PISA2006を斜め読みする-9、自分で科学を学ぶ、その手段は?

(Figure 3.16, Chapter 3, PISA2006 reportを利用して作表。クリックすると大きくなります。)

 57カ国、15歳の生徒さんが40万人参加した調査結果を、報告書PISA2006を斜め読みしつつ、何回かに分けてご報告しています。私は、某県の学校教育に関する委員会の委員を引き受けているので、興味深く分析しているところです。

 前回「授業以外、自分で科学を学んでいるか」というアンケート結果を紹介しました。日本の子どもたちが授業以外で科学を学んで得た、今日的な課題の知識は驚くほど少ないことがわかりました。57か国中最下位で、私は危機感を覚えました。

 今日は、その続きの質問です。自分で科学を学ぶとき、どのような手段を取っているか、というものです。A)~F)の6種類の手段を示し、それらをよく使っている生徒のパーセンテージを分析しています。

 それでは上の表を見てください。6項目の設問は、

A)科学のテレビ番組を見る。
B)科学雑誌や新聞の科学欄を読む。
C)科学のトッピックスに関係したインターネットにアクセスする。
D)科学のとっぴクスを説明した本を借りる。
E)科学の進歩についてのラジオ番組を聴く。
F)サイエンスクラブに顔を出す。

です。

 上のA)~F)の手段によくアクセスする生徒のパーセンテージを、成熟した工業大国の、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、日本、ロシアで比較しました。

 A)~F)のパーセンテージの和(表のSum)を使って57カ国の順位をつけてみました。1位は驚くなかれキルギス、続いてアゼルバイジャン、コロンビア、チュニジア、ヨルダン、タイ、メキシコと途上国の子どもたちが積極的に科学の知識を吸収していることがわかります。

 7カ国の順位を見ると、ロシア15位、イタリア25位、ドイツ35位、フランス36位、アメリカ43位、イギリス55位、そして日本57位です。これも途上国傾向の順番を表しているのでしょうか。

 前回の調査「授業以外、自分で科学を学んでいるか」と同じく、日本はダントツの最下位、それも57か国中の最下位です。

 日本の生徒たちは、授業以外で科学の知識を得ていないのですから、いろいろな手段にアクセスする手段も少ないのは当然です。

 しかし、テレビ、雑誌、インターネット、本にアクセスする子どものパーセンテージが、他の6カ国と比べて低いのが気になります。子どもたちは塾に行かねばならずこのようなアクセスをする時間がないのも一因でしょう。しかし、本当の問題は、テレビ、雑誌、インターネット、本に興味を引く科学的なコンテンツが不足していることが原因でしょう。社会の問題なのです。

 大人が科学嫌いなのですから、社会がすぐ科学好きに変わるはずはありません。やはり、学校が、優れた面白いコンテンツを子どもたちに積極的に紹介し、宿題の一環としてそれらのコンテンツを見させることも必要だと思います。

by FewMoreMonths | 2008-01-25 13:05 | 教育


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