2月23日朝日新聞「複数大学で共同学部、文科省、設置基準改正へ」-2、地方大学をどうすべきか

(科学研究費補助金申請のために登録している研究者の地域・大学分類別の人数(平成17年度)。)

 昨日の続きです。

 先日2月23日の朝日新聞に、「複数大学で共同学部、文科省、設置基準改正へ」なる記事が出ていました。

 記事の中では、この構想が浮かんできた理由が3点挙げられています。今日は、その3番目、「地方の学生は地元に特徴ある学部や大学院が少なく、進路の選択が限られてしまっている」を考えて見ましょう。

 地方大学をつぶすわけにはいかず、その活性化をぜひ図る必要があります。地方大学の卒業生は、地元の産業の担い手であるからです。地方に住めばその必要性を痛感します。

 地方国立大学の活性化には、複数大学の連携は避けられないことだと思います。非効率な事務機構を考えたとき、連携による効率化は大きな魅力でしょう。また、教官も融通でき、事務官とともに教官の削減も可能になります。

 地方に大学を置くことは、大学の民営化で出来るのでしょうか。上に示した表を見てください。ちょっと見にくいですが、科研費申請のために登録している研究者を地方別、またいろいろな大学別に分類したものです。登録研究者数は、大体各大学の常勤研究者数に近い数字です。

 この表からすぐ気が付くのは、早慶を含む主要私立大学は大都市圏に偏在していることです。また、北海道、北陸、四国では、私立大学に所属する教官の割合は大変低くなっています。これは当然で、私立大学は、学生の集まらないところで経営を行うことが出来ないからです。必然的に大学数も少なく、教官数も少なくなります。

 地方に大学はぜひ必要です。まさに「複数大学で、地方に特色のある、共同学部・大学院を設置する」ことが、地方大学を活性化させる有効な方策ではないか、と考えます。

 私が朝日新聞のこの記事に注目したのは、まさにこの点です。

 昨日も書きましたが、地方大学大学の単なる共同はなかなか難しいような気がします。最終的には、法人を1組織とし、各大学がその法人によって運営することによって、共同もうまく機能することになるでしょう。最終的にはそのような方向に進むべきと思います。

 地方国立大学を廃止する可能性はあるのでしょうか。現在、道州制の議論が行われているようです。私見ですが、各道州に1大学法人を設置して、各道州に必要な複数の大学を当法人が経営することが、ベストと考えます。

by FewMoreMonths | 2008-02-27 08:05 | 教育


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