。検索の順位としては、 大腸がんステージ3a ↓ 肺再発 ↓ 化学療法 ↓ 骨転移 と奥に入って同じ境遇の方に行き着きます。そして、皆さんが上の項目にどのように対処しているのか調べたいと思います。 私のような物理学者が研究を行うとき、研究上の現象が理論的に解明できていないときは、まず現象の詳しいデータを集め、その解析により、現象の全体像およびヴァリエーションを捉えていきます。以上から現象の背後にある本質を抽出していくわけです。このような作業のため、データベースの構築は真っ先に行うべき大切な作業です。 物理学者が取る研究手法はお医者さんの手法とはまったく異なっているようです。データベースというと数十以下の症例を集めて満足しているようです。テラバイトクラスのデータをデータベースにせよとはいいませんが、検索の終端で少なくとも100例くらいのデータは欲しいような気がします。 友人のがん対策の大御所にお話したことがあります。高名な医学者でもあるので、私の考えを十分理解していただけたと思います。しかし、多くのデータを集めるには、ある規模の病院間ネットワークを構築して、それを通して患者さんにご協力をお願いする必要があると思います。村社会的な病院社会でこのような事業を展開することは、現状ではほとんど不可能なようです。 話は変わります。 つくばの加速器研究機構にいたとき、新しい医療用加速器の開発を行っている研究者を大いに支援したことがありました。陽子も重粒子も加速できるまったく新しいFFAGという方式の開発に取り掛かかっていました。最も重要な開発項目は、 ①コストを下げること。これにより、治療経費も大幅にダウンさせることができ、保険適用に持っていくことができる。 ②次にビームをCW(正しくはCB)的に出すこと。これによって、レーザーメスのように、ビームを精密に動かして腫瘍を焼いていくことができる(スポットスキャン)。面倒臭いシールド窓を省くことができる。 プロトタイプを作って運転までがこぎつけましたが、残念ながら開発を終了させることができませんでした。 基礎研究を設置目的とする研究所でもこのような応用分野に時間を割くことは、今後ますます重要になっていくでしょう。素粒子研究用最先端加速器に比べれば、医療用加速器の技術はローテクの部類に入るのですから。 by FewMoreMonths | 2008-03-18 08:33 | 大腸ガン治療経過
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